35 / 88
第四章 「恋するフォーチュンクッキー」
9
しおりを挟む
原田はパソコンに向かって原稿の手直しを行っていた。
その脇を無言で、畳んだ下着を持った愛里が通る。向かったのは原田の寝室だ。
どん、と大きな音を立ててドアを閉じたが、気にしないようにと言い聞かせて画面に向かう。
だが、新たに震動があり、
「センセのバカヤロー!」
という、愛里の怒鳴り声が響き渡った。
原田は何か言った方がいいのかと逡巡したが、ドアを開けて出てきた彼女が笑顔を浮かべていたので、目を逸して無言を貫いた。
そのまま目で彼女の姿を追いかけると、自分の部屋から荷物を持ち出しては、それを原田の寝室に運んでいる。
「お、おい。ちょっと」
これには流石に原田も声を掛けたが、今度は愛里が無視を貫いた。
十分ほどして作業を終えると、愛里はわざわざスマートフォンからLINEで原田にある文章を送りつけてくる。
「何だって……」
そこには、
> 今日から一緒の部屋で寝るから
とあった。
その脇を無言で、畳んだ下着を持った愛里が通る。向かったのは原田の寝室だ。
どん、と大きな音を立ててドアを閉じたが、気にしないようにと言い聞かせて画面に向かう。
だが、新たに震動があり、
「センセのバカヤロー!」
という、愛里の怒鳴り声が響き渡った。
原田は何か言った方がいいのかと逡巡したが、ドアを開けて出てきた彼女が笑顔を浮かべていたので、目を逸して無言を貫いた。
そのまま目で彼女の姿を追いかけると、自分の部屋から荷物を持ち出しては、それを原田の寝室に運んでいる。
「お、おい。ちょっと」
これには流石に原田も声を掛けたが、今度は愛里が無視を貫いた。
十分ほどして作業を終えると、愛里はわざわざスマートフォンからLINEで原田にある文章を送りつけてくる。
「何だって……」
そこには、
> 今日から一緒の部屋で寝るから
とあった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる