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一刻を争う決断
決闘
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風吹く広場。逃げるとしたら、ここから柵を越えて下へと飛び降りるくらいだろう。二階建てくらいの高さなんで落ちて死にはしないだろうけど、負傷はしそうだ。
「聞き間違いかな? どうやら内緒話を聞いてしまったらしい」
にじり寄って来る人物は、俺かテレシア女王に向かって言う。パッと明かりが付いた電灯がそいつの顔を明らかにした。
余裕ぶっているその顔は知らない。だが、服装からして軍人だと分かる。セルジオじゃなくアスタリカの紋章を胸にも腕にもあちこち付けて威厳を見せつけている男だ。俺が思い浮かべた人物はひとりだった。
「アスタリカ帝……」
口に出すと、女王はわずかに一歩後ろに足を引いた。俺は咄嗟に彼女の腕を持つ。
「飛び降りないでくださいよ」
「わ、分かっていますわ」
この様子を見て、男は軽く笑っている。
「仲がよろしいことで。実に本物の兄弟のようだ。セルジオ王国暗殺班アルマンダイト・クロスフィル」
この男は俺のことを知っているらしい。ニヤリと微笑めば奥歯が金色に光った。
「私の個人的な名前も教えておこうか。……いや、やっぱりやめておこう。そのうちアスタリカの建国パーティーを行う予定でね。私の名前を君に教えるのは、その招待状を送る時にしよう。まあ……君が生きていたら、の話だが」
言うと、アスタリカ帝はゆっくりと腰の剣を抜いた。海外の大国で使われている幅が細くて長い剣だ。
「テレシア女王。うちのリーデッヒが泣いて縋るもんですから。やむなく私が媒酌人を買って出たいと思います」
剣を電灯に向けて歪みや錆が無いかを見ている。俺は衣服ごと置いてきたせいで、短銃ひとつと数弾の弾しか持っていない。
隙を見て逃げられるか……。考えを回していると、アスタリカ帝は自ら剣を手放して地面へと放った。カランと軽い音を立て、俺たちとアスタリカ帝の間に転がる。
「決闘をしたまえ。クロスフィル」
それから落とした剣についてもこう言う。
「ちょうど武器が足りなかっただろう。私の愛用を貸してやろう」
すると咄嗟に反応したのは女王だ。
「リーデッヒとは話を付けました。これ以上わたくしへ関わることはありませんと約束をしたはずですわ」
「まあ、確かにそう聞きましたけど。親のようでもある私が納得出来ていないので。テレシア女王には、考え方を改めて貰わないといけないかなと思いましてね」
相手の勝手な発言に女王は鋭く牽制した。
「決闘による解決は法律で禁止しています」
「うーん、それは困ったなぁ……。でも、そうか。クロスフィルが負けたら、以後はアスタリカの法律に変わるということなので。その件は無効になりますね」
奥歯を噛まされた女王だ。
俺が掴む腕を振り解いてから、逆に女王の方から俺の腕をしっかりと掴んで離さない。無駄な挑発に乗る必要はないと、言いはしなくてもそう伝えている。
「なんだ……決闘放棄か。エルサの地最強兵士だと言われるセルジオ軍兵がどれほどの実力があるのか、決戦になる前に見ておこうと思ったのに。さすがに内輪揉めに忙しいあまり、外での戦いは学んでいないのかな?」
女王の手に痛いくらいの力が入る。しかしこれくらいの挑発で俺は動こうとは思わない。
そんなことはアスタリカ帝も知っている。
「そうだ。クロスフィル。大規模な鉄工場を探しているんだって?」
「……!?」
「なんだか知らないが、先代王の墓の下に大量の鉄クズを隠し持っていたそうじゃないか。私はとある若手の兵士から話を聞いただけで実物を見ていない。よければ今度案内してくれないか」
アスタリカ帝はニューリアンが残したもののひとつを知っていた。一体誰から聞いたのか。リーデッヒか。いいや、それをアスタリカ帝は否定する。
「リーデッヒは案外口が硬くてね。こういう時にアレは使えないんだ」
「……」
ずんと重いものが胸の中に落とされた感覚がする。
「ダメよ」と女王が言っても、ただの細い指で掴まれた手は一瞬で振り切れた。
俺は数歩進んで剣を手に取る。これが剣なのかと思うほどに軽い。持ち柄は取っ掛かりがなくて滑りそうでもある。
「君の専門は暗殺だ。おそらく長時間の対決に私相手では不利だろう。だが心配はしなくて良い。うちの指揮官もあまり戦場に出たがらなくてな。たまには運動して欲しいものだ」
紹介されるとコツコツと別の靴音が近付いて来ていた。決戦だというのに青い顔をした男だった。剣を持ち上げている俺を見つけるなり、ゴクンと唾まで飲み込んでいる。
そんな男にアスタリカ帝はこの勝負を託すようだった。青い男の肩に手を置いて後ろへ下がっていく。
「殺す以外の選択は無いぞ。リーデッヒ」
俺にはその言葉が聞こえた。テレシア女王にはどうだろうか。
「ごめんね、クロノス君。最後の言葉を交わしている時間は無いんだ……!」
この一言をこぼすと、リーデッヒは自身の剣を横向きに構えて突進してくる。このままの勢いで串刺しにしようっていうのか。それとももしかして、俺を通り過ぎて女王を狙う気じゃないだろうな。と、勘が動く。
だから先回りして右へ避けた。するとリーデッヒもこっちを追って来るようだ。
伸ばした剣先は俺の行く手を阻み、足が止まった瞬間を狙って腹に蹴りを入れられる。
「うっ!」
前屈みになりそうになると、下から光が見えた。
すぐに背中を逸らして回避したが。あのままの姿勢でいたら喉を掻っ切られていただろう。ひたいが痒くなり、手の甲で擦ると赤い血が滲んで付いている。
「殺すつもりなんだな」
「……」
返事をしないで、同じ姿勢でまた駆けてきた。
避けるのに背一杯になるなかりの戦いで、なかなかこっちの立ち回りが効かない。武器のせいというのもある。セルジオ兵士がよく使う剣の型で、リーデッヒに一発当てられるのか賭けに近い。
「わっ!?」
俺の手から剣が抜けた。リーデッヒの攻撃を刃で受けるにしても、剣自体の軽さが信用できずに気が散りがちだった。
体制を立て直さないと。俺はあえて敵の刃に靴を食い込ませ地面へと蹴り落とした。それによってリーデッヒの姿勢を崩させる。
ここで俺の武器は銃しかない。一発。どこに……。
ほんの短い決闘が終わる。鳥が群れでそこの木から飛び立った。銃声に驚いてのことだった。
「はぁ……はぁ……」
火薬の匂いが漂った。それすらも嗅いだことのない海外製のものと感じた。荒い息の向こうから呑気な声が届く。
「銃を使おうだなんて、よっぽど危機だったのかな?」
アスタリカ帝からの言葉だ。
パタリと俺の右手が力をなくして地面に落ちると、構え損ねた銃が転がっている。そして、もうひとつ。音を鳴らして銃口から煙だけを残した短銃は、いまだ俺の胸に突きつけられていた。
「はぁ……バカだよ君は……。ちゃんと僕を殺しなよ……」
たった一瞬の迷いが全てを決めた。俺は、リーデッヒのどこを撃てばこの戦いに収まりが付き、テレシア女王が悲しまないだろうかと考えてしまったんだ。
あんな話を聞いた後じゃなくて、もっと平和ボケを起こしていなければ懸命な判断が付いたはずだ。
「……」
落第だ。
勝負がついて俺が倒れていても、女王のあの時みたいな泣き叫ぶ声は聞こえてこなかった。俺がダメならまた別の方法を考えなくちゃならない。そっちに切り替えたんだろうか。
「よくやったぞリーデッヒ」
「いいえ。まだです」
リーデッヒは仰向けになる俺の上着を手早く開けた。防弾チョッキを着込んでいるのにも驚くことはなかった。そこらじゅうに散らばった赤色が本物の血じゃないことはリーデッヒには分かっている。
けど、防弾チョッキをまくって下に銃口を当てたら、もう俺は確実に殺される。
「とどめをさしておきます。もう僕の妻にまとわりつかないように」
その言葉をアスタリカ帝は高く評価した。
「さすが。出来る男だな」
「……」
カチャ、と引き金に指がかかった。
「クロノス君。君がただの恋敵だったら良かったのに……」
最後の銃声が轟く。音を聞きつけて街の人々が集まっていた。誰も止めることは叶わない。平和な国の中で勝手にひとりの男が殺されるだけだ。
