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篠原奈緒
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祐樹の通う公立西高等学校の制服、紺色のブレザーにスカート、胸には棒タイ。隣の家に住む幼馴染の篠原 奈緒だ。
奈緒は成績が良く生徒会の書記長、クラブ活動は空手部に所属している。
空手は小学生低学年より習っており現在は弐段の腕前だそうだ。県大会でも上位に食込む猛者である。見た目も標準以上であり、スタイルも良い・・・・・・そうだ。
上級生、同級生、下級生を問わず交際の申し入れが頻繁にあるそうである。彼女を恋愛の対象で見たことが無いので、祐樹には彼らのその気持ちが解らない。
ただ勿体ないことに奈緒が告白に首を縦に振ることは、今まで一度もなかったそうだ。
彼女と反比例するように祐樹は一度も告白などされたことは無い。女気など全くもって無縁の存在であった。
「祐ちゃん! おはよう」奈緒はニコリと微笑んだ。
毎朝、二人で通学するのが日課となっている。幼稚園の頃から続く習慣なので、違和感は無いのだが同級生からは「熱いねー!」とよく冷やかされる。
「そんなのじゃないって!ねぇ、祐ちゃん!」奈緒は笑顔で否定するが、祐樹の腕に、自分の腕を絡《から》めてくる。
「それするから、余計に誤解されるんじゃないの?」
「誤解されてもいいじゃん!」祐樹の意見を奈緒は全く聞いてくれない。祐樹はどうしたいんだと呆れていた。
彼は幼稚園から続くこのイベントにウンザリして、別々に通学しようと何度か奈緒に提案はしたのだが毎回決まったように「別に、いいじゃん!」といって彼女は、同伴通学をやめようとはしない。
先ほども言ったが奈緒のお陰で、祐樹はこの世に生を受けて十六年間彼女が出来た事が一度も無い。
いい加減開放して欲しいものだと常々思っている。まあ、奈緒のせいだけではないのだろうが・・・・・・。
いつもの道を歩いていくと、見慣れた景色の中に綺麗な少女の姿を見つけた。いつもと同じ景色の中に少女が一人いるだけで、目の前の景色は激変した。
彼女の年齢は祐樹達と同じ位だろうか、学校の制服は着ていない。
上半身が赤色のジャケット、黒いズボンに茶色のブーツ。真紅に染めた長い髪、長さは肩より少し長い位、透き通るような白い肌、適度に赤く形の良い唇が色っぽい。スタイルは奈緒と違い、胸は大きく腰はくびれて、お尻は丁度良い大きさ。まるで雑誌のモデルかなにかのようだった。その姿から想像すると学生ではないと思われた。
何気なく少女と目があった。祐樹のほうを見て、天使のようにニッコリと微笑んだ・・・・・・っと祐樹は思った。
彼女の笑顔につられて、祐樹もニッコリ微笑みながら少し会釈をした。
「祐ちゃん!」突然、奈緒が祐樹の頬を軽くつねった。
「イテテテ!なにするんだよ!」つねられた頬を右手で押さえた。奈緒の顔を見るとまるで鬼の形相のようにこちらを睨みつけている。背後には炎がメラメラ燃えているような錯覚に襲われた。天国から地獄に突き落とされたような気分であった。
「デレデレしないの! 」言うと奈緒は、祐樹の右腕に自分の腕を絡めてきた。
肘のあたりに、奈緒の胸が当たる。柔らかい弾力に恥ずかしくなり「デレデレなんて、してないよ・・・・・・! 」と言って奈緒の手を振りほどいた。
「もう、浮気は駄目だからね!」もう一度、奈緒が腕を絡めてこようとしたので、祐樹は腕組みをして奈緒の攻撃をかわした。奈緒は軽快なフットワークで祐樹を追いつめる。
「もう!照れちゃって!」奈緒はグーで祐樹の頬に軽いパンチをお見舞いした。軽度の脳震盪に襲われる。フラフラする頭を復活させる為に、ブルンブルンと頭を振ってから、先ほどの少女がいた場所にもう一度目を向けた。その視線を向けた先には少女の姿はなかった。
