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臨海学校
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あっという間に夏休みになった。
憂鬱の種であった臨海学校の日がとうとう来てしまった。本来は希望者だけの参加であったが、体育委員の俺は自分の意思に関係なく半強制的に参加させられてしまった。まさに、友伽里の策略にまんまと嵌まってしまったという形である。
重い足取りで集合場所へと赴く。
「やっほー光くん!」友伽里が呑気に声をかけてきた。
「お前、朝から馬鹿に元気だな……」夏休みに入ってから、起床時間が大幅に遅くなった彼にとっては、この時間の集合は苦痛以外何物でもなかった。
「馬鹿とはなによ、馬鹿とは!もう元気だしてよ!せっかく、楽しい二泊三日の旅行なんだから」彼女はテンション高めに俺の背中を叩いた。その勢いで俺の体は前のめりに転びそうになり数歩前に進んだ。
「ん?なんだ」俺の顔面が柔らかい物に埋もれた。「きゃ!」と、同時に黄色い悲鳴が上がる。一歩後ろに下がり先ほどまで、俺の顔が収まっていた場所を確認する。
そこには成熟した胸を両手で覆い隠すの穂乃果の姿があった。
「えっ、あの……」どうやら、先ほど俺が感じた弾力感は、彼女の胸の膨らみのようであった。
「エッチ!」そう言うと、穂乃果は、俺の顔面をビンタで叩いた。それは、天国から地獄へ突き落とされるような感覚であった。
「痛っ!ワザとじゃねえだろ!」俺は痛みを堪えて反撃する。
「ふん!解ったもんだか……!」彼女は不貞腐れたような顔をした。
「なんだと!」
「ちょっと、やめなさいよ!あんたが悪いんでしょ、謝りなさい光君!」友伽里がまるで母親のような口調で俺を諭す。ただ俺にしてみれば原因の一因はお前だろうという思いもあった。
「ビンタ喰らわされた時点でお愛顧だろ!」俺の怒りも収まらない。
「なに、それ人の胸に……顔を……、まるで痴漢ね」穂乃果も負けずに言い返す。
「あんだと!」
「なによ!」
「おい、早々にそこ何をもめている!」引率の教師が駆け寄ってきた。
「なんでもないです!」穂乃果は揉め事を大きくしたくない様子であった。
「お前はどうなんだ?」教師が俺に問いかけた。
「なにもないです」腫れた頬を押さえながら俺は返答する。
「皆のコミュニケーションを育成するのが、この臨海学校の目的なんだ。みんな仲良く協力するように。いいな!」その教師の言葉に不本意ながら同調する。
バスに乗り込むと、俺の席の隣にはすでに友伽里が陣取っていた。とうやら、先程の俺と穂乃果のやり取りが気に喰わない様子で膨れっ面をしている。
「なに、また人妻にチョッカイかけているのよ」トゲのある言い方であった。
「なんだよ、さっきのは事故だろ!ビンタされるし最悪だわ!」俺は再度叩かれた頬をに手を添えた。
「どうだか!」
「なんだよ?」
「ふん!」友伽里は俺から背を向けて外の景色に目をやった。
「お前こそ意識しすぎなんじゃないのか?俺、別に彼女の事なんとも思っていないぜ」言いながらバスの天井を見つめる。
「・・・・・・本当?」背を向けたまま友伽里が聞いてくる。
「ああ・・・・・・」俺は目を瞑りそのまま寝たふりをした。
憂鬱の種であった臨海学校の日がとうとう来てしまった。本来は希望者だけの参加であったが、体育委員の俺は自分の意思に関係なく半強制的に参加させられてしまった。まさに、友伽里の策略にまんまと嵌まってしまったという形である。
重い足取りで集合場所へと赴く。
「やっほー光くん!」友伽里が呑気に声をかけてきた。
「お前、朝から馬鹿に元気だな……」夏休みに入ってから、起床時間が大幅に遅くなった彼にとっては、この時間の集合は苦痛以外何物でもなかった。
「馬鹿とはなによ、馬鹿とは!もう元気だしてよ!せっかく、楽しい二泊三日の旅行なんだから」彼女はテンション高めに俺の背中を叩いた。その勢いで俺の体は前のめりに転びそうになり数歩前に進んだ。
「ん?なんだ」俺の顔面が柔らかい物に埋もれた。「きゃ!」と、同時に黄色い悲鳴が上がる。一歩後ろに下がり先ほどまで、俺の顔が収まっていた場所を確認する。
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「えっ、あの……」どうやら、先ほど俺が感じた弾力感は、彼女の胸の膨らみのようであった。
「エッチ!」そう言うと、穂乃果は、俺の顔面をビンタで叩いた。それは、天国から地獄へ突き落とされるような感覚であった。
「痛っ!ワザとじゃねえだろ!」俺は痛みを堪えて反撃する。
「ふん!解ったもんだか……!」彼女は不貞腐れたような顔をした。
「なんだと!」
「ちょっと、やめなさいよ!あんたが悪いんでしょ、謝りなさい光君!」友伽里がまるで母親のような口調で俺を諭す。ただ俺にしてみれば原因の一因はお前だろうという思いもあった。
「ビンタ喰らわされた時点でお愛顧だろ!」俺の怒りも収まらない。
「なに、それ人の胸に……顔を……、まるで痴漢ね」穂乃果も負けずに言い返す。
「あんだと!」
「なによ!」
「おい、早々にそこ何をもめている!」引率の教師が駆け寄ってきた。
「なんでもないです!」穂乃果は揉め事を大きくしたくない様子であった。
「お前はどうなんだ?」教師が俺に問いかけた。
「なにもないです」腫れた頬を押さえながら俺は返答する。
「皆のコミュニケーションを育成するのが、この臨海学校の目的なんだ。みんな仲良く協力するように。いいな!」その教師の言葉に不本意ながら同調する。
バスに乗り込むと、俺の席の隣にはすでに友伽里が陣取っていた。とうやら、先程の俺と穂乃果のやり取りが気に喰わない様子で膨れっ面をしている。
「なに、また人妻にチョッカイかけているのよ」トゲのある言い方であった。
「なんだよ、さっきのは事故だろ!ビンタされるし最悪だわ!」俺は再度叩かれた頬をに手を添えた。
「どうだか!」
「なんだよ?」
「ふん!」友伽里は俺から背を向けて外の景色に目をやった。
「お前こそ意識しすぎなんじゃないのか?俺、別に彼女の事なんとも思っていないぜ」言いながらバスの天井を見つめる。
「・・・・・・本当?」背を向けたまま友伽里が聞いてくる。
「ああ・・・・・・」俺は目を瞑りそのまま寝たふりをした。
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