王族の子【4】~古き血族の少年の物語

藤雪花(ふじゆきはな)

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バラモン王都国立学校

7、逢瀬

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約束の一週間が来ていた。

(ムハンマドは、、?)

リリアスはムハンマドがいつきてくれるのか、朝から気が気ではない。

昼過ぎに、理事長室に呼ばれていくと、きっちりとバラモン略礼装に身を包む精悍で端正なムハンマド王弟がいた。
迫力のある雰囲気は際立っている。
リリアスは親衛隊に似た学生服に後ろで黒髪を束ねている。
嬉しさで飛び付きそうになって、自分の立場を思い出す。白髪の理事長も同席している。

「お、お久しぶりです。王弟さまには益々ご健勝のことと、、」

はははっとムハンマドは遮った。

「挨拶は不要だ。今日はあなたに渡すものもあったから。
あなたの部屋に案内してほしい。そちらで話を聞こう」


リリアスはムハンマドを連れて、校内を渡る。
準礼装の王弟の校内出現に、学生たちが色めき立つ。
羨望と嫉妬と好奇心の入り交じった視線に、リリアスはまた平気ではいられなくなる。

「いつも学校はうるさいな」

彼は持ってきた籠らしきものをテーブルに置き、自分の部屋のようにベットに腰かけた。

(あなたが来たときだけだよ!)
と心の中でいう。
お茶を出そうか迷っていると、
「リリアス、、」
と、ベットの横に来るのを促される。

久々なためなのか、友人のアルマンたちがムハンマド信奉者だからか、自分のプライベート空間なためなのか、自分の部屋にムハンマドと二人きりなのが、緊張する。

「さっそく停学3日の話を聞きたいが、、」
と横に腰かけたリリアスの顔を覗きこむ。
リリアスはムハンマドの目に切実な欲望の光を見た。

「あなたの学生服姿にはそそられる」
ジャケットを脱がすと、晒しに目をやった。晒しの胸に手を置いた。

「こんなもの着けているのか!」

「胸が心配なので、、」

ムハンマドは、リリアスのズボンを下ろした。
「では男姿のあなたには、男として扱おう」
あらがう間を与えずムハンマドはリリアスのそれを咥えた。

とたん、悩ましいため息がリリアスから漏れる。
尻に片手が回される。
後ろのすぼんだ口は、溢れだしたリリアスの愛液と唾液を塗り込められ、指を入れられる。
丁寧に抜差しされ、解されていく。
一本、二本、と足されていく。

「すでに騎士を得たのだそうだな」

「彼らが勝手に、、。あなたにも騎士はいたの?」

「バラーが一番に言ってきた。初日だった。この記録は抜かされてはいまい?
3日のあなたが次かもしれないな、、いれるぞ、力を抜いて、、」

ムハンマドは先走る自分の雄を解れたそこにゆっくりと押し込んでいく。
奥まで少し強引に咥えこませるとリリアスの内側が自分のかたちに馴染むまでゆっくりと揺すりながら待つ。

(ああ、、)

リリアスの目尻から涙が伝う。

(辛いか)

ムハンマドはその穏やかな快楽を求める動きを緩めながらも、止めることはできない。

(あなたの苦しそうな姿も愛しくてしょうがないのだ)

ムハンマドは、リリアスの手をリリアスのそこに導き、一緒に上から握りこんだ。

「あ、やだ、、」

体を起こして接合部分とリリアスを眺めながら、握る手に強弱をつけて上下させる。
リリアスの内側の変化を感じとり、絞り上げるリズムを抽挿にあわせると、リリアスはたちまちかけ上がった。

「もっとこらえて、わたしを楽しませてくれ!」

(ごめっっ)
と責めつつも、何度も激しくリリアスの奥を突き上げて、ムハンマドも一気に果てた。



「わたしはあなたが愛しくてたまらない」

リリアスは胸の晒しもとり、ムハンマドにしがみつくように眠っていた。
もうとっくに面会時間を過ぎている。
日も落ちて、夕食の時間だろう。
ムハンマドも帰らなくてはならなかった。
リリアスをそのまま残してシャワーを浴び身支度を整える。

「また来週。しっかりとな」

ムハンマドは安心していた。
リリアスが泣いて帰りたいといえば、このまま連れ帰るつもりだった。

部屋をでると、学生の一人が扉横に背を向けて座っていた。
ムハンマドがでてくると、すっと立ちあがり若者独特の挑戦的な目を向けてくる。
まるで自分を守るバラーのようだ、と思った。

「君は、、」

「ムハンマド殿下。お初にお目にかかります。
ご活躍は常々お伺いして、大変尊敬しております。ご挨拶ができて光栄です。
わたしは、アルマン ニコライです。友人のリリアスと夕食をと思いましたが、お取り込み中のようでしたので、待たせていただきました」

おだやかな口調とは裏腹に、ムハンマドに真っ直ぐにいどみかかるものをその眼は突きつけていた。

を守ってくれている騎士だな。このままリリアスを守ってくれ。学校はある意味危険だから」

ぎりっとアルマンは奥歯を噛み締める。
以前なら、飛び上がるぐらい嬉しかったであろう、憧れの王弟からのお声掛けである。

でも今はなぜか悔しさを感じた。
王弟の全身から滲み出る、大人の余裕が気に入らなかった。
まだ、自分は何者でもない。
だが、リリアスが学生でいる限り時間はアルマンが優位にあるはずだった。



リリアスは扉をたたく音に目が覚めた。
ムハンマドは残り香を残していってしまっていた。
残されるものの寂しさを感じる。

「リリアス、起きろ。夕食を食いっぱぐれるぞ!」

「ごめん、直ぐに支度する!」

机の上には布を被らせたムハンマドの置き土産があった。
布を取ると、白い小鳥の籠だった。


何かあったら足に手紙を着けて飛ばしてくれ。
あなたとわたしの伝書用の小鳥だ。
ムハンマド


先ほどの寂しさがぶっ飛んだのだった。
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