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「ちょっといいか?」ヒロは部屋のノックをしてから、カルディアに声をかける。
「何よ、改まって……」今、時計は夜の十時頃であった。
「お前に相談があるんだが……」アウラ達が眠っているようなよでヒロは少し音量を絞り小さな声で話す。
「いいわよ。私の出来る事なら言ってみて」カルディアは自分が役に立てる事があるのなら何でも協力しようと思った。そういえば、オリオンと出会った頃にも一度、夜にヒロが訪ねてきて話をしたことを思い出していた。たしかあの時ヒロはカルディアの事が大切だと言ってくれたのを思い出した。ヒロは普段はどんなに酷い事を言っても、いつも最後は自分を大切にしてくれる。彼女にとってそれがいつも嬉しかった。
「明日、歌を歌って欲しいんだ」ヒロは真面目な顔をしてお願いをする。
「へっ?」突然の申し出にヒロが何を言っているのか解らなかった。明日、また祭りでもあるのかと彼女は思った。
「明日、俺とオリオンはハルピュアの退治に出かける。で、カルディアも協力して欲しいんだ」
「ええ、それは勿論それは構わないけれど、どうして私が歌を歌わなければいけないのよ?」ヒロの言っている意味が彼女には理解出来なかった。
「ハルピュアは女の子の歌声を聞くと大人しくなるらしいんだ。出来るだけ大人しくなった所を仕留めたい。だからカルディアは戦いよりも歌うことに明日は集中してほしいんだ」ヒロはカルディアの両肩に手を置いた。
「わ、解ったわ。私の歌が役に立つなら……」カルディアは恥ずかしそうに横を向いた。「でも、そんなに上手じゃないわよ」
「いつものカルディアの明るい声を聞いていればだいたいの想像はできるよ。ありがとう、明日は頼んだぜ」ヒロはそう告げると額に二本の指を当てて敬礼のような仕草でウインクを投げた。カルディアはその仕草を見て少しドキリとした。
「お休みなさい」カルディアはゆっくりとドアを閉めた。「歌か……、あ、あー、あああああ~」彼女はアウラ達を起こさない程度に喉を調整した。
「うーん……」なぜかベッドで眠るアウラ達は魘《うなさ》されるような顔をしていた。
「何よ、改まって……」今、時計は夜の十時頃であった。
「お前に相談があるんだが……」アウラ達が眠っているようなよでヒロは少し音量を絞り小さな声で話す。
「いいわよ。私の出来る事なら言ってみて」カルディアは自分が役に立てる事があるのなら何でも協力しようと思った。そういえば、オリオンと出会った頃にも一度、夜にヒロが訪ねてきて話をしたことを思い出していた。たしかあの時ヒロはカルディアの事が大切だと言ってくれたのを思い出した。ヒロは普段はどんなに酷い事を言っても、いつも最後は自分を大切にしてくれる。彼女にとってそれがいつも嬉しかった。
「明日、歌を歌って欲しいんだ」ヒロは真面目な顔をしてお願いをする。
「へっ?」突然の申し出にヒロが何を言っているのか解らなかった。明日、また祭りでもあるのかと彼女は思った。
「明日、俺とオリオンはハルピュアの退治に出かける。で、カルディアも協力して欲しいんだ」
「ええ、それは勿論それは構わないけれど、どうして私が歌を歌わなければいけないのよ?」ヒロの言っている意味が彼女には理解出来なかった。
「ハルピュアは女の子の歌声を聞くと大人しくなるらしいんだ。出来るだけ大人しくなった所を仕留めたい。だからカルディアは戦いよりも歌うことに明日は集中してほしいんだ」ヒロはカルディアの両肩に手を置いた。
「わ、解ったわ。私の歌が役に立つなら……」カルディアは恥ずかしそうに横を向いた。「でも、そんなに上手じゃないわよ」
「いつものカルディアの明るい声を聞いていればだいたいの想像はできるよ。ありがとう、明日は頼んだぜ」ヒロはそう告げると額に二本の指を当てて敬礼のような仕草でウインクを投げた。カルディアはその仕草を見て少しドキリとした。
「お休みなさい」カルディアはゆっくりとドアを閉めた。「歌か……、あ、あー、あああああ~」彼女はアウラ達を起こさない程度に喉を調整した。
「うーん……」なぜかベッドで眠るアウラ達は魘《うなさ》されるような顔をしていた。
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