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第四章 「恋するフォーチュンクッキー」

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 原田はパソコンに向かって原稿の手直しを行っていた。
 その脇を無言で、畳んだ下着を持った愛里が通る。向かったのは原田の寝室だ。
 どん、と大きな音を立ててドアを閉じたが、気にしないようにと言い聞かせて画面に向かう。
 だが、新たに震動があり、

「センセのバカヤロー!」

 という、愛里の怒鳴り声が響き渡った。
 原田は何か言った方がいいのかと逡巡しゅんじゅんしたが、ドアを開けて出てきた彼女が笑顔を浮かべていたので、目をそらして無言を貫いた。
 そのまま目で彼女の姿を追いかけると、自分の部屋から荷物を持ち出しては、それを原田の寝室に運んでいる。

「お、おい。ちょっと」

 これには流石に原田も声を掛けたが、今度は愛里が無視を貫いた。
 十分ほどして作業を終えると、愛里はわざわざスマートフォンからLINEで原田にある文章を送りつけてくる。

「何だって……」

 そこには、

> 今日から一緒の部屋で寝るから

 とあった。

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