連合艦隊司令長官、井上成美

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最終決戦

福留艦隊

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日米による航空戦が行われていたころ、福留は硫黄島に向かっていた。
「空母部隊が攻撃を受けているようです」
参謀長の三和義勇少将の報告にひとまず福留は胸をなでおろす。
「当初の計画通りになっているようだな」
福留が指揮するのは硫黄島に上陸しているアメリカ軍やそれを護衛する艦隊戦力を攻撃する殴り込み部隊であった。


福留艦隊
司令:福留繁中将
参謀長:三和義勇少将
旗艦:大和
戦艦:大和、長門、陸奥、扶桑、山城、伊勢、日向
重巡:妙高、足柄、那智、羽黒
軽巡:川内、神通、那珂、北上、大井、球磨、多摩、阿武隈
駆逐:吹雪型12隻
第2駆潜艇隊、第67駆潜艇隊


福留艦隊の上空には小笠原から遠路はるばる飛んできた零戦が50機直掩に付いていた。
また4隻の航空戦艦の瑞雲も30機づつ交代で直掩に付いていた。
「そろそろ日が沈むな」
福留は日が沈んでいくのを見ていた。
「夜間の内に出来るだけ硫黄島に近づけることができればいいのですが」
「あぁ」


もともと殴り込み部隊は古賀が率いることになっていた。
だが直掩の零戦や瑞雲隊との連携を考えると根っからの砲術屋である古賀は不適だった。
そこで多少航空戦に精通している福留に白羽の矢が立ったのだ。
当初、福留はこの役割を固辞しようとしたが古賀が強く推薦したのだ。
古賀自身、体力の衰えを感じており福留を自分の後継者にと考えていた。


日が沈みあたりには明るいものは無い。
福留艦隊は順調に硫黄島に向かっていたが、大和の電探に反応が出た。
「おそらく敵艦です。攻撃しましょう」
三和の進言に福留も頷き全艦に攻撃を命令した。


「司令、レーダーに艦影が映っています」
護衛空母2隻を率いる司令はこれが日本艦隊と思わず、輸送船団か何かだと思っていた。
普通は報告があるはずだが日本軍による航空攻撃により撃沈される可能性があった。
よって無線封止を行っていると思われた。
現に自分たちも硫黄島に無線封止で近づいている
だがそんな予想は遠方でちかちかと光ったかと思うと1隻の護衛空母は大爆発を起こした。


「電探にもこのような使い方があったのだな」
福留は初弾から命中させたことに感心した。
「これで夜間でも砲撃もかなりの命中率をたたき出せるようになります」
三和は自信を持って言った。
「そうだな」
福留は短く答えて第二斉射が行われるのを眺めていた。


この夜戦はわずか30分で終了した。
結果は言わずもがなである。
だがアメリカ軍の司令は最期に太平洋艦隊に”敵艦発見”の報を入れていた
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