神様わたしの星作り_chapter One【短編・完結済み】

草壁なつ帆

文字の大きさ
7 / 21
天地創造

7.神様は急に生まれる

しおりを挟む



プシュー。

まるで狂った時計みたい。要所要所で存在感を示す黄色サボテン。この星は実に退屈でつまらない。

永遠の時間をへらへら笑いながら過ごすゾンビ。
砂地の荒野に生える二本の兵器。
あ、あと。どこかへ行ったっきりのゾンビ犬。

未熟な私のせいだけど、下手なことをすれば手に追えなくなるじゃないですか。……私はもう怖いのです。






ゾンビさんと兵器らがまた、星の裏側の闇世界から帰って参りました。地上では朝の時間帯です。

もう付きっきりで見守ることはしていません。労力をかけるだけ無駄と知っているので。

"ねえ裏側って誰か居る?"

それは。
それは不意にかけられる言葉でした。

"……は?"

突然です。ありえません。この宇宙空間にひとりの人間が現れていて、後ろから私に声をかけている。

そんなことは信じられませんでした。






"ねえって。裏側に誰かいる?"

その方は私に話しかけていました。なにせここには私しか存在しませんから。

"あ、裏側……。星の裏側には誰もいませんけど……"

"そっ。じゃあアタシそっちに回るから"

お洋服は召されておりません。悔しいくらいのふくよかなお胸を弾ませながら、その女性は二本の足で宇宙を歩いていきます。






"ちょ、ちょちょちょちょちょっと待って!"

"なに?"

"あなた誰ですか! どこから現れたんですか!"

女性は自分が神であると告げてから、こう言います。

"あんた。創造の神だろ?" と。

それ以上の情報はくれず。神は星の裏側へ消えました。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

OLサラリーマン

廣瀬純七
ファンタジー
女性社員と体が入れ替わるサラリーマンの話

入れ替わり夫婦

廣瀬純七
ファンタジー
モニターで送られてきた性別交換クリームで入れ替わった新婚夫婦の話

花鳥見聞録

木野もくば
ファンタジー
花の妖精のルイは、メジロのモクの背中に乗って旅をしています。ルイは記憶喪失でした。自分が花の妖精だったことしか思い出せません。失くした記憶を探すため、さまざまな世界を冒険します。

ドマゾネスの掟 ~ドMな褐色少女は僕に責められたがっている~

ファンタジー
探検家の主人公は伝説の部族ドマゾネスを探すために密林の奥へ進むが道に迷ってしまう。 そんな彼をドマゾネスの少女カリナが発見してドマゾネスの村に連れていく。 そして、目覚めた彼はドマゾネスたちから歓迎され、子種を求められるのだった。

母の下着 タンスと洗濯籠の秘密

MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。 颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。 物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。 しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。 センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。 これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。 どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。

処理中です...