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金は払わん!
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「えーと・・・・・・・、この辺かな・・・・・・・」愛美は名刺の住所を頼りに刈谷の探偵事務所を探していた。その住所が示す場所は、治安の悪そうなメージの場所であった。ピンクのネオン街の片隅にその事務所はあった。ここに辿りつくまでに数人の中年男性にお誘いを受けたが、丁寧にお断りしてきた。
雑居ビルの3Fの窓の下に、あまり費用をかけていないと思われる看板が取り付けられている。そこには『刈谷探偵事務所』と書かれてあった。エレベーターは無く、葉版狭い階段。人とすれ違うのは無理であろう。
愛美は恐る恐る、その階段を上っていく。2階はインド料理の店であろうか。営業しているのかしていないのか、とにかく本日は休みのようであった。
息切れしそうなほど急な階段、松葉杖を突いてこの階段を上るのは大変であろう。
3階の事務所の前にたどり着いき、彼女は深呼吸をしてからドアをノックしようとした。
「これはどういうことなんだ!!」中から、怒鳴る男の声がして愛美は驚愕し、ノックしようとしていた手が止まった。
「俺は愛美に男がいないか調査してくれって、依頼した筈だ!それなのに・・・・・・・この、愛美と抱き合って悶えるような顔をしているのは、あんたじゃないのか!?」愛美には、その声に聞き覚えがあった。その主は一応、彼女の彼氏である嘉彦であった。
「いや、これは・・・・・・・、悶えているのではなくて、痛がっているんです」刈谷は素っ頓狂な返答を返す。その言葉が嘉彦の怒りに油を注いだようであった。
「あんた、俺を馬鹿にしているのか!依頼者の女を寝取るなんて、なんて探偵なんだ!」嘉彦は机を殴るようにして叩いた。
「ちょっと、僕はそんなことしてませんよ・・・・・・・・、でも、愛美さんが目の前で車に轢かれそうになったんで・・・・・・・・、普通、助けるでしょ?」その口調はいたって単調であった。嘉彦と完全に反比例した話し方であった。
「とにかく、金は払わんからな!逆に、訴えたいくらいだ!!」嘉彦は机の上に、写真を投げつけると、怒りを露わにしてドアを乱暴に開けて事務所を出て行った。
「はあ・・・・・・・・、こりゃ、必要経費回収できんな・・・・・・・」刈谷は、嘉彦の投げ捨てて行った写真を手に取ってみた。「けっこう、綺麗に撮ってるな」言いながら椅子に体重をかけて凭れながら写真を見つめた。
「よいしょっと」おじさんのように声を上げると、嘉彦が開けたままにしたドアを閉める為に、事務所の入り口に向かう。どうやら足の腫れも引いたようで松葉杖を使わずに移動できるようになったようであった。
ドアを閉めようとすると、何かが挟まっているようできちんと閉まらない。もう一度ドアを開き下を見ると何かが落ちている。しゃがんで拾い上げると、それは定期入れのようであった。
「あれ?これって・・・・・・・、なぜこんな所に・・・・・・・」その中には、電車の定期券が入っていた。そこに記された所有者の名前は「篠原 愛美」と書いてあった。「ふーん・・・・・・・・」刈谷は、それをポケットにしまうと、事務所のカギを締めて、階段を下りて行った。
雑居ビルの3Fの窓の下に、あまり費用をかけていないと思われる看板が取り付けられている。そこには『刈谷探偵事務所』と書かれてあった。エレベーターは無く、葉版狭い階段。人とすれ違うのは無理であろう。
愛美は恐る恐る、その階段を上っていく。2階はインド料理の店であろうか。営業しているのかしていないのか、とにかく本日は休みのようであった。
息切れしそうなほど急な階段、松葉杖を突いてこの階段を上るのは大変であろう。
3階の事務所の前にたどり着いき、彼女は深呼吸をしてからドアをノックしようとした。
「これはどういうことなんだ!!」中から、怒鳴る男の声がして愛美は驚愕し、ノックしようとしていた手が止まった。
「俺は愛美に男がいないか調査してくれって、依頼した筈だ!それなのに・・・・・・・この、愛美と抱き合って悶えるような顔をしているのは、あんたじゃないのか!?」愛美には、その声に聞き覚えがあった。その主は一応、彼女の彼氏である嘉彦であった。
「いや、これは・・・・・・・、悶えているのではなくて、痛がっているんです」刈谷は素っ頓狂な返答を返す。その言葉が嘉彦の怒りに油を注いだようであった。
「あんた、俺を馬鹿にしているのか!依頼者の女を寝取るなんて、なんて探偵なんだ!」嘉彦は机を殴るようにして叩いた。
「ちょっと、僕はそんなことしてませんよ・・・・・・・・、でも、愛美さんが目の前で車に轢かれそうになったんで・・・・・・・・、普通、助けるでしょ?」その口調はいたって単調であった。嘉彦と完全に反比例した話し方であった。
「とにかく、金は払わんからな!逆に、訴えたいくらいだ!!」嘉彦は机の上に、写真を投げつけると、怒りを露わにしてドアを乱暴に開けて事務所を出て行った。
「はあ・・・・・・・・、こりゃ、必要経費回収できんな・・・・・・・」刈谷は、嘉彦の投げ捨てて行った写真を手に取ってみた。「けっこう、綺麗に撮ってるな」言いながら椅子に体重をかけて凭れながら写真を見つめた。
「よいしょっと」おじさんのように声を上げると、嘉彦が開けたままにしたドアを閉める為に、事務所の入り口に向かう。どうやら足の腫れも引いたようで松葉杖を使わずに移動できるようになったようであった。
ドアを閉めようとすると、何かが挟まっているようできちんと閉まらない。もう一度ドアを開き下を見ると何かが落ちている。しゃがんで拾い上げると、それは定期入れのようであった。
「あれ?これって・・・・・・・、なぜこんな所に・・・・・・・」その中には、電車の定期券が入っていた。そこに記された所有者の名前は「篠原 愛美」と書いてあった。「ふーん・・・・・・・・」刈谷は、それをポケットにしまうと、事務所のカギを締めて、階段を下りて行った。
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