14 / 58
14 消しゴムはおそろいで
しおりを挟む
代表委員会が始まった。岡本君はまだ来ない。三年生が司会進行をしてまず一年生の代表に運動会の感想を発表してもらっていた。
私が間に合わないなと思っていたら、ガラッと扉が開いて岡本君が顔を出した。三年生のほうに向かって頭を下げて、すぐこちらにやってきた。私のほうを見てうなづいてから、すぐに座った。
座るとすぐ三年生の司会者に、運動会の感想を聞かれたので、岡本君は落ち着いた様子で話し出した。来たばかりなのに、堂々と発表する岡本君をぼーと見ていた。かっこいい!きっと顔がものすごく緩んでいたに違いない。
ふと強い視線を感じて、そちらを見ると俊介が唖然とした顔で私を見ていた。私は、なんだ~と一瞬ガンを飛ばしそうになったが、先ほどまでうかつにも見せてしまった自分の顔を思い出した。岡本君を見ていた顔は、今俊介がしている唖然とした顔よりよほどひどかったに違いない。私は急いでまじめな顔を作って、頬を指でぎゅっとひねった。この痛みできっと私の顔はしゃきっとするに違いない。
すると、今度は横から視線を感じた。いつの間にか発表を終えていた岡本君が私を見ていた。なんてこった!岡本君が、頬を自分でつねってる私の奇行を見て目を見開いている。私は岡本君の顔を見て、つねっていた指を急いで机の下にしまった。焦った私の顔を見た岡本君は、にこっと笑ってくれた。
「もしかして眠くなっちゃった?」
岡本君はいい方に誤解してくれたので、私はついうなづいてしまった。おもわず赤面してうつむいてしまった。その時、なんとなく俊介の視線を感じた、気がした。
代表委員会が終わり、私は机の上にのっていた文房具を片づけた。一応書くために文房具を出してはいたが何も書いてはいない。まあ優秀な岡本君がいるから安心している。片づけているとふと私の机の上を見ている岡本君に気が付いた。
「ねえ笹竹さん、その消しゴム今流行り?」
岡本君が私の持っている消しゴムを指さした。
「うん、これね。流行りみたいだね」
私はにんまりしながら言った。最近女子力アップのため女の子達の話をよく聞いていてよかったと思った瞬間だった。
「これ妹も持ってるんだよ。でも笹竹さんのちょっと色が違うね」
「うん、これ限定品なんだ!」
私は消しゴムを手に取ると、岡本君の鼻に押し付けた。あまりに意気込みすぎて岡本君の鼻にスタンプのように押し付けたようになってしまった。しまったと思い慌てて消しゴムを岡本君の鼻から遠ざける。
「ごめんね。痛かった?」
「ううん全然!」
岡本君はさわやかに笑顔で行ってくれ私は一安心した。
「で、なんかあるの?」
「うん?何か匂わなかった?」
私は慌てて消しゴムの匂いを嗅いだ。この消しゴムはなんとラーメンの匂いがするのだ。これまた本格的なにおいで私のお気に入りだ。お腹が空いているときにはとても使えないが。余計お腹がすくので。
ただ喜々として買った時、美香ちゃんたちはなぜか微妙そうな顔をしていた。私はこの匂いを気に入ったが、美香ちゃんをはじめほかの子達は別のフルーツやお菓子の匂いの消しゴムを買っていた。
私は何の反応も示さない岡本君にを見て、今度は自分の鼻に消しゴムを近づけたが、あんまり匂わない。私は、そうだ!とひらめいて、筆箱の中から定規を取り出し、定規を消しゴムに強く押し当ててのこぎりのように前後に動かして真っ二つに切った。そして片方の消しゴムの匂いをかくと、そこからは新鮮なラーメンの香りが匂ってきた。
「これならよく匂うよ」
なぜか唖然としている岡本君の鼻に、真っ二つになった片割れの消しゴムを近づける。今度は先ほどのミスを挽回すべくそおっと近づけた。岡本君の形のいい鼻が、少し動いてクンクン匂いを嗅いだ。
その様子に私は、一大仕事をを成し遂げたかのような満足感に襲われた。
そんな私の顔を見て岡本君はぷっと吹き出した。私がいきなり吹き出した岡本君に目を丸くしていると、岡本君が言った。
「ラーメンの香りだね。でも消しゴム真っ二つになっちゃけどいいの?」
岡本君は私の消しゴムの心配してくれるいい人だった。
「いいのいいの。よかったらあげようか?ただしお腹が空いたときに嗅ぐと余計お腹が空いちゃうけどね」
「ありがとう。でもいいの?」
「大丈夫、もう一個買ってあるから」
そうなのだ、この消しゴムは実はうちにもある。匂いがとても気に入ってもう一個買ってしまったのだ。
「そうなんだ。じゃあもらうね。ありがとう」
私が真っ二つになった消しゴムの片方をあげると、岡本君はニコッと笑いながらもらってくれた。私はいい仕事をしたと心の中で喜んでいると、また視線を感じた。ついそちらを見ると、まだ部屋に残っていた俊介がお腹を抱えて笑っていたのだった。なんだ?
そんな挙動不審の俊介を無視して、私は岡本君と自分のクラスに戻っていった。
私が間に合わないなと思っていたら、ガラッと扉が開いて岡本君が顔を出した。三年生のほうに向かって頭を下げて、すぐこちらにやってきた。私のほうを見てうなづいてから、すぐに座った。
座るとすぐ三年生の司会者に、運動会の感想を聞かれたので、岡本君は落ち着いた様子で話し出した。来たばかりなのに、堂々と発表する岡本君をぼーと見ていた。かっこいい!きっと顔がものすごく緩んでいたに違いない。
ふと強い視線を感じて、そちらを見ると俊介が唖然とした顔で私を見ていた。私は、なんだ~と一瞬ガンを飛ばしそうになったが、先ほどまでうかつにも見せてしまった自分の顔を思い出した。岡本君を見ていた顔は、今俊介がしている唖然とした顔よりよほどひどかったに違いない。私は急いでまじめな顔を作って、頬を指でぎゅっとひねった。この痛みできっと私の顔はしゃきっとするに違いない。
すると、今度は横から視線を感じた。いつの間にか発表を終えていた岡本君が私を見ていた。なんてこった!岡本君が、頬を自分でつねってる私の奇行を見て目を見開いている。私は岡本君の顔を見て、つねっていた指を急いで机の下にしまった。焦った私の顔を見た岡本君は、にこっと笑ってくれた。
「もしかして眠くなっちゃった?」
岡本君はいい方に誤解してくれたので、私はついうなづいてしまった。おもわず赤面してうつむいてしまった。その時、なんとなく俊介の視線を感じた、気がした。
代表委員会が終わり、私は机の上にのっていた文房具を片づけた。一応書くために文房具を出してはいたが何も書いてはいない。まあ優秀な岡本君がいるから安心している。片づけているとふと私の机の上を見ている岡本君に気が付いた。
「ねえ笹竹さん、その消しゴム今流行り?」
岡本君が私の持っている消しゴムを指さした。
「うん、これね。流行りみたいだね」
私はにんまりしながら言った。最近女子力アップのため女の子達の話をよく聞いていてよかったと思った瞬間だった。
「これ妹も持ってるんだよ。でも笹竹さんのちょっと色が違うね」
「うん、これ限定品なんだ!」
私は消しゴムを手に取ると、岡本君の鼻に押し付けた。あまりに意気込みすぎて岡本君の鼻にスタンプのように押し付けたようになってしまった。しまったと思い慌てて消しゴムを岡本君の鼻から遠ざける。
「ごめんね。痛かった?」
「ううん全然!」
岡本君はさわやかに笑顔で行ってくれ私は一安心した。
「で、なんかあるの?」
「うん?何か匂わなかった?」
私は慌てて消しゴムの匂いを嗅いだ。この消しゴムはなんとラーメンの匂いがするのだ。これまた本格的なにおいで私のお気に入りだ。お腹が空いているときにはとても使えないが。余計お腹がすくので。
ただ喜々として買った時、美香ちゃんたちはなぜか微妙そうな顔をしていた。私はこの匂いを気に入ったが、美香ちゃんをはじめほかの子達は別のフルーツやお菓子の匂いの消しゴムを買っていた。
私は何の反応も示さない岡本君にを見て、今度は自分の鼻に消しゴムを近づけたが、あんまり匂わない。私は、そうだ!とひらめいて、筆箱の中から定規を取り出し、定規を消しゴムに強く押し当ててのこぎりのように前後に動かして真っ二つに切った。そして片方の消しゴムの匂いをかくと、そこからは新鮮なラーメンの香りが匂ってきた。
「これならよく匂うよ」
なぜか唖然としている岡本君の鼻に、真っ二つになった片割れの消しゴムを近づける。今度は先ほどのミスを挽回すべくそおっと近づけた。岡本君の形のいい鼻が、少し動いてクンクン匂いを嗅いだ。
その様子に私は、一大仕事をを成し遂げたかのような満足感に襲われた。
そんな私の顔を見て岡本君はぷっと吹き出した。私がいきなり吹き出した岡本君に目を丸くしていると、岡本君が言った。
「ラーメンの香りだね。でも消しゴム真っ二つになっちゃけどいいの?」
岡本君は私の消しゴムの心配してくれるいい人だった。
「いいのいいの。よかったらあげようか?ただしお腹が空いたときに嗅ぐと余計お腹が空いちゃうけどね」
「ありがとう。でもいいの?」
「大丈夫、もう一個買ってあるから」
そうなのだ、この消しゴムは実はうちにもある。匂いがとても気に入ってもう一個買ってしまったのだ。
「そうなんだ。じゃあもらうね。ありがとう」
私が真っ二つになった消しゴムの片方をあげると、岡本君はニコッと笑いながらもらってくれた。私はいい仕事をしたと心の中で喜んでいると、また視線を感じた。ついそちらを見ると、まだ部屋に残っていた俊介がお腹を抱えて笑っていたのだった。なんだ?
そんな挙動不審の俊介を無視して、私は岡本君と自分のクラスに戻っていった。
0
あなたにおすすめの小説
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
【短編】ちゃんと好きになる前に、終わっただけ
月下花音
恋愛
曖昧な関係を続けていたユウトとの恋は、彼のインスタ投稿によって一方的に終わりを告げた。
泣くのも違う。怒るのも違う。
ただ静かに消えよう。
そう決意してトーク履歴を消そうとした瞬間、指が滑った。
画面に表示されたのは、間の抜けたクマのスタンプ。
相手に気付かれた? 見られた?
「未練ある」って思われる!?
恐怖でブロックボタンを連打した夜。
カモメのフンより、失恋より、最後の誤爆が一番のトラウマになった女子大生の叫び。
離した手の温もり
橘 凛子
恋愛
3年前、未来を誓った君を置いて、私は夢を追いかけた。キャリアを優先した私に、君と会う資格なんてないのかもしれない。それでも、あの日の選択をずっと後悔している。そして今、私はあの場所へ帰ってきた。もう一度、君に会いたい。ただ、ごめんなさいと伝えたい。それだけでいい。それ以上の願いは、もう抱けないから。
隣の夫婦 ~離婚する、離婚しない、身近な夫婦の話
紫さゆり
恋愛
オムニバス形式です。
理解し合って結婚したはずの梓、同級生との再会が思わぬことになる雅美、年下の夫のかつての妻に引け目を感じる千晴、昔の恋の後悔から前向きになれない志織。
大人の女性のストーリーです。
魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました
iru
恋愛
小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。
両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。
両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。
しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。
魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。
自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。
一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。
初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。
恋人になりたいが、年上で雇い主。
もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。
そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。
そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。
レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか?
両片思いのすれ違いのお話です。
幼馴染の許嫁
山見月あいまゆ
恋愛
私にとって世界一かっこいい男の子は、同い年で幼馴染の高校1年、朝霧 連(あさぎり れん)だ。
彼は、私の許嫁だ。
___あの日までは
その日、私は連に私の手作りのお弁当を届けに行く時だった
連を見つけたとき、連は私が知らない女の子と一緒だった
連はモテるからいつも、周りに女の子がいるのは慣れいてたがもやもやした気持ちになった
女の子は、薄い緑色の髪、ピンク色の瞳、ピンクのフリルのついたワンピース
誰が見ても、愛らしいと思う子だった。
それに比べて、自分は濃い藍色の髪に、水色の瞳、目には大きな黒色の眼鏡
どうみても、女の子よりも女子力が低そうな黄土色の入ったお洋服
どちらが可愛いかなんて100人中100人が女の子のほうが、かわいいというだろう
「こっちを見ている人がいるよ、知り合い?」
可愛い声で連に私のことを聞いているのが聞こえる
「ああ、あれが例の許嫁、氷瀬 美鈴(こおりせ みすず)だ。」
例のってことは、前から私のことを話していたのか。
それだけでも、ショックだった。
その時、連はよしっと覚悟を決めた顔をした
「美鈴、許嫁をやめてくれないか。」
頭を殴られた感覚だった。
いや、それ以上だったかもしれない。
「結婚や恋愛は、好きな子としたいんだ。」
受け入れたくない。
けど、これが連の本心なんだ。
受け入れるしかない
一つだけ、わかったことがある
私は、連に
「許嫁、やめますっ」
選ばれなかったんだ…
八つ当たりの感覚で連に向かって、そして女の子に向かって言った。
【完結】少年の懺悔、少女の願い
干野ワニ
恋愛
伯爵家の嫡男に生まれたフェルナンには、ロズリーヌという幼い頃からの『親友』がいた。「気取ったご令嬢なんかと結婚するくらいならロズがいい」というフェルナンの希望で、二人は一年後に婚約することになったのだが……伯爵夫人となるべく王都での行儀見習いを終えた『親友』は、すっかり別人の『ご令嬢』となっていた。
そんな彼女に置いて行かれたと感じたフェルナンは、思わず「奔放な義妹の方が良い」などと言ってしまい――
なぜあの時、本当の気持ちを伝えておかなかったのか。
後悔しても、もう遅いのだ。
※本編が全7話で悲恋、後日談が全2話でハッピーエンド予定です。
※長編のスピンオフですが、単体で読めます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる