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Ⅱ.拓かれる秘境国
九カ国首脳会議3
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「旧ネザリア帝国が没落したのは言うまでも無い。メルチ王国は反逆勢力を引き込んだ連合軍を集って襲撃。旧ネザリア帝国に一方的な打撃を与えた上、国王カイリュを堕とすという所業である。これに関しては戦争の範囲を越すと我々は意見が一致している。異論は無いね?」
大臣は手元の資料から顔を上げた。
文字を読むための丸メガネから、鋭い眼差しがリュンヒンに向けられている。
「うん、無いよ。まったくその通りで構わない」
リュンヒン王の初めての発言だ。自分の親ほどに年の離れた大臣に対して、リュンヒンは平然とそのように答えたのである。
当然話し合いの席はしんと静まった。
俺やキースはもとより友人であるから胸がざわついていて、長老の大物たちは皆静かに眉をピク付かせていた。
止まった空気感に構わずにリュンヒンは告げる。
「情緒不安な国を黙らせただけなんだけど。良くなかったかな?」
懲りずにまた空気が張り詰めた。
そこに無配慮な爆笑を響かせるのはあの大男だった。
筋肉を抱きかかえたように腕を組んでいて、眠っているのかと思っていたら一応耳では会議に参加していたらしい。
「アンタ良いな。俺はそういう単純な行動が出来るやつが好きだぜ」
大男は低い声を唸らせながらニヤニヤ笑っている。
「そ、そうかい……?」
好きと言われたリュンヒンは嬉しそうでは無く、引きつった苦笑を返していた。
集う権力者には踏み込んだ物言いが出来たリュンヒンであったが、この大男に対してはあまり得意ではないようだ。
「戦争に範囲なんかあんのかよ? 初耳だなあ」
大男が頭の後ろで手を組み言う。
「んなもん、勝ったか負けたかだけで十分だろう。外野がとやかく言っても死んだ人間は生き返らねえぞ?」
誰に向けてではなく全体にといった具合で話をしたようだ。
この大男、割と的を得たことを言うではないか。と、俺は勝手に少し見直している。
「……言葉を慎め。野獣よ」
だがそういう言葉を気に食わないのであろう。大男に対して大臣が落ち着いた声を震わせた。
「勝敗を付ける戦いというのは正々堂々と行うものだ。不意打ちや数の暴力では正当な戦いだったとは言えない」
これには一同うんうんと頷いている。
俺も一緒になって頷きはしないものの内心では大臣と同意見であった。
リュンヒンが起こした行動は明らかに奇襲で間違いない。
大男だけに不満が残りそうであったが、大臣は放置して話を進める。
「旧ネザリアが落ちたことで被害を被っている国があるのは確か。よりによって複数の諸国を抱えていた国が破裂したのだ。とすれば混乱は起きよう。現に我がカイロニアにも難民が押し寄せている」
そうして資料を見ろと言う。わざわざ紙にまとめた数字で被害数を訴えてあった。
難民の数の数字では無く、それに伴う額の数字でだ。
つまりはこの出費をどうしてくれるのだと突きつけられているのである。
リュンヒンは資料に目を落としたまま顎を触っていた。そしてフッと笑みをこぼした。
「思ったよりも大した額じゃないね。国を一つ買ったと思えば存分安い」
「……」
大臣は余裕綽々なリュンヒンを睨んでいるが何も言わず。ただしその横にいる別国の者は怒りが高まり、ついに円卓を拳で殴った。
「貴様、調子に乗るなよ! 六十億もの大金をどこから出せると言う!」
血色の悪い顔を赤くして怒鳴っている。
しかしリュンヒンは落ち着いていた。
「じゃあ次は君の国を打ち負かして三十億ぐらい取り上げようかな」
そういう事を言うと、怒る者はますます顔を赤くさせる。
「レッセル国議長、落ち着きなさい。リュンヒン王も逆撫でするでない」
大臣が間を取り持つが、二人は不仲で些細なことでも言い合いが絶えない。
「君はどう思うかね?」
「は?」
不意に話が向いたのは俺の方である。
大臣のタバコがふうと吐かれ、白もやの隙間から鋭い目が俺の事を凝視していた。
「まさか無関係だとは言わせんぞ。旧ネザリア城で君にやられた兵士が証言している。メルチと兄弟国であるクランクビストがこの事件に関与しないなど考えられん」
なるほど、セットとして考えられている。
うちに詮索を入れられるのは妥当であったということか。
俺が黙っていると、さっきまでリュンヒンと小競り合いをしていた国議長とやらが鼻で笑った。
「ふん。クランクビストか。その国名はもう死語かと思っていた」
この発言にはあの大男、アルゴブレロ、白髪の男でさえも微笑をこぼしている。
味方が付くと国議長は気を良くするようだ。舌が回りだす。
「貴様の国はなんでも隠居を決め込んでいると噂で聞いたぞ。武器を捨てた国民全員で自給自足とはまさに神業。電気を使うこの時代にまだ薪を割って生活しているらしい。我々もこの健気な国を見習わなくてはな。滅ぶ前に一度訪問しておくか」
異文化人にも通訳で伝わった。彼は俺に哀れみの目を向けてきた。
だが別に俺としては自国をどう言われようが気にならない。
「旧ネザリアの件はたしかに私も一手投じた。しかしそれはあくまで私のみの意思で動いたまで。自国からの兵士は一人も出していない」
俺がつっかかって来ないことに国議長はつまらないと椅子にふんぞり返った。
大臣は俺の話が分かり「なるほど」と低く唸った。それから質問をする。
「クランクビストとネザリアの関係は?」
「無い」
「バル王子とカイリュの接点は?」
「無い。リュンヒンに聞くまでは名前も知らなかった」
「……なら、何故暗殺に手を貸した?」
大臣の声色が変わった。
圧力をかけて脅しているのだろうが俺は態度を変えずに答える。
「ちょうど暇を持て余していたし、何よりこの男はやると言ったら聞かんので」
途中嘘も付いたが、ここだけは本心であった。
リュンヒンは自分が褒められたのと勘違いしてニヤニヤとする。
俺は「気持ち悪いからやめろ」と言い、隣の新王と少し椅子の距離を離していた。
じゃれ合う俺たちを見ている大臣が呆れまくってデカめの溜息を吐く。
いったい大臣が何を期待していたのかは知らんが、もうこれ以上の質問はして来なくなった。
「メルチ王国に各国への賠償金を全額請求する。クランクビストは今回の件に無関係ということで保留。しかしクランクビストにはこの件を機会に提案したいことがある」
「提案?」
何やらやさしそうな措置に聞こえた。
「君の国は孤立しすぎている。ひとつ山に穴を開けてカイロニアと繋ぐ街道を通してもらいたい」
「トンネル開通か。うちには金も機械も人手も無いが」
そう言うと大臣は高らかに笑った。
「案ずるな。無いものはこちらから出そう」
「ずいぶん気前が良い……」
「当たり前だ。また暇が出来て陰謀など図られると困るのでな」
大臣の悪い顔を見ていると、俺とリュンヒンのところに違う紙が運ばれてきた。
その紙は誓約書であり、あらかじめ決めてあった事項は今話したとおりに書き直されて判子が押される。
俺の誓約書では賠償金の欄が消えたが、トンネル建設の件は書き足さずとも最初から綴られていた。
貧乏国からは金を取る必要が無く、それよりも情報開示させるのが最初からの目的だったのだ。
それから俺に課される罰がもうひとつ書かれていた。それについて大臣が言及する。
「三ヶ月の間、君たちにはそれぞれに監視役を派遣することにした。これはレッセル国議長からの意見である。また何や良からぬ密会などせぬように、情報は逐一こちらに流させてもらう。良いな」
見るとリュンヒンの誓約書にも同じ言葉で監視役が付けられる事が記載されていた。
そこで「ガッハッハ」と大笑いを聞かせるのはアルゴブレロだ。
「なんて厳重なお守りなんだ!」
かなり面白いらしくいつまで経ってもひとりで笑い止まない。
「これこれ。静かになさい」
「いやいや……こいつの国も不憫だなと思ってな。なにしろ北は弟、南は兄だぜ? 一体シェード兄弟に何をビビり倒してやがる。早いところメルチなんか畳んじまわねぇから挟み撃ちなんか食らうんだ。せこい手ぇ回してないで早いとこ銃弾ぶち込めよ」
白髪の男が少々喋りすぎだとアルゴブレロに注意を促している。
レッセル国議長はアルゴブレロを殺意の念で睨んでいた。対してリュンヒンはさほど相手にもしていない様子だ。
「その情報ってのはカイロニアに行くのかい?」
そっちのけでリュンヒンが大臣に問う。
「いいや。ベンブルク王国だ。レッセル国議長のな」
「ふーん……そうかい。分かったよ」
リュンヒンは決して納得しているようには聞こえん返事をしていた。だが手元では誓約書に国印を押している。
俺の方も母上より預かった国印を押した。
なお、エセルの話題は一切も出てこなかった。資料にもそのことは何も記されていない。
とりあえずはそれだけでも良かったと心の中で思っておく。
大臣は手元の資料から顔を上げた。
文字を読むための丸メガネから、鋭い眼差しがリュンヒンに向けられている。
「うん、無いよ。まったくその通りで構わない」
リュンヒン王の初めての発言だ。自分の親ほどに年の離れた大臣に対して、リュンヒンは平然とそのように答えたのである。
当然話し合いの席はしんと静まった。
俺やキースはもとより友人であるから胸がざわついていて、長老の大物たちは皆静かに眉をピク付かせていた。
止まった空気感に構わずにリュンヒンは告げる。
「情緒不安な国を黙らせただけなんだけど。良くなかったかな?」
懲りずにまた空気が張り詰めた。
そこに無配慮な爆笑を響かせるのはあの大男だった。
筋肉を抱きかかえたように腕を組んでいて、眠っているのかと思っていたら一応耳では会議に参加していたらしい。
「アンタ良いな。俺はそういう単純な行動が出来るやつが好きだぜ」
大男は低い声を唸らせながらニヤニヤ笑っている。
「そ、そうかい……?」
好きと言われたリュンヒンは嬉しそうでは無く、引きつった苦笑を返していた。
集う権力者には踏み込んだ物言いが出来たリュンヒンであったが、この大男に対してはあまり得意ではないようだ。
「戦争に範囲なんかあんのかよ? 初耳だなあ」
大男が頭の後ろで手を組み言う。
「んなもん、勝ったか負けたかだけで十分だろう。外野がとやかく言っても死んだ人間は生き返らねえぞ?」
誰に向けてではなく全体にといった具合で話をしたようだ。
この大男、割と的を得たことを言うではないか。と、俺は勝手に少し見直している。
「……言葉を慎め。野獣よ」
だがそういう言葉を気に食わないのであろう。大男に対して大臣が落ち着いた声を震わせた。
「勝敗を付ける戦いというのは正々堂々と行うものだ。不意打ちや数の暴力では正当な戦いだったとは言えない」
これには一同うんうんと頷いている。
俺も一緒になって頷きはしないものの内心では大臣と同意見であった。
リュンヒンが起こした行動は明らかに奇襲で間違いない。
大男だけに不満が残りそうであったが、大臣は放置して話を進める。
「旧ネザリアが落ちたことで被害を被っている国があるのは確か。よりによって複数の諸国を抱えていた国が破裂したのだ。とすれば混乱は起きよう。現に我がカイロニアにも難民が押し寄せている」
そうして資料を見ろと言う。わざわざ紙にまとめた数字で被害数を訴えてあった。
難民の数の数字では無く、それに伴う額の数字でだ。
つまりはこの出費をどうしてくれるのだと突きつけられているのである。
リュンヒンは資料に目を落としたまま顎を触っていた。そしてフッと笑みをこぼした。
「思ったよりも大した額じゃないね。国を一つ買ったと思えば存分安い」
「……」
大臣は余裕綽々なリュンヒンを睨んでいるが何も言わず。ただしその横にいる別国の者は怒りが高まり、ついに円卓を拳で殴った。
「貴様、調子に乗るなよ! 六十億もの大金をどこから出せると言う!」
血色の悪い顔を赤くして怒鳴っている。
しかしリュンヒンは落ち着いていた。
「じゃあ次は君の国を打ち負かして三十億ぐらい取り上げようかな」
そういう事を言うと、怒る者はますます顔を赤くさせる。
「レッセル国議長、落ち着きなさい。リュンヒン王も逆撫でするでない」
大臣が間を取り持つが、二人は不仲で些細なことでも言い合いが絶えない。
「君はどう思うかね?」
「は?」
不意に話が向いたのは俺の方である。
大臣のタバコがふうと吐かれ、白もやの隙間から鋭い目が俺の事を凝視していた。
「まさか無関係だとは言わせんぞ。旧ネザリア城で君にやられた兵士が証言している。メルチと兄弟国であるクランクビストがこの事件に関与しないなど考えられん」
なるほど、セットとして考えられている。
うちに詮索を入れられるのは妥当であったということか。
俺が黙っていると、さっきまでリュンヒンと小競り合いをしていた国議長とやらが鼻で笑った。
「ふん。クランクビストか。その国名はもう死語かと思っていた」
この発言にはあの大男、アルゴブレロ、白髪の男でさえも微笑をこぼしている。
味方が付くと国議長は気を良くするようだ。舌が回りだす。
「貴様の国はなんでも隠居を決め込んでいると噂で聞いたぞ。武器を捨てた国民全員で自給自足とはまさに神業。電気を使うこの時代にまだ薪を割って生活しているらしい。我々もこの健気な国を見習わなくてはな。滅ぶ前に一度訪問しておくか」
異文化人にも通訳で伝わった。彼は俺に哀れみの目を向けてきた。
だが別に俺としては自国をどう言われようが気にならない。
「旧ネザリアの件はたしかに私も一手投じた。しかしそれはあくまで私のみの意思で動いたまで。自国からの兵士は一人も出していない」
俺がつっかかって来ないことに国議長はつまらないと椅子にふんぞり返った。
大臣は俺の話が分かり「なるほど」と低く唸った。それから質問をする。
「クランクビストとネザリアの関係は?」
「無い」
「バル王子とカイリュの接点は?」
「無い。リュンヒンに聞くまでは名前も知らなかった」
「……なら、何故暗殺に手を貸した?」
大臣の声色が変わった。
圧力をかけて脅しているのだろうが俺は態度を変えずに答える。
「ちょうど暇を持て余していたし、何よりこの男はやると言ったら聞かんので」
途中嘘も付いたが、ここだけは本心であった。
リュンヒンは自分が褒められたのと勘違いしてニヤニヤとする。
俺は「気持ち悪いからやめろ」と言い、隣の新王と少し椅子の距離を離していた。
じゃれ合う俺たちを見ている大臣が呆れまくってデカめの溜息を吐く。
いったい大臣が何を期待していたのかは知らんが、もうこれ以上の質問はして来なくなった。
「メルチ王国に各国への賠償金を全額請求する。クランクビストは今回の件に無関係ということで保留。しかしクランクビストにはこの件を機会に提案したいことがある」
「提案?」
何やらやさしそうな措置に聞こえた。
「君の国は孤立しすぎている。ひとつ山に穴を開けてカイロニアと繋ぐ街道を通してもらいたい」
「トンネル開通か。うちには金も機械も人手も無いが」
そう言うと大臣は高らかに笑った。
「案ずるな。無いものはこちらから出そう」
「ずいぶん気前が良い……」
「当たり前だ。また暇が出来て陰謀など図られると困るのでな」
大臣の悪い顔を見ていると、俺とリュンヒンのところに違う紙が運ばれてきた。
その紙は誓約書であり、あらかじめ決めてあった事項は今話したとおりに書き直されて判子が押される。
俺の誓約書では賠償金の欄が消えたが、トンネル建設の件は書き足さずとも最初から綴られていた。
貧乏国からは金を取る必要が無く、それよりも情報開示させるのが最初からの目的だったのだ。
それから俺に課される罰がもうひとつ書かれていた。それについて大臣が言及する。
「三ヶ月の間、君たちにはそれぞれに監視役を派遣することにした。これはレッセル国議長からの意見である。また何や良からぬ密会などせぬように、情報は逐一こちらに流させてもらう。良いな」
見るとリュンヒンの誓約書にも同じ言葉で監視役が付けられる事が記載されていた。
そこで「ガッハッハ」と大笑いを聞かせるのはアルゴブレロだ。
「なんて厳重なお守りなんだ!」
かなり面白いらしくいつまで経ってもひとりで笑い止まない。
「これこれ。静かになさい」
「いやいや……こいつの国も不憫だなと思ってな。なにしろ北は弟、南は兄だぜ? 一体シェード兄弟に何をビビり倒してやがる。早いところメルチなんか畳んじまわねぇから挟み撃ちなんか食らうんだ。せこい手ぇ回してないで早いとこ銃弾ぶち込めよ」
白髪の男が少々喋りすぎだとアルゴブレロに注意を促している。
レッセル国議長はアルゴブレロを殺意の念で睨んでいた。対してリュンヒンはさほど相手にもしていない様子だ。
「その情報ってのはカイロニアに行くのかい?」
そっちのけでリュンヒンが大臣に問う。
「いいや。ベンブルク王国だ。レッセル国議長のな」
「ふーん……そうかい。分かったよ」
リュンヒンは決して納得しているようには聞こえん返事をしていた。だが手元では誓約書に国印を押している。
俺の方も母上より預かった国印を押した。
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