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Ⅱ.王位継承者
そういえば
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季節は夏へと近付く。
日差しが強くなるのを肌に感じているが、セルジオ王国終戦の記事が手元に届いてからまだ二日足らずしか経っていない。
記憶はまだ鮮明だ。
セルジオ城で見かけた女性はエセルではなくリトゥだった。
真面目な顔をして俯いていたのは紛れもない。はっきりと俺の脳裏に焼き付いている。
しかしそのことについては、まだカイセイとは話し合えていない。
* * *
中庭のベンチに腰掛けていた。
ひとりで座ってぼーっとするのはもう寂しくは無い。
もはやここで誰かと会話をしたという事は思い出になりつつあった。
あれは幻だったのではなかろうかと思えて、少々可笑しく自分で笑っていることもある。
「良い天気が続くな。この頃は」
なのに厄介だ。清々しい青空を眺めると、誰かと共有したいという気分だけが妙に染み付いてしまったのだ。
俺は隣に座らずに立ちっぱなしでいる兵士に向かって言った。
その兵士はベンブルク王国という、メルチ王国と非常に不仲な国から派遣されてきた優秀な兵士であった。
俺を見張るという任務を全うし尽くす……たいへん優秀な男であった。
「天気が良いなと言っている。そうですね、ぐらいの相槌を打て」
「……」
相変わらずの無表情、そして無口だ。
俺が喋れと言ったら喋らんくせに、自分で言いたいことがあれば口を開くので、俺を時々ムカつかせている。
だがこの日は怒る気にもならずに「あーあ」と脱力した。
背もたれに体を預けて仰け反った。そしたら体が滑ってあやうく尻から落ちそうになった。
「おおっと、危ない……」
自分でよじ登ってしゃんと座っている。
頭の中であの時の「大丈夫ですか?」という声が聞こえた気がした。
もう長く声を聞いていないから、どんなものだったのか思い出せない。
空が晴天であればあるほど、突然寂しさに襲われるのは一体何故なのか。
「あっ、いたいた」
誰かが誰かを見つけたような声を聞き、俺は後ろを振り返った。
その人物はロマナである。たぶん俺に手を振っている。
ロマナは外廊下から芝生の上に逸れて歩き、やはり俺のもとへやってきた。
「王妃様の調子が良いから、ちょっと中庭に出ようと思ってさ」
「……それは俺を見つけたことと何の関係があるのだ」
本当に分からなくて聞いた。
ロマナは得意げに鼻を鳴らしている。
「そろそろ君がサボりだしている頃だと思って来てみたのだよ。早く仕事に戻らないとお母様と鉢合わせになってしまうけど良いのかな?」
「仕事に戻れと言いたいならそう言え」
俺は母上と遭遇するのは避けたいと思い、外廊下に出る階段を気にしている。
別に行く宛は書斎で無くてもこれほど広い城だ。どこか別のところでサボろうと俺はベンチを立った。
「まあまあ座りまえ」
だがロマナにそのまま背中を押し戻されて、再びベンチに尻が付く。
「準備するまでに時間がかかるそうだから出て来たんだ。ひとりで庭を眺めているなんて寂しいだろう? 少し話をしようじゃないか」
そう言い、ロマナは俺の隣に腰掛けた。
最初から二人がけのベンチだ。しかしロマナとこう近い距離に居るのは初めてだったかもしれない。
急に落ち着けなくなり、早く席を立ちたい気持ちでいっぱいであった。
そんな俺の気持ちはよそに「それにしても良すぎる天気だね」とロマナは足を組んでいる。
「キース君のこと。ありがとうね」
静かに話し出すのはやはりその事か。
「性格は相変わらずだったが剣の腕は上がっていた」
「それって私の教育範囲とは関係無いところじゃないの」
特に笑いも起きずに俺もロマナも黙ってしまう。
間を繋いでいた鳥のさえずりもぎこちなく不協和音を奏でるようだ。
「ま。元気そうならいっか」
不協和音をバックにロマナが清々しく言っていた。
切りが良いところが出来て席を立てると思ったのだが、ロマナは「それにしても」と続ける。
「最近の君の活躍は目覚ましいね。とうとう王位を継ぐ自覚も芽生え始めたのかなと思って」
その功績として、セルジオでの件、ネザリアの件、九カ国首脳会議のことも挙げてきた。
「ネザリアのことは褒められる内容でも無いだろ」
「褒めるともさ。君にしては大きな一歩だったじゃないか」
ロマナはわきまえており、監視の目が光る前ではエセルの話題に触れずに言う。
「あれはリュンヒンのはかりごとだ。俺はただのおまけに過ぎん」
「それはもっと主役になりたかった、って捉えて良いの?」
「違う。俺が居ても居なくてもリュンヒンなら必然的に起こしていたという事だ」
すると初めてロマナが鼻で少し笑う。
「そうだろうね」
「だろ」
「でもリュンヒン君、きっと嬉しかったと思うよ?」
「嬉しい!?」
思いもしないことを言われ、俺はひっくり返った声を出す。
ロマナは可笑しな声には反応せず「嬉しいよ」とその言葉を繰り返した。
「長年塞ぎ込んでいた友達がやっと表舞台に出てくれた瞬間だったじゃない。同じ人生を歩む仲間として、彼はバル君の一歩に背中を押されたと思う。あっ、君の動機はどうあれね」
「……」
まさに「俺はそんな事をしたつもりはない」と言おうとしたのを先に制された。
「このまま王位も継いじゃえば、ますますリュンヒン君は自信になると思うけど……それとこれとは話が別だって思っていそうだね?」
「あまり人のことを先回りして言うと嫌われるぞ」
「あら。気を付けなくっちゃ」
そう言いながらそれほど思っていないのがロマナだ。
珍しく背中側から風が吹き抜けた。俺はその風に背中押されるように遠くの空を見上げてぼんやりと呟く。
「俺が王位を継げばこの国は変わるのか……」
ロマナも同じく空を見上げており「変わるよ」とこの快晴のような声で言う。
極小のこの国にも民は生活をしている。
何も不自由なく過ごせてくれれば、それだけで俺は良いと思っていた。いや、今も思っているが、俺はもっと先のことまで見通したい気分でいるのだ。
「リアンも喜ぶよ」
ロマナは母上の名を出した。
その時俺はふと兄上の顔が浮かんだ。
目の前いっぱいに広がっていた青空を瞼で畳み、次に目を開けたら足元が映った。
「確信は無いが、なんだかもうすぐ兄上が戻ってくるような気がするのだ。あの人は俺が優位に立つのを嫌うだろう。だからたぶんもうすぐ城に戻ってくる」
「そうだっけ? 君達兄弟は仲良しじゃなかったの?」
それは表向きである。
兄上は爽やかな顔つきに反して腹の中は真っ黒なのだ。
王妃の準備が整ったとの連絡を受け、俺はやっとベンチから立てることが叶った。
それこそネザリアの一件以来、母子の関係は悪化しているのだ。
俺を強く叱ってからは顔を合わせることを本人も嫌がっているようである。
そんな息子が王になるのは心底嫌であろう……。
さあ、奇妙な時間を過ごした。「では」と去り際、ロマナが引き止めた。
「そういえばね、バル君」
「もう荷物持ちはせんぞ」
「違うわよ。私の従順な下僕君が帰ってきたらしいけど知らないかい?」
従順な下僕と言われても、一体誰のことだか分からんので首を振る。
「私の役割も終わったことだし、そろそろ元の場所に戻ろうかなと思っているのに挨拶も出来ないじゃないか。見つけたら私のところへ戻って来るように伝えておいておくれ」
「……その下僕は別にお前の所有物じゃないだろ」
ロマナは肩をすくめて誤魔化した。そしてベンチを立って別の方へ行くようだ。
おそらく王妃の部屋に戻るのだと思う。最後まで見送る理由もないので、俺も早々に後ろを向いて歩きだしていた。
頭の中で「ワン」と鳴きそうな男を思い浮かべていた。
残念ながらヤツには重要な任務をまかせてあるから頭の隅から離れたことは一度も無い。
「あいつ、どこで道草食っている……」
舌打ちを鳴らしつつ、俺はアルバートが居そうな場所をうろうろ歩き回ることになる。
日差しが強くなるのを肌に感じているが、セルジオ王国終戦の記事が手元に届いてからまだ二日足らずしか経っていない。
記憶はまだ鮮明だ。
セルジオ城で見かけた女性はエセルではなくリトゥだった。
真面目な顔をして俯いていたのは紛れもない。はっきりと俺の脳裏に焼き付いている。
しかしそのことについては、まだカイセイとは話し合えていない。
* * *
中庭のベンチに腰掛けていた。
ひとりで座ってぼーっとするのはもう寂しくは無い。
もはやここで誰かと会話をしたという事は思い出になりつつあった。
あれは幻だったのではなかろうかと思えて、少々可笑しく自分で笑っていることもある。
「良い天気が続くな。この頃は」
なのに厄介だ。清々しい青空を眺めると、誰かと共有したいという気分だけが妙に染み付いてしまったのだ。
俺は隣に座らずに立ちっぱなしでいる兵士に向かって言った。
その兵士はベンブルク王国という、メルチ王国と非常に不仲な国から派遣されてきた優秀な兵士であった。
俺を見張るという任務を全うし尽くす……たいへん優秀な男であった。
「天気が良いなと言っている。そうですね、ぐらいの相槌を打て」
「……」
相変わらずの無表情、そして無口だ。
俺が喋れと言ったら喋らんくせに、自分で言いたいことがあれば口を開くので、俺を時々ムカつかせている。
だがこの日は怒る気にもならずに「あーあ」と脱力した。
背もたれに体を預けて仰け反った。そしたら体が滑ってあやうく尻から落ちそうになった。
「おおっと、危ない……」
自分でよじ登ってしゃんと座っている。
頭の中であの時の「大丈夫ですか?」という声が聞こえた気がした。
もう長く声を聞いていないから、どんなものだったのか思い出せない。
空が晴天であればあるほど、突然寂しさに襲われるのは一体何故なのか。
「あっ、いたいた」
誰かが誰かを見つけたような声を聞き、俺は後ろを振り返った。
その人物はロマナである。たぶん俺に手を振っている。
ロマナは外廊下から芝生の上に逸れて歩き、やはり俺のもとへやってきた。
「王妃様の調子が良いから、ちょっと中庭に出ようと思ってさ」
「……それは俺を見つけたことと何の関係があるのだ」
本当に分からなくて聞いた。
ロマナは得意げに鼻を鳴らしている。
「そろそろ君がサボりだしている頃だと思って来てみたのだよ。早く仕事に戻らないとお母様と鉢合わせになってしまうけど良いのかな?」
「仕事に戻れと言いたいならそう言え」
俺は母上と遭遇するのは避けたいと思い、外廊下に出る階段を気にしている。
別に行く宛は書斎で無くてもこれほど広い城だ。どこか別のところでサボろうと俺はベンチを立った。
「まあまあ座りまえ」
だがロマナにそのまま背中を押し戻されて、再びベンチに尻が付く。
「準備するまでに時間がかかるそうだから出て来たんだ。ひとりで庭を眺めているなんて寂しいだろう? 少し話をしようじゃないか」
そう言い、ロマナは俺の隣に腰掛けた。
最初から二人がけのベンチだ。しかしロマナとこう近い距離に居るのは初めてだったかもしれない。
急に落ち着けなくなり、早く席を立ちたい気持ちでいっぱいであった。
そんな俺の気持ちはよそに「それにしても良すぎる天気だね」とロマナは足を組んでいる。
「キース君のこと。ありがとうね」
静かに話し出すのはやはりその事か。
「性格は相変わらずだったが剣の腕は上がっていた」
「それって私の教育範囲とは関係無いところじゃないの」
特に笑いも起きずに俺もロマナも黙ってしまう。
間を繋いでいた鳥のさえずりもぎこちなく不協和音を奏でるようだ。
「ま。元気そうならいっか」
不協和音をバックにロマナが清々しく言っていた。
切りが良いところが出来て席を立てると思ったのだが、ロマナは「それにしても」と続ける。
「最近の君の活躍は目覚ましいね。とうとう王位を継ぐ自覚も芽生え始めたのかなと思って」
その功績として、セルジオでの件、ネザリアの件、九カ国首脳会議のことも挙げてきた。
「ネザリアのことは褒められる内容でも無いだろ」
「褒めるともさ。君にしては大きな一歩だったじゃないか」
ロマナはわきまえており、監視の目が光る前ではエセルの話題に触れずに言う。
「あれはリュンヒンのはかりごとだ。俺はただのおまけに過ぎん」
「それはもっと主役になりたかった、って捉えて良いの?」
「違う。俺が居ても居なくてもリュンヒンなら必然的に起こしていたという事だ」
すると初めてロマナが鼻で少し笑う。
「そうだろうね」
「だろ」
「でもリュンヒン君、きっと嬉しかったと思うよ?」
「嬉しい!?」
思いもしないことを言われ、俺はひっくり返った声を出す。
ロマナは可笑しな声には反応せず「嬉しいよ」とその言葉を繰り返した。
「長年塞ぎ込んでいた友達がやっと表舞台に出てくれた瞬間だったじゃない。同じ人生を歩む仲間として、彼はバル君の一歩に背中を押されたと思う。あっ、君の動機はどうあれね」
「……」
まさに「俺はそんな事をしたつもりはない」と言おうとしたのを先に制された。
「このまま王位も継いじゃえば、ますますリュンヒン君は自信になると思うけど……それとこれとは話が別だって思っていそうだね?」
「あまり人のことを先回りして言うと嫌われるぞ」
「あら。気を付けなくっちゃ」
そう言いながらそれほど思っていないのがロマナだ。
珍しく背中側から風が吹き抜けた。俺はその風に背中押されるように遠くの空を見上げてぼんやりと呟く。
「俺が王位を継げばこの国は変わるのか……」
ロマナも同じく空を見上げており「変わるよ」とこの快晴のような声で言う。
極小のこの国にも民は生活をしている。
何も不自由なく過ごせてくれれば、それだけで俺は良いと思っていた。いや、今も思っているが、俺はもっと先のことまで見通したい気分でいるのだ。
「リアンも喜ぶよ」
ロマナは母上の名を出した。
その時俺はふと兄上の顔が浮かんだ。
目の前いっぱいに広がっていた青空を瞼で畳み、次に目を開けたら足元が映った。
「確信は無いが、なんだかもうすぐ兄上が戻ってくるような気がするのだ。あの人は俺が優位に立つのを嫌うだろう。だからたぶんもうすぐ城に戻ってくる」
「そうだっけ? 君達兄弟は仲良しじゃなかったの?」
それは表向きである。
兄上は爽やかな顔つきに反して腹の中は真っ黒なのだ。
王妃の準備が整ったとの連絡を受け、俺はやっとベンチから立てることが叶った。
それこそネザリアの一件以来、母子の関係は悪化しているのだ。
俺を強く叱ってからは顔を合わせることを本人も嫌がっているようである。
そんな息子が王になるのは心底嫌であろう……。
さあ、奇妙な時間を過ごした。「では」と去り際、ロマナが引き止めた。
「そういえばね、バル君」
「もう荷物持ちはせんぞ」
「違うわよ。私の従順な下僕君が帰ってきたらしいけど知らないかい?」
従順な下僕と言われても、一体誰のことだか分からんので首を振る。
「私の役割も終わったことだし、そろそろ元の場所に戻ろうかなと思っているのに挨拶も出来ないじゃないか。見つけたら私のところへ戻って来るように伝えておいておくれ」
「……その下僕は別にお前の所有物じゃないだろ」
ロマナは肩をすくめて誤魔化した。そしてベンチを立って別の方へ行くようだ。
おそらく王妃の部屋に戻るのだと思う。最後まで見送る理由もないので、俺も早々に後ろを向いて歩きだしていた。
頭の中で「ワン」と鳴きそうな男を思い浮かべていた。
残念ながらヤツには重要な任務をまかせてあるから頭の隅から離れたことは一度も無い。
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