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異変②
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風の音が聞こえる。
風を切るように二人は走っていた。こんなに走ったのは久しぶりだ。
昔は二人で楽しくかけっこなどしたもんだ。
でも今は状況が違う。
黒服の怪しい人達に追われているのだ。
「なんで追われてるんだろうね薫君。」
素朴な疑問を問いかけたくなる。
「いやいやいやいや!洒落にならないっすよ!!!なんでこうなるの!?」
薫はちょっとパニック気味だ。
無理もないこんなことはじめてなんだから。
「でも何事も冷静になって取り組まないとミスすると言ってるでしょ?」
「そうは言っても!!」
「取り敢えず家につきそうだそこで考えようか。」
家のドアをあけ飛び込みカギを閉めた。そのドアを外から鬼のようにドタドタ叩く音が聞こえる。
「まあこれで少しは大丈夫でしょ。さて、これからどうするか。」
「本当に冷静ですね若。なんかぶれないっていうかそんな感じっす。」
いや薫もだけどね。
「あー。じゃあ整理するよ。学校にも他にも人影もなし。学校にて黒服に遭遇。そして今黒服に追われてる。以上。」
「そうっすね。で打開策は?」
「まず運営側に連絡。つまり、じいちゃんに連絡かな。直通電話があるから。今かけてみるよ。」
ボタンを押す前に着信音がなる。
それはまさに今かけようと思ったじいちゃんからの電話だった。
すかさず通話ボタンを押す。
「あーもすもす。ワシワシ。ワシじゃよ。」
「新手のワシワシ詐欺ですか?」
「どういう詐欺じゃ?譲元気か?」
「んー今は元気かな?じいちゃんは?」
「ワシも元気ビンビン丸じゃ!」
「最後意味がわからないよじい。」
「あ!そうだそうだ。それだけで電話したんじゃなかったわい。譲今北海道じゃろ?イクラとウニといかが食べたいんじゃ。お土産に送ってくれんかの?」
じいちゃん何いってるんだろう?
「じいちゃん何言ってるの?今自分の部屋にいるんだけど。」
「ん?ホテルのか?」
「いや学園の。」
「あれーー?学園都市全校で社会科見学じゃないのか?昨日の夜から今日の夜まで。」
「……。なんで?」
「なんでって。学園都市のシステムアップデートと防衛強化の為黒服たちの合同訓練と聞いておるが?」
「じいちゃん。まさに今その黒服たちに追われてるんだけど。」
「………。あ!?ごめん譲。譲と薫ちゃんの携帯端末特注で一般の人のメール送ってなかった。こっちの不手際じゃな。ごめんちゃい!てへっぺろ。」
「まあ帰ったら半殺しっすね。」
「まあまあ薫。じいちゃんもわざとじゃないんだから。」
「じゃあこれで解決だね。黒服に掛け合ってくれる?」
「それが。黒服を委託してるのはうちの管轄じゃなくて魏創学園が仕切ってるんじゃよ。」
「じゃあ魏創に問い合わせすればいいんじゃないっすか?」
薫の意見も最もだ。
「いやそれがじゃな…一応学園の理事長とは知り合いなんじゃが…その…なぁ…」
じいちゃんが渋るなんて珍しいな。
「なんか訳でもあるの?」
「実は昔から知り合いというか切磋琢磨してきた友達のような関係なのじゃが、あっちはそう思ってないらしい。」
「というと?憎まれてるの?」
「…いや。逆に好かれすぎて困っておる。いまだにワシと結婚したいとか言い出す。ちょっと目が曇ってるんじゃよ。」
まあじいちゃんも年老いたとは言っても見た目40代くらいに見えるし。
いやそんな見た目とか関係ないのか?
でもばあちゃんが黙ってないだろうな。
「それで今回助けたらそれを使ってなんかされそうだね。」
「さすがわが孫。そうなんじゃよ。絶対ヤられる。なので今回は手伝ってやれなさそうじゃ。すまんの。」
「仕方ないよ。今回は自分でなんとかしてみるよ。」
「うちの学園長。潤子ちゃんが帰ってきたら大丈夫じゃと思うぞ。昼過ぎには戻ると言っておった。薫君にお土産を買うと張り切ってたから間違いなく薫君のところに行くはずじゃ。」
「えー母さんのお土産っすか。またどうしようもないものっすよ。この前なんかフリフリの冥土服送ってきましたからね。」
あ、薫 が遠い目をしてる。
「じゃあ数時間何とかすればいいんだね?わかったよ。じいちゃんありがとう。」
こうしている間にもドアがミシミシと音を立てて壊れそうだった。
「じゃあまた連絡するね。バイバイ。」
「またの!」
じいちゃんとの会話が終わり受話器をそっと置いた。
「そろそろやばそうっすよ!」
薫の顔が青ざめてる。
じゃああと数時間鬼ごっこをがんばろうかな。
ma-skを脱ぎ運搬用のアタッシュケースに入れ薫に差し出す。
「ふーっ。薫これ持ってて。」
「なんでma-skをしまうんすか?でもまあ了解っす。でこれからどうやって逃げますか?」
「ドアは塞がってるからね。取り敢えず戦闘は避けたいから薫ごめんね。」
そう言って薫を抱き抱える。お姫様抱っこっていうのかな。
「@&=^^=?^????!~わわわわ若!!?何を?」
「しっかりつかまっててね。ちょっと本気出す。黒服さんたちにもいい練習になるんじゃない?」
「どういうことっすか?」
上目遣いで薫が見ている。
「みんなにお寝んねしてもらうのさ。」
そう言ってうちの秘書にウィンクをした。
