166 / 172
lll.クランクビスト
素直な気持ちで
しおりを挟む
「で? そんなアイツとお前が一緒にいる訳は?」
「ああ、ええっとそれは……」
屋内だと知らずに花の綿毛が飛んできた。
それを手のひらの上に着陸させ、息を吹いてちゃんとした外の方へ送ってやる。
キースはここでもなかなか喋り出さん。
「……まさか惚れたと?」
「ち、違いますよ!?」
ひっくり返した声を咳払いにて整えていた。
「もう! みんな、バル君の力になりたいんです!!」
この分からず屋! とも、言いそうな勢いで言われた。
思いがけない理由に驚くあまり、俺の方は体が前につんのめって太い茎を踏みつけてしまっている。
曲がってしまった茎を慌てて直立に戻すが、やはりキースの虚言が気になり「え?」と振り返った。
そして再度「ええ!?」と俺は声が出た。
この場に二人きりであるその男は、赤くした鼻でズビズビと息を吸っていたのだ。時々肩を上下させ、泣いていた。
「いや、お前……」
「助けてもらってばかりじゃ示しが付かないじゃないですか! だからバル君を支えようってリュンヒンさんと団結したんです!」
それで何が悲しいのか。キースはおいおいと泣いて止まらなかった。
「お、俺が理由ならそんな無理して何かしようなど別に」
「したいんです! みんな、バル君のために何かしたいんですよ!」
「……」
正しいフォローの仕方が分からずに、もう俺から出せる言葉がなくなった。
それにキースは前向きなことを言っている。なだめるのも少し違うか。ただ、涙が出ているが。
アルゴブレロならあらゆる強行で鞭を打ちそうであるが、俺にはそれも厳しいしな。
なす術なく立ち尽くしていると、この場所にエセルが顔を覗かせた。
「そうですよ。ちゃんと私も少しは頼りにして欲しいです」
話を聞いていたようだ。エセルはそう俺に言ったのだ。
男泣きをするキースには何も声を掛けんらしい。ニコニコと笑って俺の方だけを見ている。
その横からもう一人出てきた。
「本人の居ない場所で人の素性を語るなんて悪趣味ですわね」
リトゥである。こっちにも話を聞かれていた。
「お前は別に俺のために何かしたがるようなヤツじゃないだろ」
ツンと澄ました横顔に吠えるかのごとく言う。
それが癇に障ったのか眉を怪訝に動かした。
「当たり前でしょう?」
彼女は鼻を鳴らしていたが、そこにキースが「そんなことありませんよ」と言うのである。
キースは泣くのをやめても赤いままの鼻で理由を告げた。
「きっかけはリトゥさんです。彼女が『バル君を手助けして欲しい』と、リュンヒンさんに話してくれたから、僕もエセルさんもこうして居るわけなので」
そう言われたことでリトゥはよりそっぽを向いた。
「エセル様を一番に考えた上での判断ですわ。このままだとあなた、また振られてしまいそうですもの」
率直に否定しない事に驚いた。
これらの話は信じがたいが、力になってくれると言うならありがたい話なのか。
普段から泥道を駆け抜けるような事しかしていないせいで、こういう場面ではどんな気持ちでいれば良いのか分からん。
それと、目の前ではキースがまた泣き出している。その事もまだ何も分かっていないというのに……。
すると拍手が聞こえてきた。
屋内からまた別の第五者が出てきたのだ。劇場舞台なのか、ここは。
「いやいや、良い話を聞かせてもらったよ」
その言い方であると演者ではなく観客のように聞こえる。
しかし、思いがけず登場したのは大物も大物である。
「オ、オルバノ様!?」
俺が人に『様』を付けて呼ぶのはだいぶ久しい。
トレードマークである髭が全て無くなっていても、漂わせるその風格ですぐに分かった。
当人はそれでは困ったようである。
「変装していたつもりだったんだが……」
しょぼくれた爺さんの顔をしていても、やはり俺にはメルチの王座に最もふさわしい人物であると外せなかった。
「エセルさんは無事だったんだね。良かった」
オルバノ元王はエセルに微笑んだ。
そして俺の方へ言葉を投げる。
「私の国はどうかな?」
久々の低い声に緊張した。
「はい。メルチは……」
答えようとして俺はハッとなった。時刻を見てみれば、あれから二時間以上も時が経っている。
エセルが無事でいてすっかり安心し、テダムやアルバートに任せた戦いのことについて頭から抜けていた。
「すまん。キース。これからロンドを止めに行かねばならん」
「大丈夫ですよ!」
駆け出す間も無くキースが答える。
「ロンドにはガーネットを潜入させてあります。きっともう指示を出してくれて暴動はおさまっていますよ」
さらに続けられた。
「エセルさんが、パニエラのリョヤン殿に話を付けてくれました。リトゥさんも、父に駆け寄ってくれたんです」
「セルジオはリトゥが動かしたのか」
シャーロットの差金だと思い込んでいた。
「勘違いしないで頂戴な。私では無くて、あのお城に出入りする気の強い女性のおかげよ。私がエセル様の名を述べただけで了承してくれたわ」
機嫌よく笑うオルバノ元王の声がよく響く。
「では。メルチは勝ちだな」
勝算が付くと、オルバノ元王は屋内へと戻っていった。その間にもずっと一人で満足そうに笑っていた。
そんな上の者の明るい声を聞いたからか、俺は途端に肩の力が抜けている。
「……なんだ」
そうだったのか。
このままだと後ろに倒れそうになるから地面に尻を付けて座り込んだ。
草の茎も掴まずに、ポリポリと首元を掻いている。
そしてこの者らの良心が飲み込めたら頭を少し低くした。
「ありがとう」
素直な気持ちには激励の言葉がたくさん返ってきた。
「オルバノ様。なぜこちらに?」
皆のところから離れて一人で麓の街を眺めるオルバノ元王に声をかける。
その背中は、やってくる足音だけで俺だと分かったようだった。
「治安の良い場所に身を隠していたのだよ」
「イアリス妃は?」
「先に海を越えていった。私もこれからそこの大国の方へ渡るつもりだ」
静かに告げてから「まあ座りなさい」と、空箱を自分の近くに置く。オルバノ元王も綺麗でもない空箱に座っていた。
人間が静かであると、会話をするような鳥の鳴き合いがよく聞こえた。
夏の日差しは薄いシルクのような雲によって穏やかなものになる。乾いた夏の風が爽やかに吹き抜けていく。
この場所だけ特別であるかのような、のどかな時間が流れていた。
「はあ……」
景色にうっとりしているのか、それとも何かに憂いているのか、分からないがオルバノ元王はため息をついている。
「どうだね?」
そして一言、そう問うた。
俺はカイロニアの古典をおろそかにしない景観を眺めて答えた。
「難しいですね」
「うん。それは確かにそうだ。だがバル君には頼れる友人が多くいるようで良かったじゃないか」
「はい。驚いてしまいましたが」
オルバノ元王は少しだけ笑う。たぶん俺の考えている事が、この偉大な人物の頭の中にすでにあったのだと思う。
「何かを守るというのは大変な事だと思い知っただろう。嫌になったかい?」
俺のその答えはもう決まっている。だが、後悔が無いわけでもない。
一番最初はエセルを助けたことがきっかけである。そこから転がるようにして様々な人物の私情に手を出してしまった。
友人の命も失った。正直、得られた物はひとつとして無い。
「たしかに。嫌にもなります」
それに対してオルバノ元王には盛大に笑われてしまう。だが俺は「でも」と付け足さなければならない。
「私は、自分のやりたい事が分かったような気がします。それに関しては、苦労するのも悪く無かったかもしれません」
「そうか。それは良い。君がメルチの王位を継いでくれれば私も安心できるなあ」
「いや、私は王位を継ぎませんよ」
ガッカリされるかと思えばむしろ逆であった。
オルバノ元王はにこやかな表情のまま空を仰ぐ。
「そうだろうとも。君はそういう人間だ」
「はい。私は私です」
俺があれだけ否定し続けていたアルバートの台詞を借りた。
オルバノ元王にも良い言葉だと大変気に入られた。最後の言葉にオルバノ元王は小さくこう言った。
「息子にもそう言ってやるべきだった」と。
「ああ、ええっとそれは……」
屋内だと知らずに花の綿毛が飛んできた。
それを手のひらの上に着陸させ、息を吹いてちゃんとした外の方へ送ってやる。
キースはここでもなかなか喋り出さん。
「……まさか惚れたと?」
「ち、違いますよ!?」
ひっくり返した声を咳払いにて整えていた。
「もう! みんな、バル君の力になりたいんです!!」
この分からず屋! とも、言いそうな勢いで言われた。
思いがけない理由に驚くあまり、俺の方は体が前につんのめって太い茎を踏みつけてしまっている。
曲がってしまった茎を慌てて直立に戻すが、やはりキースの虚言が気になり「え?」と振り返った。
そして再度「ええ!?」と俺は声が出た。
この場に二人きりであるその男は、赤くした鼻でズビズビと息を吸っていたのだ。時々肩を上下させ、泣いていた。
「いや、お前……」
「助けてもらってばかりじゃ示しが付かないじゃないですか! だからバル君を支えようってリュンヒンさんと団結したんです!」
それで何が悲しいのか。キースはおいおいと泣いて止まらなかった。
「お、俺が理由ならそんな無理して何かしようなど別に」
「したいんです! みんな、バル君のために何かしたいんですよ!」
「……」
正しいフォローの仕方が分からずに、もう俺から出せる言葉がなくなった。
