変装王寺の嫁さがし

久喜 まいたけ

文字の大きさ
2 / 54

ma-sk

しおりを挟む
雪次郎の行動は早かった。

ため息をしている薫の横でもう学園への転入先へ連絡をいれていた。

「おう。わしわし。ちょっと孫を転入させてくれや。」
オレオレ詐欺のような言い回し。
「まあ、社会見学みたいなものよ。孫はもう大学も卒業しているしな。じゃあ会社の引き継ぎもあるから5月くらいから頼む。」

あまりの手際の良さにさすがじいちゃんと関心した。
しかし、そこで会話に薫が割り込んできた。

「雪次郎様!ご提案があるっす。私も若にお供させていただけないっすか?」

薫の口調は親しい人たちの間だとこういう風になる。
まあ、小さい頃から自分と一緒だったからじいちゃんのことも親戚のおじさんみたいな立ち位置なのかもしれない。

雪次郎
「でもよーこれからの業務はどうすりゃいい?さすがにわし一人じゃつかれちゃうな~」
顎髭をさわり困った仕草をするが顔は逆てでニヤニヤしている。
これはわざとだ。薫の反応をみたくてやってるな。


「いや、若は頭はいいかもしれませんが、団体行動と一般常識の面が…私がサポートにあたれば問題ないと思うっす!あと雪次郎様のサポートですがうちの姉でどうでしょう?今はフリーなんで雪次郎様がよろしければですが。」
薫の姉はすごい。どれくらいすごいかというとじいちゃんと同等のスペックを持っている。
欠点は飽きやすくしかもシスコンなところだ。自分にもあまいのでブラコンなところもあるのかな?

雪次郎
「そうなら願ったり叶ったりだ。譲お前もいいパートナーをもったな!」
と高笑いしているが何がそんなに嬉しいのかわからない。
パートナーはこれから探すと言ってるのにな?
まあサポートしてくれるのはありがたいけど。

「よし。じゃあ早速二人の転入手続きはおわらせてきた。それで譲と薫に説明しなければならないことがある。ついてきな。」
そういわれて薫と自分は雪次郎の後を追いかけた。


雪次郎は迷路のような通路を迷わずスタスタと歩いていく。
こっちは科学開発棟のあたりだな。
そしてその一番奥、厳重なセキュリティがされていそうな部屋の前で立ち止まり雪次郎の指紋と声帯認証で重々しい音をあげながら扉が開いた。

雪次郎
「これから二人に条件を出す。王寺譲ということを伏せて一般生徒として学園生活をしてほしい。その為のこれはプレゼントだ。」

そう言って下から現れたのは透明な宇宙服のような物。


「これは?じいちゃんよくわからないんだけど。」

雪次郎
「よくぞ聞いてくれた。これはわが社が極秘開発した。スーツ型特殊メイクma-skだ。」
自慢気な顔でまだまだ説明が続く。
「このma-skは髪型、体型、顔の形を自由に変更することができる。さらに色々な特殊機能付きじゃ♪原理はスーツに形状をプログラムしてそこにスーツの膜と膜の間に水を入れる感じじゃな。簡単に言うとウォーターベッドに包まれてるようなものじゃ♪」所々の♪マークが気になるが一応聞いてみよう。


「じいちゃん、別に水いれなくてもよくないかい?」

雪次郎
「いや、空気だと張りはできるが弾力が不自然になってしまい特殊メイクにはならないし、ゴムや樹脂だと形状を変えるのに手間がかかるんだ。」


「そうなんだ。納得。それで何でこれくれるの?」
雪次郎
「だって中身を見てもらいたいんだろ?お前みたいな有名人は中途半端に変装してもダメだと思ってな。でもくれぐれも注意して使えよ。そのma-skがあれば国の一つや二つすぐに征服できる。肝に命じておくように!」


「うわー話が壮大すぎるっす。(゚ω゚;)」


「了解!じゃあ早速使い方教えてくれ!」

雪次郎
「じゃあまずは…」


こうしてma-skの使い方を覚え、会社の引き継ぎなど1ヶ月かかり…
そして、5月のゴールデンウィーク明けの今日。

変装王寺譲のパートナー(嫁)さがしがはじまる。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

橘若頭と怖がり姫

真木
恋愛
八歳の希乃は、母を救うために極道・橘家の門を叩き、「大人になったら自分のすべてを差し出す」と約束する。 その言葉を受け取った橘家の若頭・司は、希乃を保護し、慈しみ、外界から遠ざけて育ててきた。 高校生になった希乃は、虚弱体質で寝込んでばかり。思いつめて、今まで養ってもらったお金を返そうと夜の街に向かうが、そこに司が現れて……。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

Emerald

藍沢咲良
恋愛
教師という仕事に嫌気が差した結城美咲(ゆうき みさき)は、叔母の住む自然豊かな郊外で時々アルバイトをして生活していた。 叔母の勧めで再び教員業に戻ってみようと人材バンクに登録すると、すぐに話が来る。 自分にとっては完全に新しい場所。 しかし仕事は一度投げ出した教員業。嫌だと言っても他に出来る仕事は無い。 仕方無しに仕事復帰をする美咲。仕事帰りにカフェに寄るとそこには…。 〜main cast〜 結城美咲(Yuki Misaki) 黒瀬 悠(Kurose Haruka) ※作中の地名、団体名は架空のものです。 ※この作品はエブリスタ、小説家になろうでも連載されています。 ※素敵な表紙をポリン先生に描いて頂きました。 ポリン先生の作品はこちら↓ https://manga.line.me/indies/product/detail?id=8911 https://www.comico.jp/challenge/comic/33031

君への気持ちが冷めたと夫から言われたので家出をしたら、知らぬ間に懸賞金が掛けられていました

結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【え? これってまさか私のこと?】 ソフィア・ヴァイロンは貧しい子爵家の令嬢だった。町の小さな雑貨店で働き、常連の男性客に密かに恋心を抱いていたある日のこと。父親から借金返済の為に結婚話を持ち掛けられる。断ることが出来ず、諦めて見合いをしようとした矢先、別の相手から結婚を申し込まれた。その相手こそ彼女が密かに思いを寄せていた青年だった。そこでソフィアは喜んで受け入れたのだが、望んでいたような結婚生活では無かった。そんなある日、「君への気持ちが冷めたと」と夫から告げられる。ショックを受けたソフィアは家出をして行方をくらませたのだが、夫から懸賞金を掛けられていたことを知る―― ※他サイトでも投稿中

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

触手エイリアンの交配実験〜研究者、被験体になる〜

桜井ベアトリクス
恋愛
異星で触手エイリアンを研究する科学者アヴァ。 唯一観察できていなかったのは、彼らの交配儀式。 上司の制止を振り切り、禁断の儀式を覗き見たアヴァは―― 交わる触手に、抑えきれない欲望を覚える。 「私も……私も交配したい」 太く長い触手が、体の奥深くまで侵入してくる。 研究者が、快楽の実験体になる夜。

氷の宰相補佐と押しつけられた厄災の花嫁

瑞原唯子
恋愛
王命により、アイザックはまだ十歳の少女を妻として娶ることになった。 彼女は生後まもなく始末されたはずの『厄災の姫』である。最近になって生存が判明したが、いまさら王家に迎え入れることも始末することもできない——悩んだ末、国王は序列一位のシェフィールド公爵家に押しつけたのだ。

処理中です...