(((毎週[月火]の2話更新
(((次話は来週月曜日17時に投稿します
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「聞き間違いかな? どうやら内緒話を聞いてしまったらしい」
にじり寄って来る人物は、俺かテレシア女王に向かって言う。パッと明かりが付いた電灯がそいつの顔を明らかにした。
余裕ぶっているその顔は知らない。だが、服装からして軍人だと分かる。セルジオじゃなくアスタリカの紋章を胸にも腕にもあちこち付けて威厳を見せつけている男だ。俺が思い浮かべた人物はひとりだった。
「アスタリカ帝……」
口に出すと、女王はわずかに一歩後ろに足を引いた。俺は咄嗟に彼女の腕を持つ。
「飛び降りないでくださいよ」
「わ、分かっていますわ」
この様子を見て、男は軽く笑っている。
「仲がよろしいことで。実に本物の兄弟のようだ。セルジオ王国暗殺班アルマンダイト・クロスフィル」
この男は俺のことを知っているらしい。ニヤリと微笑めば奥歯が金色に光った。
「私の個人的な名前も教えておこうか。……いや、やっぱりやめておこう。そのうちアスタリカの建国パーティーを行う予定でね。私の名前を君に教えるのは、その招待状を送る時にしよう。まあ……君が生きていたら、の話だが」
言うと、アスタリカ帝はゆっくりと腰の剣を抜いた。海外の大国で使われている幅が細くて長い剣だ。
「テレシア女王。うちのリーデッヒが泣いて縋るもんですから。やむなく私が媒酌人を買って出たいと思います」
剣を電灯に向けて歪みや錆が無いかを見ている。俺は衣服ごと置いてきたせいで、短銃ひとつと数弾の弾しか持っていない。
隙を見て逃げられるか……。考えを回していると、アスタリカ帝は自ら剣を手放して地面へと放った。カランと軽い音を立て、俺たちとアスタリカ帝の間に転がる。
「決闘をしたまえ。クロスフィル」
それから落とした剣についてもこう言う。
「ちょうど武器が足りなかっただろう。私の愛用を貸してやろう」
すると咄嗟に反応したのは女王だ。
「リーデッヒとは話を付けました。これ以上わたくしへ関わることはありませんと約束をしたはずですわ」
「まあ、確かにそう聞きましたけど。親のようでもある私が納得出来ていないので。テレシア女王には、考え方を改めて貰わないといけないかなと思いましてね」
相手の勝手な発言に女王は鋭く牽制した。
「決闘による解決は法律で禁止しています」
「うーん、それは困ったなぁ……。でも、そうか。クロスフィルが負けたら、以後はアスタリカの法律に変わるということなので。その件は無効になりますね」
奥歯を噛まされた女王だ。
俺が掴む腕を振り解いてから、逆に女王の方から俺の腕をしっかりと掴んで離さない。無駄な挑発に乗る必要はないと、言いはしなくてもそう伝えている。
「なんだ……決闘放棄か。エルサの地最強兵士だと言われるセルジオ軍兵がどれほどの実力があるのか、決戦になる前に見ておこうと思ったのに。さすがに内輪揉めに忙しいあまり、外での戦いは学んでいないのかな?」
女王の手に痛いくらいの力が入る。しかしこれくらいの挑発で俺は動こうとは思わない。
そんなことはアスタリカ帝も知っている。
「そうだ。クロスフィル。大規模な鉄工場を探しているんだって?」
「……!?」
「なんだか知らないが、先代王の墓の下に大量の鉄クズを隠し持っていたそうじゃないか。私はとある若手の兵士から話を聞いただけで実物を見ていない。よければ今度案内してくれないか」
アスタリカ帝はニューリアンが残したもののひとつを知っていた。一体誰から聞いたのか。リーデッヒか。いいや、それをアスタリカ帝は否定する。
「リーデッヒは案外口が硬くてね。こういう時にアレは使えないんだ」
「……」
ずんと重いものが胸の中に落とされた感覚がする。
「ダメよ」と女王が言っても、ただの細い指で掴まれた手は一瞬で振り切れた。
俺は数歩進んで剣を手に取る。これが剣なのかと思うほどに軽い。持ち柄は取っ掛かりがなくて滑りそうでもある。