祐樹は何故か少し損をしたような感覚に捕らわれた。
「はぁ・・・・・・」なぜか、深いため息が出た。
奈緒は成績が良く生徒会の書記長、クラブ活動は空手部に所属している。
空手は小学生低学年より習っており現在は弐段の腕前だそうだ。県大会でも上位に食込む猛者である。見た目も標準以上であり、スタイルも良い・・・・・・そうだ。
上級生、同級生、下級生を問わず交際の申し入れが頻繁にあるそうである。彼女を恋愛の対象で見たことが無いので、祐樹には彼らのその気持ちが解らない。
ただ勿体ないことに奈緒が告白に首を縦に振ることは、今まで一度もなかったそうだ。
彼女と反比例するように祐樹は一度も告白などされたことは無い。女気など全くもって無縁の存在であった。
「祐ちゃん! おはよう」奈緒はニコリと微笑んだ。
毎朝、二人で通学するのが日課となっている。幼稚園の頃から続く習慣なので、違和感は無いのだが同級生からは「熱いねー!」とよく冷やかされる。
「そんなのじゃないって!ねぇ、祐ちゃん!」奈緒は笑顔で否定するが、祐樹の腕に、自分の腕を絡《から》めてくる。
「それするから、余計に誤解されるんじゃないの?」
「誤解されてもいいじゃん!」祐樹の意見を奈緒は全く聞いてくれない。祐樹はどうしたいんだと呆れていた。
彼は幼稚園から続くこのイベントにウンザリして、別々に通学しようと何度か奈緒に提案はしたのだが毎回決まったように「別に、いいじゃん!」といって彼女は、同伴通学をやめようとはしない。
先ほども言ったが奈緒のお陰で、祐樹はこの世に生を受けて十六年間彼女が出来た事が一度も無い。
いい加減開放して欲しいものだと常々思っている。まあ、奈緒のせいだけではないのだろうが・・・・・・。
いつもの道を歩いていくと、見慣れた景色の中に綺麗な少女の姿を見つけた。いつもと同じ景色の中に少女が一人いるだけで、目の前の景色は激変した。
彼女の年齢は祐樹達と同じ位だろうか、学校の制服は着ていない。
上半身が赤色のジャケット、黒いズボンに茶色のブーツ。真紅に染めた長い髪、長さは肩より少し長い位、透き通るような白い肌、適度に赤く形の良い唇が色っぽい。スタイルは奈緒と違い、胸は大きく腰はくびれて、お尻は丁度良い大きさ。まるで雑誌のモデルかなにかのようだった。その姿から想像すると学生ではないと思われた。
何気なく少女と目があった。祐樹のほうを見て、天使のようにニッコリと微笑んだ・・・・・・っと祐樹は思った。
彼女の笑顔につられて、祐樹もニッコリ微笑みながら少し会釈をした。
「祐ちゃん!」突然、奈緒が祐樹の頬を軽くつねった。
「イテテテ!なにするんだよ!」つねられた頬を右手で押さえた。奈緒の顔を見るとまるで鬼の形相のようにこちらを睨みつけている。背後には炎がメラメラ燃えているような錯覚に襲われた。天国から地獄に突き落とされたような気分であった。
「デレデレしないの! 」言うと奈緒は、祐樹の右腕に自分の腕を絡めてきた。
肘のあたりに、奈緒の胸が当たる。柔らかい弾力に恥ずかしくなり「デレデレなんて、してないよ・・・・・・! 」と言って奈緒の手を振りほどいた。
「もう、浮気は駄目だからね!」もう一度、奈緒が腕を絡めてこようとしたので、祐樹は腕組みをして奈緒の攻撃をかわした。奈緒は軽快なフットワークで祐樹を追いつめる。
「もう!照れちゃって!」奈緒はグーで祐樹の頬に軽いパンチをお見舞いした。軽度の脳震盪に襲われる。フラフラする頭を復活させる為に、ブルンブルンと頭を振ってから、先ほどの少女がいた場所にもう一度目を向けた。その視線を向けた先には少女の姿はなかった。
祐樹は何故か少し損をしたような感覚に捕らわれた。
「はぁ・・・・・・」なぜか、深いため息が出た。
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