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lll.エシュ神都、パニエラ王国
授賞式1
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メルチ市街部の迎賓館にてエーデン博士の功績を讃える式とやらは行われる。
研究者の会など湿っぽい人間らで取り行われるのかと思えば違った。とんでもない金額をかけられた豪勢な式典だった。
特に会場の飾りとして堂々と立つ一体の巨大な女神像は、わざわざカイロニアの職人に掘らせたもので高価極まりない代物だ。
それを知ってか知らずかゲストはその周りに集まっていた。しかし女神像以外の話に花を咲かせているようだ。
アルバートもそのうちの一人で彫刻像を見つけるやいなや喜んで掛けていく。
女神の存在を知っていても上等に出来た女体にばかり注意が行き、そっち方向での話ばかりだ。
「先に行っているぞ」
「ああん。待ってください」
下世話な会話は聞いていられんから俺は先に行く。
入り口で席番号を貰っていた。番号と合う椅子を見つけて座った。当然アルバートも隣だ。
アルバートの隣がひとつ空いて、その先には見知らぬ夫婦が座っていた。
空いた席はおそらくエセルの場所なのだろうが、彼女はさっき知り合いに引き止められてそっちへ会話しに行ってしまった。
「お前もエセルと一緒に行かなくて良かったのか? あんなに会いたがっていたではないか」
「え? 僕も知ってる人だったんですか?」
「なんだ、気づいてなかったのか」
アルバートは席から見える範囲でエセルを探したが居なかったようである。
まあ、そのうち嫌でも会うことになる気がしている。だから俺は挨拶もしないで早々に離れておいたのだ。
「……やっぱり来るんじゃなかった」
独り言を呟いたら腕を組み、式が始まるまで仮眠だ。
アルバートに何か言われようが寝ている風を装った。しかしまあ周りはよく喋る奴らでまったくうるさい。
どれだけしゃんとした礼服を着ていてもゲストの中身は研究者らだ。目を閉じていると、まるで呪文でも扱う者らの会にいるように感じた。
あれだけうるさかった呪文がいつのまにか静かになっている。と、暗い視界の中で不思議に思う。
だが次の瞬間、わっと湧き出すような拍手が騒音じみていて、俺はびくりと身を震わせた。
その拍子で目も開けた。目の前のステージではちょうど誰かのスピーチが終わったところだったらしい。丸くなった年寄りの背中が袖へはけて行くところが見える。
「次、エーデンさんですよ」
エセルの声だと思って横を向くと、アルバートの隣の席にちゃんとエセルも着席していた。
そして言っている通りに、ステージではいつもより数倍小綺麗なエーデンが現れ出す。
「よっ! エーデン博士!」と、声を出すのは知り合いの者なのだろうか。
この会場のどこかからパラパラと声が飛ばされていた。一番近いところだと、エセルの隣に座る夫婦からもエーデンを煽る言葉が発せられている。
それに答えるようにエーデンは苦笑しながら手を振っていた。それはまるで式典……というよりもホームパーティーみたいだな。と、俺は考えた。
「あー……あー……えー……どうも。……照れ臭いですね」
ずいぶん久しぶりに聞くエーデンの声である。
しかし知り合いが目の前で恥ずかしそうにしているのは、こちらも何だか恥ずかしくなってくるものだ。
こんなことならもう少し眠っていたかったと思うが、さすがにもう目は冴えてしまった。
とにかく地獄のようなこの時間が早く過ぎろと願うしか出来ない。
「こんな重いものを持ったのは久しぶりで……なんだかその……えー……いやあ、でもありがたいですよ。はい……」
歯切れ悪く言うものの、手に持った物をゲストらに見せつけるようしっかり掲げていた。
それは金色の女神像である。もちろん会場の彫刻よりずいぶん小さくて、片手で持てるサイズ感の物だ。
大きな拍手が送られる中「良いなぁー」と声を漏らすのは、物の価値が分かってい無さそうなアルバートであった。
この騒がしさに紛れて俺はアルバートに顔を寄せた。
「エーデンは何をしたんだ?」
「ええ? 聞いてなかったんですか?」
小馬鹿にされた言い方は不本意ではあるが正直に少し頷いた。
「患者さんを眠らせる方法を発明したらしいですよ」
「なんだ睡眠薬か」
「いやいやそうじゃなくって。なんか分かんないですけど、体を眠らせて痛みとか感じないで治療が受けられるようになったみたいです」
アルバートも分からないと言うので、俺も半分だけ聞いて「へえー」と分かったフリをしていた。
眠らせている間に体を治す。そんなことが出来るなら、もっと体の深い部分の治療をすることも可能になるのか。
いや、だがもしも途中で目が覚めてしまったらどうなるのだ。……いかん。考えてはいけないことだった。変な風に腹が痛くなってきた。
「大丈夫ですか?」
「ちょっと腹が痛い……」
エーデンのつたないスピーチが終わったら、俺は椅子の間をすり抜けて会場を飛び出している。
再び会場へ戻ってくると交流会が始まっていた。椅子は取っ払われていてステージ上には誰も立っていない。ゲストらはみな話に夢中になっている。
この場からアルバートやエセルを探していれば女神像の目線が痛かった。
黒目も無いのに何か言いたげでこちらを見られているのもぎこちない。まるで誰も自分に構ってくれないのを俺に訴えているかのようだ。
このまま彫刻像と共に逸れ者として括られたくなかった俺は、とりあえず人の輪の輪郭をなぞるようにして内部へと動く。
軽食の乗ったテーブルを見つけたらその方へ向かった。ご勝手にどうぞと置かれたグラスに自分で水を注いでいる。
「やっと見つけたわ」
水を飲み干していたら、やはりだ。出会うだろうと思っていた声がした。
振り返るとエセルと一緒にシャーロットが横並びで立っている。俺から少し睨んでいると、シャーロットは小首を傾げた。
「少し痩せた?」
だがその後には「気のせいかしら?」と言って反対側へも首を傾げていた。
俺はシャーロットに対して不可解に思うことが二点ある。
「何でお前がここに居る。何でお前の髪がもう伸びている」
「ええ? あら、違いに気付いてくれるの? 嬉しい!」
子供の様にぴょんぴょん飛び跳ねて喜ばれる。それはかつての元婚約者とまるっきり同じ姿で存在した。
しかし俺には妖怪じみていると感じて気味が悪いだけだ。実際距離を詰められると密かに後退りしている。
何度か繰り返していると俺が引いている事をシャーロットが悟ったようである。
「なにを本気にしてるのよ。これはカツラ。お母様に送ってもらったの」
「カツラ?」
そう言われてもパッと何のことなのか分からん。
「もう。被り物よ。これでわたくしは、いつでも姫に戻れるのだから凄いでしょう?」
ご覧なさい、と地毛との違いを見せつけてくる。
つまるところシャーロットは人の毛を頭部に乗せて喜んでいると言うことなのか。
ゲストは輪になり呪文を絶えず唱えているし。
「なんて恐ろしい会なのだ……」
「あなた何かおかしな妄想していない?」
項垂れているとエセルが顔を覗き込んできた。
「バル様、大丈夫ですか?」
「……ああ、大丈夫」
「ダメよ。エセルさん。もっとビシッと言ってあげないと、この方は背筋を丸めたままなんだから」
シャーロットの言葉を間に受けてエセルが言葉を変えた。
「バル様、しっかりしてください!」
それとアドバイスとは違ってエセルは俺の背中をビシバシと叩く。
なかなか複雑な心境であるが、俺は背を曲げていてはいけないような気になったので効果はあったようだ。
「で、お前が居る理由は?」
聞くとシャーロットとエセルは互いに顔を見合わせて笑顔になった。
そして「じゃんっ」と出されたのは同じ表紙の本である。同時にページをめくれば、かろうじて『エーデン』と読み取れるサインが書かれていた。
シャーロットはひとりで恥ずかしくなり本を抱きしめる。
「実は前からファンだったの!」
キャッキャと言い、エセルと共に、キャッキャとした。
エセルもエーデンの書く意味不明な古書が好きであったと発覚している。なんてコアなファンが居たものかと思っていたが、もう一人身近に居たということなのか。
俺の婚約者として昔から何十回も城に出入りしていたのに知らなかった。
「お前ならいくらでもサインくらい貰えただろう」
「そういうのじゃダメなの。わたくしも一人のファンとして皆様と同じなんだから」
それで夢が叶ったとエーデンのサインを眺めて本当に泣きそうになっているのが不思議だ。俺には共感できん気持ちなのだろう。
それにしてもエーデンが何故そんなに女性に支持されるのかも不可解だ。
研究者の会など湿っぽい人間らで取り行われるのかと思えば違った。とんでもない金額をかけられた豪勢な式典だった。
特に会場の飾りとして堂々と立つ一体の巨大な女神像は、わざわざカイロニアの職人に掘らせたもので高価極まりない代物だ。
それを知ってか知らずかゲストはその周りに集まっていた。しかし女神像以外の話に花を咲かせているようだ。
アルバートもそのうちの一人で彫刻像を見つけるやいなや喜んで掛けていく。
女神の存在を知っていても上等に出来た女体にばかり注意が行き、そっち方向での話ばかりだ。
「先に行っているぞ」
「ああん。待ってください」
下世話な会話は聞いていられんから俺は先に行く。
入り口で席番号を貰っていた。番号と合う椅子を見つけて座った。当然アルバートも隣だ。
アルバートの隣がひとつ空いて、その先には見知らぬ夫婦が座っていた。
空いた席はおそらくエセルの場所なのだろうが、彼女はさっき知り合いに引き止められてそっちへ会話しに行ってしまった。
「お前もエセルと一緒に行かなくて良かったのか? あんなに会いたがっていたではないか」
「え? 僕も知ってる人だったんですか?」
「なんだ、気づいてなかったのか」
アルバートは席から見える範囲でエセルを探したが居なかったようである。
まあ、そのうち嫌でも会うことになる気がしている。だから俺は挨拶もしないで早々に離れておいたのだ。
「……やっぱり来るんじゃなかった」
独り言を呟いたら腕を組み、式が始まるまで仮眠だ。
アルバートに何か言われようが寝ている風を装った。しかしまあ周りはよく喋る奴らでまったくうるさい。
どれだけしゃんとした礼服を着ていてもゲストの中身は研究者らだ。目を閉じていると、まるで呪文でも扱う者らの会にいるように感じた。
あれだけうるさかった呪文がいつのまにか静かになっている。と、暗い視界の中で不思議に思う。
だが次の瞬間、わっと湧き出すような拍手が騒音じみていて、俺はびくりと身を震わせた。
その拍子で目も開けた。目の前のステージではちょうど誰かのスピーチが終わったところだったらしい。丸くなった年寄りの背中が袖へはけて行くところが見える。
「次、エーデンさんですよ」
エセルの声だと思って横を向くと、アルバートの隣の席にちゃんとエセルも着席していた。
そして言っている通りに、ステージではいつもより数倍小綺麗なエーデンが現れ出す。
「よっ! エーデン博士!」と、声を出すのは知り合いの者なのだろうか。
この会場のどこかからパラパラと声が飛ばされていた。一番近いところだと、エセルの隣に座る夫婦からもエーデンを煽る言葉が発せられている。
それに答えるようにエーデンは苦笑しながら手を振っていた。それはまるで式典……というよりもホームパーティーみたいだな。と、俺は考えた。
「あー……あー……えー……どうも。……照れ臭いですね」
ずいぶん久しぶりに聞くエーデンの声である。
しかし知り合いが目の前で恥ずかしそうにしているのは、こちらも何だか恥ずかしくなってくるものだ。
こんなことならもう少し眠っていたかったと思うが、さすがにもう目は冴えてしまった。
とにかく地獄のようなこの時間が早く過ぎろと願うしか出来ない。
「こんな重いものを持ったのは久しぶりで……なんだかその……えー……いやあ、でもありがたいですよ。はい……」
歯切れ悪く言うものの、手に持った物をゲストらに見せつけるようしっかり掲げていた。
それは金色の女神像である。もちろん会場の彫刻よりずいぶん小さくて、片手で持てるサイズ感の物だ。
大きな拍手が送られる中「良いなぁー」と声を漏らすのは、物の価値が分かってい無さそうなアルバートであった。
この騒がしさに紛れて俺はアルバートに顔を寄せた。
「エーデンは何をしたんだ?」
「ええ? 聞いてなかったんですか?」
小馬鹿にされた言い方は不本意ではあるが正直に少し頷いた。
「患者さんを眠らせる方法を発明したらしいですよ」
「なんだ睡眠薬か」
「いやいやそうじゃなくって。なんか分かんないですけど、体を眠らせて痛みとか感じないで治療が受けられるようになったみたいです」
アルバートも分からないと言うので、俺も半分だけ聞いて「へえー」と分かったフリをしていた。
眠らせている間に体を治す。そんなことが出来るなら、もっと体の深い部分の治療をすることも可能になるのか。
いや、だがもしも途中で目が覚めてしまったらどうなるのだ。……いかん。考えてはいけないことだった。変な風に腹が痛くなってきた。
「大丈夫ですか?」
「ちょっと腹が痛い……」
エーデンのつたないスピーチが終わったら、俺は椅子の間をすり抜けて会場を飛び出している。
再び会場へ戻ってくると交流会が始まっていた。椅子は取っ払われていてステージ上には誰も立っていない。ゲストらはみな話に夢中になっている。
この場からアルバートやエセルを探していれば女神像の目線が痛かった。
黒目も無いのに何か言いたげでこちらを見られているのもぎこちない。まるで誰も自分に構ってくれないのを俺に訴えているかのようだ。
このまま彫刻像と共に逸れ者として括られたくなかった俺は、とりあえず人の輪の輪郭をなぞるようにして内部へと動く。
軽食の乗ったテーブルを見つけたらその方へ向かった。ご勝手にどうぞと置かれたグラスに自分で水を注いでいる。
「やっと見つけたわ」
水を飲み干していたら、やはりだ。出会うだろうと思っていた声がした。
振り返るとエセルと一緒にシャーロットが横並びで立っている。俺から少し睨んでいると、シャーロットは小首を傾げた。
「少し痩せた?」
だがその後には「気のせいかしら?」と言って反対側へも首を傾げていた。
俺はシャーロットに対して不可解に思うことが二点ある。
「何でお前がここに居る。何でお前の髪がもう伸びている」
「ええ? あら、違いに気付いてくれるの? 嬉しい!」
子供の様にぴょんぴょん飛び跳ねて喜ばれる。それはかつての元婚約者とまるっきり同じ姿で存在した。
しかし俺には妖怪じみていると感じて気味が悪いだけだ。実際距離を詰められると密かに後退りしている。
何度か繰り返していると俺が引いている事をシャーロットが悟ったようである。
「なにを本気にしてるのよ。これはカツラ。お母様に送ってもらったの」
「カツラ?」
そう言われてもパッと何のことなのか分からん。
「もう。被り物よ。これでわたくしは、いつでも姫に戻れるのだから凄いでしょう?」
ご覧なさい、と地毛との違いを見せつけてくる。
つまるところシャーロットは人の毛を頭部に乗せて喜んでいると言うことなのか。
ゲストは輪になり呪文を絶えず唱えているし。
「なんて恐ろしい会なのだ……」
「あなた何かおかしな妄想していない?」
項垂れているとエセルが顔を覗き込んできた。
「バル様、大丈夫ですか?」
「……ああ、大丈夫」
「ダメよ。エセルさん。もっとビシッと言ってあげないと、この方は背筋を丸めたままなんだから」
シャーロットの言葉を間に受けてエセルが言葉を変えた。
「バル様、しっかりしてください!」
それとアドバイスとは違ってエセルは俺の背中をビシバシと叩く。
なかなか複雑な心境であるが、俺は背を曲げていてはいけないような気になったので効果はあったようだ。
「で、お前が居る理由は?」
聞くとシャーロットとエセルは互いに顔を見合わせて笑顔になった。
そして「じゃんっ」と出されたのは同じ表紙の本である。同時にページをめくれば、かろうじて『エーデン』と読み取れるサインが書かれていた。
シャーロットはひとりで恥ずかしくなり本を抱きしめる。
「実は前からファンだったの!」
キャッキャと言い、エセルと共に、キャッキャとした。
エセルもエーデンの書く意味不明な古書が好きであったと発覚している。なんてコアなファンが居たものかと思っていたが、もう一人身近に居たということなのか。
俺の婚約者として昔から何十回も城に出入りしていたのに知らなかった。
「お前ならいくらでもサインくらい貰えただろう」
「そういうのじゃダメなの。わたくしも一人のファンとして皆様と同じなんだから」
それで夢が叶ったとエーデンのサインを眺めて本当に泣きそうになっているのが不思議だ。俺には共感できん気持ちなのだろう。
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