「君の専門は暗殺だ。おそらく長時間の対決に私相手では不利だろう。だが心配はしなくて良い。うちの指揮官もあまり戦場に出たがらなくてな。たまには運動して欲しいものだ」
紹介されるとコツコツと別の靴音が近付いて来ていた。決戦だというのに青い顔をした男だった。剣を持ち上げている俺を見つけるなり、ゴクンと唾まで飲み込んでいる。
そんな男にアスタリカ帝はこの勝負を託すようだった。青い男の肩に手を置いて後ろへ下がっていく。
「殺す以外の選択は無いぞ。リーデッヒ」
俺にはその言葉が聞こえた。テレシア女王にはどうだろうか。
「ごめんね、クロノス君。最後の言葉を交わしている時間は無いんだ……!」
この一言をこぼすと、リーデッヒは自身の剣を横向きに構えて突進してくる。このままの勢いで串刺しにしようっていうのか。それとももしかして、俺を通り過ぎて女王を狙う気じゃないだろうな。と、勘が動く。
だから先回りして右へ避けた。するとリーデッヒもこっちを追って来るようだ。
伸ばした剣先は俺の行く手を阻み、足が止まった瞬間を狙って腹に蹴りを入れられる。
「うっ!」
前屈みになりそうになると、下から光が見えた。
すぐに背中を逸らして回避したが。あのままの姿勢でいたら喉を掻っ切られていただろう。ひたいが痒くなり、手の甲で擦ると赤い血が滲んで付いている。
「殺すつもりなんだな」
「……」
返事をしないで、同じ姿勢でまた駆けてきた。
避けるのに背一杯になるなかりの戦いで、なかなかこっちの立ち回りが効かない。武器のせいというのもある。セルジオ兵士がよく使う剣の型で、リーデッヒに一発当てられるのか賭けに近い。
「わっ!?」
俺の手から剣が抜けた。リーデッヒの攻撃を刃で受けるにしても、剣自体の軽さが信用できずに気が散りがちだった。
体制を立て直さないと。俺はあえて敵の刃に靴を食い込ませ地面へと蹴り落とした。それによってリーデッヒの姿勢を崩させる。
ここで俺の武器は銃しかない。一発。どこに……。
ほんの短い決闘が終わる。鳥が群れでそこの木から飛び立った。銃声に驚いてのことだった。
「はぁ……はぁ……」
火薬の匂いが漂った。それすらも嗅いだことのない海外製のものと感じた。荒い息の向こうから呑気な声が届く。
「銃を使おうだなんて、よっぽど危機だったのかな?」
アスタリカ帝からの言葉だ。
パタリと俺の右手が力をなくして地面に落ちると、構え損ねた銃が転がっている。そして、もうひとつ。音を鳴らして銃口から煙だけを残した短銃は、いまだ俺の胸に突きつけられていた。
「はぁ……バカだよ君は……。ちゃんと僕を殺しなよ……」
たった一瞬の迷いが全てを決めた。俺は、リーデッヒのどこを撃てばこの戦いに収まりが付き、テレシア女王が悲しまないだろうかと考えてしまったんだ。
あんな話を聞いた後じゃなくて、もっと平和ボケを起こしていなければ懸命な判断が付いたはずだ。
「……」
落第だ。
勝負がついて俺が倒れていても、女王のあの時みたいな泣き叫ぶ声は聞こえてこなかった。俺がダメならまた別の方法を考えなくちゃならない。そっちに切り替えたんだろうか。
「よくやったぞリーデッヒ」
「いいえ。まだです」
リーデッヒは仰向けになる俺の上着を手早く開けた。防弾チョッキを着込んでいるのにも驚くことはなかった。そこらじゅうに散らばった赤色が本物の血じゃないことはリーデッヒには分かっている。
けど、防弾チョッキをまくって下に銃口を当てたら、もう俺は確実に殺される。
「とどめをさしておきます。もう僕の妻にまとわりつかないように」
その言葉をアスタリカ帝は高く評価した。
「さすが。出来る男だな」
「……」
カチャ、と引き金に指がかかった。
「クロノス君。君がただの恋敵だったら良かったのに……」
最後の銃声が轟く。音を聞きつけて街の人々が集まっていた。誰も止めることは叶わない。平和な国の中で勝手にひとりの男が殺されるだけだ。
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