それにキースは前向きなことを言っている。なだめるのも少し違うか。ただ、涙が出ているが。
アルゴブレロならあらゆる強行で鞭を打ちそうであるが、俺にはそれも厳しいしな。
なす術なく立ち尽くしていると、この場所にエセルが顔を覗かせた。
「そうですよ。ちゃんと私も少しは頼りにして欲しいです」
話を聞いていたようだ。エセルはそう俺に言ったのだ。
男泣きをするキースには何も声を掛けんらしい。ニコニコと笑って俺の方だけを見ている。
その横からもう一人出てきた。
「本人の居ない場所で人の素性を語るなんて悪趣味ですわね」
リトゥである。こっちにも話を聞かれていた。
「お前は別に俺のために何かしたがるようなヤツじゃないだろ」
ツンと澄ました横顔に吠えるかのごとく言う。
それが癇に障ったのか眉を怪訝に動かした。
「当たり前でしょう?」
彼女は鼻を鳴らしていたが、そこにキースが「そんなことありませんよ」と言うのである。
キースは泣くのをやめても赤いままの鼻で理由を告げた。
「きっかけはリトゥさんです。彼女が『バル君を手助けして欲しい』と、リュンヒンさんに話してくれたから、僕もエセルさんもこうして居るわけなので」
そう言われたことでリトゥはよりそっぽを向いた。
「エセル様を一番に考えた上での判断ですわ。このままだとあなた、また振られてしまいそうですもの」
率直に否定しない事に驚いた。
これらの話は信じがたいが、力になってくれると言うならありがたい話なのか。
普段から泥道を駆け抜けるような事しかしていないせいで、こういう場面ではどんな気持ちでいれば良いのか分からん。
それと、目の前ではキースがまた泣き出している。その事もまだ何も分かっていないというのに……。
すると拍手が聞こえてきた。
屋内からまた別の第五者が出てきたのだ。劇場舞台なのか、ここは。
「いやいや、良い話を聞かせてもらったよ」
その言い方であると演者ではなく観客のように聞こえる。
しかし、思いがけず登場したのは大物も大物である。
「オ、オルバノ様!?」
俺が人に『様』を付けて呼ぶのはだいぶ久しい。
トレードマークである髭が全て無くなっていても、漂わせるその風格ですぐに分かった。
当人はそれでは困ったようである。
「変装していたつもりだったんだが……」
しょぼくれた爺さんの顔をしていても、やはり俺にはメルチの王座に最もふさわしい人物であると外せなかった。
「エセルさんは無事だったんだね。良かった」
オルバノ元王はエセルに微笑んだ。
そして俺の方へ言葉を投げる。
「私の国はどうかな?」
久々の低い声に緊張した。
「はい。メルチは……」
答えようとして俺はハッとなった。時刻を見てみれば、あれから二時間以上も時が経っている。
エセルが無事でいてすっかり安心し、テダムやアルバートに任せた戦いのことについて頭から抜けていた。
「すまん。キース。これからロンドを止めに行かねばならん」
「大丈夫ですよ!」
駆け出す間も無くキースが答える。
「ロンドにはガーネットを潜入させてあります。きっともう指示を出してくれて暴動はおさまっていますよ」
さらに続けられた。
「エセルさんが、パニエラのリョヤン殿に話を付けてくれました。リトゥさんも、父に駆け寄ってくれたんです」
「セルジオはリトゥが動かしたのか」
シャーロットの差金だと思い込んでいた。
「勘違いしないで頂戴な。私では無くて、あのお城に出入りする気の強い女性のおかげよ。私がエセル様の名を述べただけで了承してくれたわ」
機嫌よく笑うオルバノ元王の声がよく響く。
「では。メルチは勝ちだな」
勝算が付くと、オルバノ元王は屋内へと戻っていった。その間にもずっと一人で満足そうに笑っていた。
そんな上の者の明るい声を聞いたからか、俺は途端に肩の力が抜けている。
「……なんだ」
そうだったのか。
このままだと後ろに倒れそうになるから地面に尻を付けて座り込んだ。
草の茎も掴まずに、ポリポリと首元を掻いている。
そしてこの者らの良心が飲み込めたら頭を少し低くした。
「ありがとう」
素直な気持ちには激励の言葉がたくさん返ってきた。
「オルバノ様。なぜこちらに?」
皆のところから離れて一人で麓の街を眺めるオルバノ元王に声をかける。
その背中は、やってくる足音だけで俺だと分かったようだった。
「治安の良い場所に身を隠していたのだよ」
「イアリス妃は?」
「先に海を越えていった。私もこれからそこの大国の方へ渡るつもりだ」
静かに告げてから「まあ座りなさい」と、空箱を自分の近くに置く。オルバノ元王も綺麗でもない空箱に座っていた。
人間が静かであると、会話をするような鳥の鳴き合いがよく聞こえた。
夏の日差しは薄いシルクのような雲によって穏やかなものになる。乾いた夏の風が爽やかに吹き抜けていく。
この場所だけ特別であるかのような、のどかな時間が流れていた。
「はあ……」
景色にうっとりしているのか、それとも何かに憂いているのか、分からないがオルバノ元王はため息をついている。
「どうだね?」
そして一言、そう問うた。
俺はカイロニアの古典をおろそかにしない景観を眺めて答えた。
「難しいですね」
「うん。それは確かにそうだ。だがバル君には頼れる友人が多くいるようで良かったじゃないか」
「はい。驚いてしまいましたが」
オルバノ元王は少しだけ笑う。たぶん俺の考えている事が、この偉大な人物の頭の中にすでにあったのだと思う。
「何かを守るというのは大変な事だと思い知っただろう。嫌になったかい?」
俺のその答えはもう決まっている。だが、後悔が無いわけでもない。
一番最初はエセルを助けたことがきっかけである。そこから転がるようにして様々な人物の私情に手を出してしまった。
友人の命も失った。正直、得られた物はひとつとして無い。
「たしかに。嫌にもなります」
それに対してオルバノ元王には盛大に笑われてしまう。だが俺は「でも」と付け足さなければならない。
「私は、自分のやりたい事が分かったような気がします。それに関しては、苦労するのも悪く無かったかもしれません」
「そうか。それは良い。君がメルチの王位を継いでくれれば私も安心できるなあ」
「いや、私は王位を継ぎませんよ」
ガッカリされるかと思えばむしろ逆であった。
オルバノ元王はにこやかな表情のまま空を仰ぐ。
「そうだろうとも。君はそういう人間だ」
「はい。私は私です」
俺があれだけ否定し続けていたアルバートの台詞を借りた。
オルバノ元王にも良い言葉だと大変気に入られた。最後の言葉にオルバノ元王は小さくこう言った。
「息子にもそう言ってやるべきだった」と。
0
あなたにおすすめの小説
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
なぜ、私に関係あるのかしら?
シエル
ファンタジー
「初めまして、アシュフォード公爵家一女、セシリア・アシュフォードと申します」
彼女は、つい先日までこの国の王太子殿下の婚約者だった。
そして今日、このトレヴァント辺境伯家へと嫁いできた。
「…レオンハルト・トレヴァントだ」
非道にも自らの実妹を長年にわたり虐げ、婚約者以外の男との不適切な関係を理由に、王太子妃に不適格とされ、貴族学院の卒業式で婚約破棄を宣告された。
そして、新たな婚約者として、その妹が王太子本人から指名されたのだった。
「私は君と夫婦になるつもりはないし、辺境伯夫人として扱うこともない」
この判断によって、どうなるかなども考えずに…
※ 中世ヨーロッパ風の世界観です。
※ ご都合主義ですので、ご了承下さい、
※ 画像はAIにて作成しております
つまらない妃と呼ばれた日
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。
舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。
さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。
リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。
――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。
お飾り王妃の死後~王の後悔~
ましゅぺちーの
恋愛
ウィルベルト王国の王レオンと王妃フランチェスカは白い結婚である。
王が愛するのは愛妾であるフレイアただ一人。
ウィルベルト王国では周知の事実だった。
しかしある日王妃フランチェスカが自ら命を絶ってしまう。
最後に王宛てに残された手紙を読み王は後悔に苛まれる。
小説家になろう様にも投稿しています。
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
私と子供より、夫は幼馴染とその子供のほうが大切でした。
小野 まい
恋愛
結婚記念日のディナーに夫のオスカーは現れない。
「マリアが熱を出したらしい」
駆けつけた先で、オスカーがマリアと息子カイルと楽しげに食事をする姿を妻のエリザが目撃する。
「また裏切られた……」
いつも幼馴染を優先するオスカーに、エリザの不満は限界に達していた。
「あなたは家族よりも幼馴染のほうが大事なのね」
離婚する気持ちが固まっていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる