25 / 39
パリスの第一王子
24、運命の足音
しおりを挟む
リリアスはびっくりして、カルを見た。既にヤル気満々で、上着を脱いでいた。
意外と丁寧に鍛えられた感じの体だった。
「何か、余っている上着とベルトを借りれないかな?」
「だめですよ、怪我でもしたら案内した私が怒られてしまいます!」
見学者が飛び入りで体術勝負を挑む気配に、学生たちはすぐに気がついた。
誰かの予備が渡される。
こういうことは、学生たちは大好きだった。
自信のある大人を正々堂々と負かす喜びだ。もちろん節度を守ってのものだったが。
「わたしでよろしいでしょうか?」
トムが名乗りをあげる。
リリアスはトムなら加減を忘れないから大丈夫だと思う。東の国のカルがどこまでできるかわからないが、毎日鍛練しているトムの方が強いはずだった。
練習を止めて、急遽始まった試合に人が集まってくる。
カルにはよい師匠がついているのだろう、非常に良い勝負をする。
次第にトムに焦りの色が見えてきた。
ダン!と足を掛けられ、トムは背中を地面に落とされた。
「一本!」
どよめきが上がる。
まさかトムが敗れるとは思ってもみなかったからだ。
「次のお相手は誰が?」
カルの息は上がっていない。
強敵とわかって皆が譲り合っている。
その後二人と勝負し、圧倒的な強さで一本を決めていく。
「強いぞ!この金髪!」
「お次は?」
ようやく呼吸が乱れてきた。
カルに勝つなら今だった。
「ではわたしが」
リリアスは前にでた。
「やめとけよ、俺がやる」
アルマンが制止するが、リリアスは見ているうちにスイッチがはいってしまっていた。アルマンは渋々、彼の予備の上着を貸す。
「君がするの?まさか!」
細身の女のようなリリアスが名乗りをあげたのに驚く。
さらに、集まった学生たちは真剣に止めようとしない。
この若者は見た目によらず、強いのかも知れなかった。
「僕のは競技よりというよりも、実戦より。綺麗な形ではカルさんには勝てない気がしたので、わたしと勝負です」
「いや、でも、、、」
カルは女のようなリリアスと向かい合った。リリアスが学生たちより強いとは思えなかった。
注目を浴びるなか、カルとリリアスの勝負が始まった。
(この人は正統派だ。早く軽い綺麗な技を決める)
リリアスは間合いをとる。
先に仕掛けたのはリリアスだ。
軽く襟をとる。
弾かれるが、何度か試みようとする振りをする。
そこから、構えのない蹴りをいれる。
カルは前腕でしのいだ。
もう一度、同じ位置に同じものをいれる。
今度は押し返されるので、その力を利用して反対回りの高さのある蹴りをいれる。
すかされた。両足をついたところで、カルはリリアスの襟をとった。
リリアスも同じ側の襟を掴む。
今後はカルがぐいっと襟をゆすった。
たまらず、襟を握る手が離れる。
襟とベルトを取られたと思った瞬間、蹴りあげられ宙を跳ぶ。
背中を着くと勝負が決まる。
リリアスは蹴りあげられたときに体をひねり、襟とベルトを掴む手から逃れる。
蹴りの勢いで飛ばされるのをほんの少し風を使って浮かせ、くるっと一回転し手と片膝を立てて着地する。
カルはリリアスが立ち上がるのを待った。
もう一度、襟を掴む。
今度は足をかけるが、リリアスは軽やかにかわす。
リリアスには筋肉の緊張を見てとり、一瞬先の仕掛けがわかるのだ。
次のを狙って、カルをすかし、さらに、すかした先へ押し込む。
カルはバランスを崩して辛うじて横倒しになる。
そこをリリアスは押さえ込んで、体重でカルの背中を地面に押し付けようとする。
「おお~!」
なんとなく、うらやましげなどよめきがあがる。
カルはリリアスから逃れようとするが、リリアスは逃さない。
とうとう、カルが根負けし背中が土につく。
「一本!」
リリアスの勝利だった。
カルを解放し、手をつかんで起こすと、カルはキラキラした青い目でリリアスを見ていた。
青い目に星が煌めいていた。
「強いね!」
勝負の顔から、顔は赤く興奮はしているが、はじめの優しい笑顔に戻っている。
リリアスに負けたのに、悔しさを現さない、非常に潔い紳士的な態度だ。
リリアスは不意に気がついた。
金茶の髪、星の散らばる青い目。
彼は、パリスの王子ルージュに大変良く似ていた。ルージュの少し傲慢なところは、彼には見えない。
雰囲気がまるで違うので、わからなかったのだ。
カルは呆然と立ち尽くすリリアスの上着の砂を払い、自分のも払う。
リリアスにはつい、構ってしまいたくなるのはこの濃い金茶の訪問者にとっても同じようだった。
「無茶を聞いてくれてありがとう!」
カルは勝負服を返して、丁寧にお礼をいう。
健闘を讃えた大きな拍手がカルに贈られる。
照れもせず、嬉しげにカルは手を振る。
非常に讃えられることに慣れている感じだった。
カルはリリアスの肩をとって、体術の場から連れ出した。
木陰の道に入る。
客人の宿舎へ二人の足は向いていた。
「すごく楽しい時間だった!君と勝負して負けるなんて思いもしなかったよ!」
リリアスの顔を覗きこむようにして、みた。
「この学校は有力貴族の息子や子女が通って、将来の伴侶や士官先を決めるというけれど、君はあと取りだったりするの?」
リリアスは吸っても吸っても酸素が取り入れられないような苦しさを感じた。
「私の国にこない?私の国は砂漠の国と違って水の国。運河の流れる雅な国だ。
きっと気に入る」
少し遠い目をしていた。そのまま、リリアスを重ねて見る。
とうとう、男は言った。
「わたしは、パリス国の第一王子カルサイト。君を連れて帰りたい。卒業まで待ってもいいが、、」
リリアスは断らなければならない、と思った。
こういうリクルートもよく行われることではあり、誰がどこに誘われたなどリリアスもよく聞いている。
しかし声がでない。
古き失われた王国と侵略者パリス国の間でかわされた、代替りの度に行われてきた約定ーー。
パリスが樹海を守る代わりに、樹海の民はいにしえの宝をパリスの次期王に引き渡す。
2年前のあの日、輝石とリリアスは、次期パリスの王に引き渡された。
次期パリスの王候補は二人いる。
あの日訪れた、樹海の掠奪者第二王子ルージュ。
そして、第一王子カルサイト。
(約定は輝石で釣りあっている。僕は自由な人だ!)
そうは思っても、忘れた頃に夜の夢に現れるパリスの第二王子。
繋りは完全に断ち切れていない。
いずれ、はっきりさせないと、という思いはあったが、今ではないと思ってやり過ごしてきた。
リリアスは運命の足音がすぐ後ろに迫っているのを感じた。
意外と丁寧に鍛えられた感じの体だった。
「何か、余っている上着とベルトを借りれないかな?」
「だめですよ、怪我でもしたら案内した私が怒られてしまいます!」
見学者が飛び入りで体術勝負を挑む気配に、学生たちはすぐに気がついた。
誰かの予備が渡される。
こういうことは、学生たちは大好きだった。
自信のある大人を正々堂々と負かす喜びだ。もちろん節度を守ってのものだったが。
「わたしでよろしいでしょうか?」
トムが名乗りをあげる。
リリアスはトムなら加減を忘れないから大丈夫だと思う。東の国のカルがどこまでできるかわからないが、毎日鍛練しているトムの方が強いはずだった。
練習を止めて、急遽始まった試合に人が集まってくる。
カルにはよい師匠がついているのだろう、非常に良い勝負をする。
次第にトムに焦りの色が見えてきた。
ダン!と足を掛けられ、トムは背中を地面に落とされた。
「一本!」
どよめきが上がる。
まさかトムが敗れるとは思ってもみなかったからだ。
「次のお相手は誰が?」
カルの息は上がっていない。
強敵とわかって皆が譲り合っている。
その後二人と勝負し、圧倒的な強さで一本を決めていく。
「強いぞ!この金髪!」
「お次は?」
ようやく呼吸が乱れてきた。
カルに勝つなら今だった。
「ではわたしが」
リリアスは前にでた。
「やめとけよ、俺がやる」
アルマンが制止するが、リリアスは見ているうちにスイッチがはいってしまっていた。アルマンは渋々、彼の予備の上着を貸す。
「君がするの?まさか!」
細身の女のようなリリアスが名乗りをあげたのに驚く。
さらに、集まった学生たちは真剣に止めようとしない。
この若者は見た目によらず、強いのかも知れなかった。
「僕のは競技よりというよりも、実戦より。綺麗な形ではカルさんには勝てない気がしたので、わたしと勝負です」
「いや、でも、、、」
カルは女のようなリリアスと向かい合った。リリアスが学生たちより強いとは思えなかった。
注目を浴びるなか、カルとリリアスの勝負が始まった。
(この人は正統派だ。早く軽い綺麗な技を決める)
リリアスは間合いをとる。
先に仕掛けたのはリリアスだ。
軽く襟をとる。
弾かれるが、何度か試みようとする振りをする。
そこから、構えのない蹴りをいれる。
カルは前腕でしのいだ。
もう一度、同じ位置に同じものをいれる。
今度は押し返されるので、その力を利用して反対回りの高さのある蹴りをいれる。
すかされた。両足をついたところで、カルはリリアスの襟をとった。
リリアスも同じ側の襟を掴む。
今後はカルがぐいっと襟をゆすった。
たまらず、襟を握る手が離れる。
襟とベルトを取られたと思った瞬間、蹴りあげられ宙を跳ぶ。
背中を着くと勝負が決まる。
リリアスは蹴りあげられたときに体をひねり、襟とベルトを掴む手から逃れる。
蹴りの勢いで飛ばされるのをほんの少し風を使って浮かせ、くるっと一回転し手と片膝を立てて着地する。
カルはリリアスが立ち上がるのを待った。
もう一度、襟を掴む。
今度は足をかけるが、リリアスは軽やかにかわす。
リリアスには筋肉の緊張を見てとり、一瞬先の仕掛けがわかるのだ。
次のを狙って、カルをすかし、さらに、すかした先へ押し込む。
カルはバランスを崩して辛うじて横倒しになる。
そこをリリアスは押さえ込んで、体重でカルの背中を地面に押し付けようとする。
「おお~!」
なんとなく、うらやましげなどよめきがあがる。
カルはリリアスから逃れようとするが、リリアスは逃さない。
とうとう、カルが根負けし背中が土につく。
「一本!」
リリアスの勝利だった。
カルを解放し、手をつかんで起こすと、カルはキラキラした青い目でリリアスを見ていた。
青い目に星が煌めいていた。
「強いね!」
勝負の顔から、顔は赤く興奮はしているが、はじめの優しい笑顔に戻っている。
リリアスに負けたのに、悔しさを現さない、非常に潔い紳士的な態度だ。
リリアスは不意に気がついた。
金茶の髪、星の散らばる青い目。
彼は、パリスの王子ルージュに大変良く似ていた。ルージュの少し傲慢なところは、彼には見えない。
雰囲気がまるで違うので、わからなかったのだ。
カルは呆然と立ち尽くすリリアスの上着の砂を払い、自分のも払う。
リリアスにはつい、構ってしまいたくなるのはこの濃い金茶の訪問者にとっても同じようだった。
「無茶を聞いてくれてありがとう!」
カルは勝負服を返して、丁寧にお礼をいう。
健闘を讃えた大きな拍手がカルに贈られる。
照れもせず、嬉しげにカルは手を振る。
非常に讃えられることに慣れている感じだった。
カルはリリアスの肩をとって、体術の場から連れ出した。
木陰の道に入る。
客人の宿舎へ二人の足は向いていた。
「すごく楽しい時間だった!君と勝負して負けるなんて思いもしなかったよ!」
リリアスの顔を覗きこむようにして、みた。
「この学校は有力貴族の息子や子女が通って、将来の伴侶や士官先を決めるというけれど、君はあと取りだったりするの?」
リリアスは吸っても吸っても酸素が取り入れられないような苦しさを感じた。
「私の国にこない?私の国は砂漠の国と違って水の国。運河の流れる雅な国だ。
きっと気に入る」
少し遠い目をしていた。そのまま、リリアスを重ねて見る。
とうとう、男は言った。
「わたしは、パリス国の第一王子カルサイト。君を連れて帰りたい。卒業まで待ってもいいが、、」
リリアスは断らなければならない、と思った。
こういうリクルートもよく行われることではあり、誰がどこに誘われたなどリリアスもよく聞いている。
しかし声がでない。
古き失われた王国と侵略者パリス国の間でかわされた、代替りの度に行われてきた約定ーー。
パリスが樹海を守る代わりに、樹海の民はいにしえの宝をパリスの次期王に引き渡す。
2年前のあの日、輝石とリリアスは、次期パリスの王に引き渡された。
次期パリスの王候補は二人いる。
あの日訪れた、樹海の掠奪者第二王子ルージュ。
そして、第一王子カルサイト。
(約定は輝石で釣りあっている。僕は自由な人だ!)
そうは思っても、忘れた頃に夜の夢に現れるパリスの第二王子。
繋りは完全に断ち切れていない。
いずれ、はっきりさせないと、という思いはあったが、今ではないと思ってやり過ごしてきた。
リリアスは運命の足音がすぐ後ろに迫っているのを感じた。
1
あなたにおすすめの小説
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
異世界にやってきたら氷の宰相様が毎日お手製の弁当を持たせてくれる
七瀬京
BL
異世界に召喚された大学生ルイは、この世界を救う「巫覡」として、力を失った宝珠を癒やす役目を与えられる。
だが、異界の食べ物を受けつけない身体に苦しみ、倒れてしまう。
そんな彼を救ったのは、“氷の宰相”と呼ばれる美貌の男・ルースア。
唯一ルイが食べられるのは、彼の手で作られた料理だけ――。
優しさに触れるたび、ルイの胸に芽生える感情は“感謝”か、それとも“恋”か。
穏やかな日々の中で、ふたりの距離は静かに溶け合っていく。
――心と身体を癒やす、年の差主従ファンタジーBL。
冤罪で追放された王子は最果ての地で美貌の公爵に愛し尽くされる 凍てついた薔薇は恋に溶かされる
尾高志咲/しさ
BL
旧題:凍てついた薔薇は恋に溶かされる
🌟2025年11月アンダルシュノベルズより刊行🌟
ロサーナ王国の病弱な第二王子アルベルトは、突然、無実の罪状を突きつけられて北の果ての離宮に追放された。王子を裏切ったのは幼い頃から大切に想う宮中伯筆頭ヴァンテル公爵だった。兄の王太子が亡くなり、世継ぎの身となってからは日々努力を重ねてきたのに。信頼していたものを全て失くし向かった先で待っていたのは……。
――どうしてそんなに優しく名を呼ぶのだろう。
お前に裏切られ廃嫡されて最北の離宮に閉じ込められた。
目に映るものは雪と氷と絶望だけ。もう二度と、誰も信じないと誓ったのに。
ただ一人、お前だけが私の心を凍らせ溶かしていく。
執着攻め×不憫受け
美形公爵×病弱王子
不憫展開からの溺愛ハピエン物語。
◎書籍掲載は、本編と本編後の四季の番外編:春『春の来訪者』です。
四季の番外編:夏以降及び小話は本サイトでお読みいただけます。
なお、※表示のある回はR18描写を含みます。
🌟第10回BL小説大賞にて奨励賞を頂戴しました。応援ありがとうございました。
🌟本作は旧Twitterの「フォロワーをイメージして同人誌のタイトルつける」タグで貴宮あすかさんがくださったタイトル『凍てついた薔薇は恋に溶かされる』から思いついて書いた物語です。ありがとうございました。
巻き戻りした悪役令息は最愛の人から離れて生きていく
藍沢真啓/庚あき
BL
11月にアンダルシュノベルズ様から出版されます!
婚約者ユリウスから断罪をされたアリステルは、ボロボロになった状態で廃教会で命を終えた……はずだった。
目覚めた時はユリウスと婚約したばかりの頃で、それならばとアリステルは自らユリウスと距離を置くことに決める。だが、なぜかユリウスはアリステルに構うようになり……
巻き戻りから人生をやり直す悪役令息の物語。
【感想のお返事について】
感想をくださりありがとうございます。
執筆を最優先させていただきますので、お返事についてはご容赦願います。
大切に読ませていただいてます。執筆の活力になっていますので、今後も感想いただければ幸いです。
他サイトでも公開中
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる