無頼・証券マン、哲二

ハリマオ65

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4話:商工会長のやさしさ2

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 その後、昼過ぎに松前さんが来て一緒に不動産屋に行こうと言われ、再び車で地元の不動産屋に言った。そして松前さんが近藤商店の近藤幸子さんが亡くなったので店を閉めて店舗と土地を売りたいと話してくれた。彼が息子さんだと言い戸籍謄本がいると言うと、そこを何とかうまくやってくれと言い事情を話した。

 困ったなと言ったが、ここなら買い手がつくだろうから大丈夫だと思うよと言った。でも、あまり高額では売れないかも知れないのは覚悟しておいてくれと言われたので、わかりましたと答えた。それではと言って数種類の書類に
書き込んでハンコを押して下さいと言われ書類を完成させて提出した。

 その後、買いたい人が見つかったら連絡しますと言ってくれた。その後、松前さんが、仕入れ先と取引先には電話しておいてやるから大丈夫だと言ってくれ、お礼を言った。翌日の葬儀の日には近所の顔なじみのおばさんとおじさんが10人来てくれ、在りし日の近藤幸子さんの話を懐かしそうに話してくれた。

 それにしても、あの小さかった子が立派な東大生になったと言うのに実の母はアメリカ人について行った何て、ひどいことをするんでしょうと言った。自宅での葬式の最後に小田哲二は、血縁関係もなく縁もゆかりない僕を大事
に育ててくれて近藤幸子さん本当のありがうとございましたと頭を下げる姿を見て参列者からはすすり泣きや嗚咽が聞こえた。

 そうして無事葬式が終了して、霊柩車で葬儀場に運ばれて焼かれて、その後、商工会長の松前さんの計らいで近くのお寺の墓地に戒名をつけてもらい、ともらうことができた。葬儀が全部終了したときに小田哲二は商工会長の松前さんに深々と頭を下げてお礼を言った。別れ際に、松前さんが、これから1人で新しい家庭を築け、結婚式には招待しろよと、肩をたたいてくれた。

 そうして1971年12月20日に葬儀が多くの人達の協力で全て無事終了した。そのまま店に戻ると売り場の菓子類が全部、納入業者に寄って撤去されて広々とした空間が現れた。そして店が売れるまで、ここに近藤幸子さんの遺影を飾って生活することを決めた。

 その後3月27日に不動産屋から買い手がついたので見に行くと連絡があり遺影を片付けた。1時間後、不動産屋と購入希望者が来て店を見て意外に広いねと言いタンスと家具は処分してくれるよねと小田哲二に聞くと、ご希望なら、今日、明日中に片付けますというと、そうして下さいと言われたので、購入していただけるのでねと確認した。

 買うから言ってるんじゃないかと言われ承知しました。明日中には全部撤去しますと答えた。次に支払いは、いつになるのですかという聞くと3月28日と言うので、それなら3月27日までは、ここにいて良いのですねと笑いながら言うと、ずうずうしいねと言うので所有権が移動するのは支払いが終わった時になるので構わないですよねと不動産屋さんに聞くと、その通りですと言った。
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