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11話:スイスで住む家を探す2

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「昔、有名なホテルだったが、エレベータがないのが欠点だと言った」。
「里見敬之が、ズバリ、安普請のホテルで、歩くと床なりがするというと見る目あるなと笑った」。
「改修費が、高額になるねと言うと、それが欠点だと言った。ここは、無理と、里見敬之が答えた」。

「ここらで昼食にしようと言い繁華街で下ろしてくれ14時、また来てくれと言われ了解した」。
 食後、訪ねると、
「次の物件はと言いモントルーから少し離れブベーの町に入った」。
「少し山沿いの道を進むと広いエリアに今にも崩れそうなレンガ作りの大きな建物が目に入った」。

「ここは、50年前に、ある貴族が住んでいたが、その子孫たちがスイスを離れアメリカ、イギリスに渡り、そのままになっていて役所でも困っている建物だと言った」。
「壊すのに費用がいかるが土地の費用は格安」。
「解体費用が1千ポンド、木造なら5千ポンドから作れると言った」。

「敷地は、50メートル先までが全部で2千平米あると言った」。
「しかし、現在整地されているのは6百平米であり整地し売れれば大儲けできると言った」。
 そんな土地をなぜ地元の人が買わないかと聞いた。

「すると以前住んでいた貴族が、住民たちに。ひどい事をした」。
「そのため住民に嫌われていたので、」誰も買わない」。
「また、この不景気に大金を払う人はいないと言った」。
「だが、私は、ここを一番奨めたいなと言った」。
「戦争を終わる頃、小さめのホテルを建てるんだ」。

「景気が良くなれば世界中から、お客さんがやって来て大儲けできる」。
「その後、金ができたら少しずつ建て増していくのだ」。
「そうすると着実に大儲けできるはずだと話した」。
「その権利を手に入れた方が良いとぞと語った」。
「まーとにかく広い土地で見晴らしも良いと述べた」。

「話が終わると私が勧められる物件はこの3つだと話した」。
「1週間やるから、どこを買うか、買わないか連絡してくれと言われた」。
「その後、その不動産屋が、5人をホテルに送ってくれ、礼を言い別れた」。
「ホテルに戻り家長の里見敬之が、3番目のブベーの古屋付きの土地を買いたいと話した」。
「あの広い土地を整備し8室の部屋と3つの風呂、男女別のトイレを6つ作りたいと告げた」。
「そして景気が良くなればホテルを建設したいと語った」。

 この意見に対し特に異論はなく、里見一郎が、いつ頃、家を建てるのですかと聞いた。
「明日にでも土地の購入の手続きをし土地を整備し家を建てる事にすると宣言」。
 そして町で買ってきたパンとハムなどで夕食を食べて床に就いた。

「翌日、里見敬之と一郎が、不動産屋に行きブベーの古家付きの土地を購入すると告げた」。
「価格の見積もりを出してくれと言うと明日までに価格を調べて購入契約書を作ると話した」。
「しかし、里見は、スイスの人間でないから購入できない」。
「私、ダニエルの名義で土地を購入し君たちの誰かがスイス国籍を取った時、名義変更すると契約書に書いておくと言った」。

「里見敬之が、金は、すぐ払うから私達10人で住める家が欲しいと告げた」。
「するとダニエルのワイン農家の広い納屋を改修し使える様にすると言った」。
「石炭ストーブも倉庫に3つあるから冬場も大丈夫と話した」。
 数日後、三井物産の4人の里見家の若者達がスイスを出てイギリス、フランスへ仕事に行った。里見一家の6人が残り1924年5月を迎えた。そして土地の売買契約書にサインして購入を済ませ古家解体と整地を始めた。
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