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第2章 炎の砂漠 編
第25話 不審者の保護
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ロイヤルスイートのドアがノックされた。借主が扉を開けると、そこには豪華客船、客室係の男性が立っている。
「不審者が上の階に逃げたとの情報があるのですが、何かお気づきになられたことはございませんか?」
「さぁ・・・怖いので、ジッと部屋の中にいたものですから、外の様子はさっぱり分かりません」
受け答えする黒髪緋眼の青年に、おかしな様子は見られなかった。客室係としては、それだけ確認できれば十分。
元々、有益な情報を得られるとは思っておらず、安全確認が主目的だったのだ。船の乗務員はあっさり退き下がると、深々とお辞儀をする。
「そうですか。まだ、未確認ですが、お客さまの中には大切な宝石を盗まれたと騒いでいる方もいるようです。何かありましたら、お手数ですがお知らせ下さい」
レイヴンは、立ち去る客室係を見送り、姿が見えなくなると、ゆっくりドアを閉めた。
そして、部屋のリビングまで戻ると、その中央にちょこんと座っているフードを被った女の子に話しかける。
「さて、詳しい話を聞かせてもらおうか」
「・・・はい。分かりました」
女の子は、話し始める前に、まず被っていたフードを取った。出てきたのは、緑色の髪をした、まだ、あどけない女の子。年のころは、十六歳から十七歳くらいに見える。
レイヴンは、彼女が話し始めるのをゆっくりと待ちながら、ほんの十数分前に起きた出来事を思い出すのだった。
きちんと普段着に着替えたカーリィとメラがリビングに戻って来た。
先ほどの二人の格好を思い出したレイヴンは、やや頬を赤らめるが、締まらない顔を見られるのを嫌って、首を左右に振る。
『ドンッ!』
気を取り直したところ、部屋の扉に何かがぶつかった音が聞こえた。
ドアの外の出来事と分かると、レイヴンは例の不審者ではないかと警戒する。
だが、覗き窓から様子を探るも、そこからは、いたって普通の廊下しか見えなかった。
『何だったんだ?』と、疑問を持ちながらも、内開きのドアを引くと何かが転がり込んでくる。
「うわあっ」
何とか避けながらも、思わず声を上げたレイヴン。よく見ると、それはフードを被った女の子だった。
その子は、驚いている男性を見上げると力なく、口を動かす。
「・・・けて」
「ん?」
小さい声でよく聞き取れなかったが、代わりに彼女のお腹が雄弁に語った。
大きなお腹の音が鳴ったのである。
「・・・助けて下さい。・・・何も食べていなくて・・」
そう言うと、力尽きたのか、床に伏してしまう。
カーリィたちと目を合わせたレイヴンは、この女の子を、どう扱うべきか迷うのだった。
「この子、悪い子に見えないよ」
そこで、真っ先に声を上げたのは、クロウ。
弟の人を見る目を疑ったことはない。レイヴンは、問題ないと思いつつも、一応、念を押した。
「カーリィ、頼めるか?」
レイヴンの意図を察した彼女は、白い紐を飛ばすと女の子の腰に巻き付ける。
カーリィのスキル『無効』で、万が一の事を考えて、この子のスキルを封じたのだ。
「今すぐ食べられる物は、こんなのしかないが、大丈夫か?」
レイヴンは『金庫』の中から、携帯食と水筒を取り出す。
食べ物の匂いに反応した女の子は、大きな目を開けて頷いた。
差出すレイヴンの手から、まるでひったくるかのように奪い取ると、一心不乱に食べ始める。
通常、カーリィの『無効』を受けると、力が抜けるものだが、それ以上に空腹を満たす方が勝っているのか?
余程、お腹を空かせていたことが伺い知れた。
渡した食べ物は、あっという間に彼女の胃袋に収まり、水筒の中の水も見事に飲み干す。
「お代わりは、いるか?」
レイヴンが、そう言わずにはいられなかった時、部屋をノックする音が聞こえ、客室係の訪問を受けたのだった。
分かりましたと言いつつ、あれから、黙り込んでいる彼女。
カーリィの白い紐を腰に巻きながら、レイヴンの前にちょこんと座ったままだ。
この状況に対し、腕を組みながら、考え込む。
不審者というのは、おそらく彼女で間違いない。何故、この女の子は、この船に潜り込んだのだろうか?
それが、もし噂になっている宝石を盗むためだとしたら、客室係に突き出すだけだ。
一応、事情は確認するかもしれないが、どう考えてもレイヴンと関係ある事とは思えない。
「宝石を盗んだというのは、君か?」
「・・・いいえ、違います。私、そんな事はしません」
「それを証明できる?」
彼女はレイヴンの言葉に考え込んだ。物を盗んでいない証明、いわゆる『やっていない』証明は、悪魔の証明とも言われ、立証するのはかなり難しい。
「・・・着ているものを全て脱いで、体の隅々を調べてもらっても構いません」
「いや、今はいい。もし、必要になったら、その時は、そうさせてもらうよ」
証明困難なことをわざと聞いたのは、彼女の覚悟を確認するため。この時点で、レイヴンは、この女の子は『シロ』だと思った。
更にそのレイヴンの意図を感じ取った節が、彼女にはあり、かなり頭のいい子だと認める。
やはり、この女の子が宝石とやらを盗んだとは思えなかった。
この時点まで、彼女から悪意を感じられず、先にクロウのお墨付きもあたったため、警戒を解くことにする。
カーリィに白い紐を外してもいいと、レイヴンは告げた。
さて、一度、匿ってしまった以上、彼女の無実を証明したいだのが・・・
「せめて、被害者が誰か分かればなぁ」
「・・・それでしたら、多分、あの方かと」
レイヴンの独り言に女の子が反応した。何故、その目星がついているか聞いてみると、ここに来る途中、宝石泥棒と名指しされた件を説明してくれる。
「下の階の非常に恰幅のいい方でした」
「恰幅がいい?」
「ええ、そうです」
『恰幅がいい』と『宝石』。
何だか、この組み合わせをどこかで見たような気がする。
レイヴンは、考え抜いた挙句、乗船手続きでの出来事を思い出した。
「まさか、あの豚野郎か?」
「ぶ・・・まぁ、見方によっては、そのように思われる方もいるかもしれません」
被害者があの男だとする、宝石を盗んだという犯人は、きっと・・・
レイヴンの中で、何やら答えが見つかったようだ。
光明が見えたところで、そう言えば、お互い名を名乗っていないことに気づく。
「すまない、名を伝えていなかった。俺の名はレイヴン、君は?」
「私は、アンナと申します」
「そうか、アンナ・・・」
レイヴンがそのアンナに近づこうとすると、彼女はやや身を反らして、距離を取ろうとした。
心持ち、もじもじしているようにも見える。
「どうした?」
「・・・すいません。シャワーをお借りできませんか?」
お腹が満たされ、頭も正常に回りだすと、女性としての恥じらいも戻ったようだ。
聞くところによると、三日間、体を洗っていないらしい。
それで、体臭を気にしたとの事。
「分かった。メラ、彼女を案内してくれ。それとカーリィ、俺は宝石泥棒の犯人を捕まえてくる」
メラがアンナを案内するのと入れ替わり、カーリィがレイヴンに近づく。
「あら、犯人の目星がついているの?」
「まぁね、ただ、船内のどこに潜んでいるか・・・とにかく、怪しい場所を探してみるさ」
カーリィの「分かったわ」という言葉を背に受け、レイヴンは部屋を出るのだった。
「不審者が上の階に逃げたとの情報があるのですが、何かお気づきになられたことはございませんか?」
「さぁ・・・怖いので、ジッと部屋の中にいたものですから、外の様子はさっぱり分かりません」
受け答えする黒髪緋眼の青年に、おかしな様子は見られなかった。客室係としては、それだけ確認できれば十分。
元々、有益な情報を得られるとは思っておらず、安全確認が主目的だったのだ。船の乗務員はあっさり退き下がると、深々とお辞儀をする。
「そうですか。まだ、未確認ですが、お客さまの中には大切な宝石を盗まれたと騒いでいる方もいるようです。何かありましたら、お手数ですがお知らせ下さい」
レイヴンは、立ち去る客室係を見送り、姿が見えなくなると、ゆっくりドアを閉めた。
そして、部屋のリビングまで戻ると、その中央にちょこんと座っているフードを被った女の子に話しかける。
「さて、詳しい話を聞かせてもらおうか」
「・・・はい。分かりました」
女の子は、話し始める前に、まず被っていたフードを取った。出てきたのは、緑色の髪をした、まだ、あどけない女の子。年のころは、十六歳から十七歳くらいに見える。
レイヴンは、彼女が話し始めるのをゆっくりと待ちながら、ほんの十数分前に起きた出来事を思い出すのだった。
きちんと普段着に着替えたカーリィとメラがリビングに戻って来た。
先ほどの二人の格好を思い出したレイヴンは、やや頬を赤らめるが、締まらない顔を見られるのを嫌って、首を左右に振る。
『ドンッ!』
気を取り直したところ、部屋の扉に何かがぶつかった音が聞こえた。
ドアの外の出来事と分かると、レイヴンは例の不審者ではないかと警戒する。
だが、覗き窓から様子を探るも、そこからは、いたって普通の廊下しか見えなかった。
『何だったんだ?』と、疑問を持ちながらも、内開きのドアを引くと何かが転がり込んでくる。
「うわあっ」
何とか避けながらも、思わず声を上げたレイヴン。よく見ると、それはフードを被った女の子だった。
その子は、驚いている男性を見上げると力なく、口を動かす。
「・・・けて」
「ん?」
小さい声でよく聞き取れなかったが、代わりに彼女のお腹が雄弁に語った。
大きなお腹の音が鳴ったのである。
「・・・助けて下さい。・・・何も食べていなくて・・」
そう言うと、力尽きたのか、床に伏してしまう。
カーリィたちと目を合わせたレイヴンは、この女の子を、どう扱うべきか迷うのだった。
「この子、悪い子に見えないよ」
そこで、真っ先に声を上げたのは、クロウ。
弟の人を見る目を疑ったことはない。レイヴンは、問題ないと思いつつも、一応、念を押した。
「カーリィ、頼めるか?」
レイヴンの意図を察した彼女は、白い紐を飛ばすと女の子の腰に巻き付ける。
カーリィのスキル『無効』で、万が一の事を考えて、この子のスキルを封じたのだ。
「今すぐ食べられる物は、こんなのしかないが、大丈夫か?」
レイヴンは『金庫』の中から、携帯食と水筒を取り出す。
食べ物の匂いに反応した女の子は、大きな目を開けて頷いた。
差出すレイヴンの手から、まるでひったくるかのように奪い取ると、一心不乱に食べ始める。
通常、カーリィの『無効』を受けると、力が抜けるものだが、それ以上に空腹を満たす方が勝っているのか?
余程、お腹を空かせていたことが伺い知れた。
渡した食べ物は、あっという間に彼女の胃袋に収まり、水筒の中の水も見事に飲み干す。
「お代わりは、いるか?」
レイヴンが、そう言わずにはいられなかった時、部屋をノックする音が聞こえ、客室係の訪問を受けたのだった。
分かりましたと言いつつ、あれから、黙り込んでいる彼女。
カーリィの白い紐を腰に巻きながら、レイヴンの前にちょこんと座ったままだ。
この状況に対し、腕を組みながら、考え込む。
不審者というのは、おそらく彼女で間違いない。何故、この女の子は、この船に潜り込んだのだろうか?
それが、もし噂になっている宝石を盗むためだとしたら、客室係に突き出すだけだ。
一応、事情は確認するかもしれないが、どう考えてもレイヴンと関係ある事とは思えない。
「宝石を盗んだというのは、君か?」
「・・・いいえ、違います。私、そんな事はしません」
「それを証明できる?」
彼女はレイヴンの言葉に考え込んだ。物を盗んでいない証明、いわゆる『やっていない』証明は、悪魔の証明とも言われ、立証するのはかなり難しい。
「・・・着ているものを全て脱いで、体の隅々を調べてもらっても構いません」
「いや、今はいい。もし、必要になったら、その時は、そうさせてもらうよ」
証明困難なことをわざと聞いたのは、彼女の覚悟を確認するため。この時点で、レイヴンは、この女の子は『シロ』だと思った。
更にそのレイヴンの意図を感じ取った節が、彼女にはあり、かなり頭のいい子だと認める。
やはり、この女の子が宝石とやらを盗んだとは思えなかった。
この時点まで、彼女から悪意を感じられず、先にクロウのお墨付きもあたったため、警戒を解くことにする。
カーリィに白い紐を外してもいいと、レイヴンは告げた。
さて、一度、匿ってしまった以上、彼女の無実を証明したいだのが・・・
「せめて、被害者が誰か分かればなぁ」
「・・・それでしたら、多分、あの方かと」
レイヴンの独り言に女の子が反応した。何故、その目星がついているか聞いてみると、ここに来る途中、宝石泥棒と名指しされた件を説明してくれる。
「下の階の非常に恰幅のいい方でした」
「恰幅がいい?」
「ええ、そうです」
『恰幅がいい』と『宝石』。
何だか、この組み合わせをどこかで見たような気がする。
レイヴンは、考え抜いた挙句、乗船手続きでの出来事を思い出した。
「まさか、あの豚野郎か?」
「ぶ・・・まぁ、見方によっては、そのように思われる方もいるかもしれません」
被害者があの男だとする、宝石を盗んだという犯人は、きっと・・・
レイヴンの中で、何やら答えが見つかったようだ。
光明が見えたところで、そう言えば、お互い名を名乗っていないことに気づく。
「すまない、名を伝えていなかった。俺の名はレイヴン、君は?」
「私は、アンナと申します」
「そうか、アンナ・・・」
レイヴンがそのアンナに近づこうとすると、彼女はやや身を反らして、距離を取ろうとした。
心持ち、もじもじしているようにも見える。
「どうした?」
「・・・すいません。シャワーをお借りできませんか?」
お腹が満たされ、頭も正常に回りだすと、女性としての恥じらいも戻ったようだ。
聞くところによると、三日間、体を洗っていないらしい。
それで、体臭を気にしたとの事。
「分かった。メラ、彼女を案内してくれ。それとカーリィ、俺は宝石泥棒の犯人を捕まえてくる」
メラがアンナを案内するのと入れ替わり、カーリィがレイヴンに近づく。
「あら、犯人の目星がついているの?」
「まぁね、ただ、船内のどこに潜んでいるか・・・とにかく、怪しい場所を探してみるさ」
カーリィの「分かったわ」という言葉を背に受け、レイヴンは部屋を出るのだった。
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