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いつも読んでいただきありがとうございます。
毎週更新できるように頑張ります。応援よろしくお願いいたします。
風を切るように二人は走っていた。こんなに走ったのは久しぶりだ。
昔は二人で楽しくかけっこなどしたもんだ。
でも今は状況が違う。
黒服の怪しい人達に追われているのだ。
「なんで追われてるんだろうね薫君。」
素朴な疑問を問いかけたくなる。
「いやいやいやいや!洒落にならないっすよ!!!なんでこうなるの!?」
薫はちょっとパニック気味だ。
無理もないこんなことはじめてなんだから。
「でも何事も冷静になって取り組まないとミスすると言ってるでしょ?」
「そうは言っても!!」
「取り敢えず家につきそうだそこで考えようか。」
家のドアをあけ飛び込みカギを閉めた。そのドアを外から鬼のようにドタドタ叩く音が聞こえる。
「まあこれで少しは大丈夫でしょ。さて、これからどうするか。」
「本当に冷静ですね若。なんかぶれないっていうかそんな感じっす。」
いや薫もだけどね。
「あー。じゃあ整理するよ。学校にも他にも人影もなし。学校にて黒服に遭遇。そして今黒服に追われてる。以上。」
「そうっすね。で打開策は?」
「まず運営側に連絡。つまり、じいちゃんに連絡かな。直通電話があるから。今かけてみるよ。」
ボタンを押す前に着信音がなる。
それはまさに今かけようと思ったじいちゃんからの電話だった。
すかさず通話ボタンを押す。
「あーもすもす。ワシワシ。ワシじゃよ。」
「新手のワシワシ詐欺ですか?」
「どういう詐欺じゃ?譲元気か?」
「んー今は元気かな?じいちゃんは?」
「ワシも元気ビンビン丸じゃ!」
「最後意味がわからないよじい。」
「あ!そうだそうだ。それだけで電話したんじゃなかったわい。譲今北海道じゃろ?イクラとウニといかが食べたいんじゃ。お土産に送ってくれんかの?」
じいちゃん何いってるんだろう?
「じいちゃん何言ってるの?今自分の部屋にいるんだけど。」
「ん?ホテルのか?」
「いや学園の。」
「あれーー?学園都市全校で社会科見学じゃないのか?昨日の夜から今日の夜まで。」
「……。なんで?」
「なんでって。学園都市のシステムアップデートと防衛強化の為黒服たちの合同訓練と聞いておるが?」
「じいちゃん。まさに今その黒服たちに追われてるんだけど。」
「………。あ!?ごめん譲。譲と薫ちゃんの携帯端末特注で一般の人のメール送ってなかった。こっちの不手際じゃな。ごめんちゃい!てへっぺろ。」
「まあ帰ったら半殺しっすね。」
「まあまあ薫。じいちゃんもわざとじゃないんだから。」
「じゃあこれで解決だね。黒服に掛け合ってくれる?」
「それが。黒服を委託してるのはうちの管轄じゃなくて魏創学園が仕切ってるんじゃよ。」
「じゃあ魏創に問い合わせすればいいんじゃないっすか?」
薫の意見も最もだ。
「いやそれがじゃな…一応学園の理事長とは知り合いなんじゃが…その…なぁ…」
じいちゃんが渋るなんて珍しいな。
「なんか訳でもあるの?」
「実は昔から知り合いというか切磋琢磨してきた友達のような関係なのじゃが、あっちはそう思ってないらしい。」
「というと?憎まれてるの?」
「…いや。逆に好かれすぎて困っておる。いまだにワシと結婚したいとか言い出す。ちょっと目が曇ってるんじゃよ。」
まあじいちゃんも年老いたとは言っても見た目40代くらいに見えるし。
いやそんな見た目とか関係ないのか?
でもばあちゃんが黙ってないだろうな。
「それで今回助けたらそれを使ってなんかされそうだね。」
「さすがわが孫。そうなんじゃよ。絶対ヤられる。なので今回は手伝ってやれなさそうじゃ。すまんの。」
「仕方ないよ。今回は自分でなんとかしてみるよ。」
「うちの学園長。潤子ちゃんが帰ってきたら大丈夫じゃと思うぞ。昼過ぎには戻ると言っておった。薫君にお土産を買うと張り切ってたから間違いなく薫君のところに行くはずじゃ。」
「えー母さんのお土産っすか。またどうしようもないものっすよ。この前なんかフリフリの冥土服送ってきましたからね。」
あ、薫 が遠い目をしてる。
「じゃあ数時間何とかすればいいんだね?わかったよ。じいちゃんありがとう。」
こうしている間にもドアがミシミシと音を立てて壊れそうだった。
「じゃあまた連絡するね。バイバイ。」
「またの!」
じいちゃんとの会話が終わり受話器をそっと置いた。
「そろそろやばそうっすよ!」
薫の顔が青ざめてる。
じゃああと数時間鬼ごっこをがんばろうかな。
ma-skを脱ぎ運搬用のアタッシュケースに入れ薫に差し出す。
「ふーっ。薫これ持ってて。」
「なんでma-skをしまうんすか?でもまあ了解っす。でこれからどうやって逃げますか?」
「ドアは塞がってるからね。取り敢えず戦闘は避けたいから薫ごめんね。」
そう言って薫を抱き抱える。お姫様抱っこっていうのかな。
「@&=^^=?^????!~わわわわ若!!?何を?」
「しっかりつかまっててね。ちょっと本気出す。黒服さんたちにもいい練習になるんじゃない?」
「どういうことっすか?」
上目遣いで薫が見ている。
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