神様わたしの星作り_chapter One【短編・完結済み】

草壁なつ帆

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天地創造

8.夜神さんの仕事ぶり

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一度裏側にまわった神は、そのあと光の世界に出てくることはありません。

そこで私は、こっそりと裏側へ偵察に向かいました。
kenなんかよりよっぽど気になるのです。

神とやらの行動が。






暗闇世界を覗くと、こちらに背を向けてごろ寝する裸体がひとつ。大きなイビキも聞こえて参ります。

でもどうやら永遠に寝ているわけでは無いみたい。試しに反対回りで裏側を覗いてみた時も、背中が向けられていたからです。

ならば次は右回りに。
今度は左回りに…と見せかけてやっぱり左回りに。

何度覗いても、いつでも背中が向けられていました。それは一種の超能力かと思うほど必ずでした。






今日こそサボり神の寝顔を見てやるぞと近付きました。

"なに?"

そして瞬間でバレました。






夜の神様だということに勝手に決めて『夜神ヨルガミさん』と呼ぶことにします。彼女は相変わらず素っ裸。曲線の美しい背中に物を言わすのです。

"何か質問?"

"ええっと。神様だから私の行動が分かるんですか?"

質問の意味が分からないのか、ここではオジサン風にお尻をポリポリ掻いているだけに終わりました。

はからずも前世はコミュニケーションの手解きがいまいちだったのを思い出してしまう。






滑らかな背中に見惚れていると、地上では夜になるお時間でした。一日ゆらゆら過ごしたゾンビさんたちがこちら側に回ってきます。

何と無しにゾンビさんを横目で見る。すると私はハッとなりました。小さな悲鳴も出ました。

ゾンビは立ったまま、もしくは横になったまま、目をつぶって就寝しているのです。

イビキをかいています。この時だけは黄色サボテンも噴出するのをやめて、静かな時を作っていました。






"ゾ、ゾンビさんたちに何をしたんですか!?"

衝撃的でいる私とは裏腹。夜神さんは大きなあくびをしたところでした。

"暗くなったら休むようにしただけだけど?"

"いったいどんな技で"

"神なんだから何でも出来るよ"

その言葉は非力な私にキツく突き刺さるものです。けれども夜神さんには何でもありません。

イビキが聞こえてくると思ったら、ゾンビさんたちのものじゃなくて夜神さんのイビキでした。
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