いやだもん!

松岡志雨

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いやだもん!

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いっちゃんは笑顔が可愛い女の子。
だけどこの頃ふくれてばかり。
ママがお片付けしよう?って言っても
「いやだもん!」ってふくれてる。
お友達にオモチャかして?言われても
「いやだもん!」ってふくれてる。
お着替えだってお風呂だってお野菜食べるのだって
なんでもかんでも「いやだもん!」ってふくれちゃう。
そんないっちゃんにママが言いました。
いやだもん!ばっかりじゃ大事なものが無くなっちゃうよ?
それでもいっちゃんはフン!ってふくれたまんま。

そのうち、いっちゃん「いやだもん!」ばっかりで一緒に遊べない!ってお友達が遊んでくれなくなりました。
お家でも「いやだもん!」って言う度
「じゃあもう知らないよ?」ってママが離れてく。
いっちゃんは寂しくなりました。
だけどいっちゃん「いやなんだもん。」って。
それから何日かたったけど
いっちゃんはひとりぼっちのまんま。
ママが言ってた大事なものが無くなっちゃうって
こういうことだったんだって
ひとりになってようやく気づいた。

その日の夜ごはんはいっちゃんの嫌いなピーマンがでた。
いっちゃんピーマンとにらめっこ。
いつもなら「いやだもん!」って食べないけど
今日は違います。
「いっちゃんピーマンたべられるもん!」そう言ってパクリ。
ママは目を丸くして言います。「今日は嫌じゃないの?」
「いやだけど、いやじゃないもん!」そう言ってピーマンをゴックン。
ママはいっぱい褒めてくれた。
寝る時も「今日ピーマン食べれたのほんとに偉かったよ」って笑って頭を撫でてくれた。
次の日保育園で人形遊びをしていると少し前まで仲良しだった
ユキちゃんが来た。
いっちゃんはユキちゃんと遊んでた頃を思い出します。
ユキちゃんもこのお人形好きだったな。
いっつも取り合いになってたっけ…。
でもユキちゃんと遊ぶの楽しかったな。
いっちゃん勇気をだして声をかけます。
「ユキちゃん!これ!…」
ユキちゃんは目を丸くした。
「いっしょに…あそぼ?」いっちゃんがそう言うと
ユキちゃんは「このお人形つかっていいの?」ってニコニコしてた。
今ではすっかりユキちゃんとも仲直りができて、
ママとも毎日仲良しで
たまに「いやだもん!」って言いたくなる時もあるけど
その度に思い出します。
「いやだもん!」は大好きなひとの心から
いっちゃんがいなくなっちゃうんだって。
嫌な時はどうして嫌なのか、どこが嫌なのか言わないと
「いやだもん!」だけじゃなんにも伝わらないってこと。
もう「いやだもん!」は言わないよ。
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