28 / 141
阿僧祇(あそうぎ)
阿僧祇
しおりを挟む
「その刀は一体どういう代物なの?」サヤは落ち着いてから質問を投げ掛けてくる。
先ほどの機械人間はサヤ達の間ではゴーレムと呼ばれているそうだ。ゴーレムは強靭な金属で作られており、この星いやこの日本に存在する金属で切断できる代物ではないそうだ。そのゴーレムをこのような鉄製の刀で真っ二つに斬ってしまうことなど物理的に考えてあり得る訳がないということである。
「この刀は『阿僧祇《あそうぎ》』という。刀鍛冶師だった俺の爺さまが人生の半分を費やして鍛えた刀だそうだ。」幻次郎は阿僧祇を鞘から引き抜くとサヤの前に置いた。
「触ってもいいかしら」彼女は手を差し出した。
「いいぞ。でも気をつけろよ」サヤは彼の了承をもらってから、目の前の阿僧祇を両手で持ち上げる。
「なっ、なに、なんなの!この重さは尋常じゃ無いわ!」とてもこの刀を腰にしてあのような動きが出来るなど信じられなかった。
「数々の侍や大名達が、この阿僧祇を譲ってくれと来たそうだが、誰一人として扱える者が居なかったそうだ。俺はガキの頃から阿僧祇を使えるようにと剣術をじいさまに教えられてきたからな。お陰でこの様《ざま》だ」幻次郎は袴の両裾《りょうすそ》を捲《まく》りあげた。そこには左右の太さが異様に違う二本の足が現れた。普段より阿僧祇を備える左側の足が右足の倍ほどの太さであった。それは引き締まった筋肉の塊のようであった。
「今では阿僧祇が無いと逆に真っ直ぐに歩けないくらいだ」幻次郎は苦笑いした。
「・・・・・・、これは間違いなくアズリニウムを使った物だわ。幻次郎さんのお祖父様は何処でこの原材料を手にいれられたの?」サヤは幻次郎に詰め寄った。その距離感に幻次郎は赤面する。
「爺さまが言っていたのは、山に住んでいた鬼が死に際に煮ても焼いてもどうにもならない鉄をもらったが、意固地になって……」
「幻次郎さん、その山は!?」幻次郎が言い終わる前にサヤが更に詰め寄ってきた。その距離はもはや零《ぜろ》に近い距離であった。幻次郎が真っ赤に顔を染めた。
「その裏山だ」彼女から顔を背けながら幻次郎は壁を指差した。
先ほどの機械人間はサヤ達の間ではゴーレムと呼ばれているそうだ。ゴーレムは強靭な金属で作られており、この星いやこの日本に存在する金属で切断できる代物ではないそうだ。そのゴーレムをこのような鉄製の刀で真っ二つに斬ってしまうことなど物理的に考えてあり得る訳がないということである。
「この刀は『阿僧祇《あそうぎ》』という。刀鍛冶師だった俺の爺さまが人生の半分を費やして鍛えた刀だそうだ。」幻次郎は阿僧祇を鞘から引き抜くとサヤの前に置いた。
「触ってもいいかしら」彼女は手を差し出した。
「いいぞ。でも気をつけろよ」サヤは彼の了承をもらってから、目の前の阿僧祇を両手で持ち上げる。
「なっ、なに、なんなの!この重さは尋常じゃ無いわ!」とてもこの刀を腰にしてあのような動きが出来るなど信じられなかった。
「数々の侍や大名達が、この阿僧祇を譲ってくれと来たそうだが、誰一人として扱える者が居なかったそうだ。俺はガキの頃から阿僧祇を使えるようにと剣術をじいさまに教えられてきたからな。お陰でこの様《ざま》だ」幻次郎は袴の両裾《りょうすそ》を捲《まく》りあげた。そこには左右の太さが異様に違う二本の足が現れた。普段より阿僧祇を備える左側の足が右足の倍ほどの太さであった。それは引き締まった筋肉の塊のようであった。
「今では阿僧祇が無いと逆に真っ直ぐに歩けないくらいだ」幻次郎は苦笑いした。
「・・・・・・、これは間違いなくアズリニウムを使った物だわ。幻次郎さんのお祖父様は何処でこの原材料を手にいれられたの?」サヤは幻次郎に詰め寄った。その距離感に幻次郎は赤面する。
「爺さまが言っていたのは、山に住んでいた鬼が死に際に煮ても焼いてもどうにもならない鉄をもらったが、意固地になって……」
「幻次郎さん、その山は!?」幻次郎が言い終わる前にサヤが更に詰め寄ってきた。その距離はもはや零《ぜろ》に近い距離であった。幻次郎が真っ赤に顔を染めた。
「その裏山だ」彼女から顔を背けながら幻次郎は壁を指差した。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
【⁉】意味がわかると怖い話【解説あり】
絢郷水沙
ホラー
普通に読めばそうでもないけど、よく考えてみたらゾクッとする、そんな怖い話です。基本1ページ完結。
下にスクロールするとヒントと解説があります。何が怖いのか、ぜひ推理しながら読み進めてみてください。
※全話オリジナル作品です。
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる