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15話:加藤さんの恋人出現2

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「じゃー学校の春休みに電話して来ますと範子が言い切った」
「ちょっと照れくさいなと加藤さんが言うと竜二が俺も一度,会いたいなと話した」
「範子が、また電話してから来ますと言い帰った」
「3月20日土曜16時に、範子と竜二が、加藤さんの家を訪ねた」
「時間通りに加藤さんの家についてトラックの中で16時まで待った」

「16時に車外に出ると2人の女性が出て行くのが見えた」
「急いでノックをしてみると加藤さんが出て来て家に上がった」
「するとソファーに背の高いすらっとした色白の美人がいた」
「そして、始めまして矢島香苗とも申しますと挨拶をしてくれた」

「加藤さんが、2人に、紅茶と珈琲どっちにすると聞くので珈琲と答えた」
「今いれるから、みんなで、話していてと言われた」
「範子が、相模湖町に住んでると言い、今年4月で上智大学英文科の3年生になりますと語った」

「矢島香苗さんが、私は、中央大学英文科2年で4月から3年、同級生ねと言った」
「奇遇ね,同じ学部じゃないと言った。すると、じゃー今度、英語で話しませんかと言うと面白いわねと言い、すぐ意気投合した」
「次に竜二が挨拶して学歴はないが津久井の山菜、地元の川のやまめ、あゆ、キノコ、山菜をとって行商と、荷物配送をしてると言った」

「大変な仕事なさってるのねと驚いていた」
「加藤さんが珈琲を入れてきてビスケットも持ってきた」
「範子さんがビスケットを食べて珈琲を飲むと、おいしいと言った」

「その次に、範子さんが、私、音楽と洋画が、好きですと告げた」
「最近見た映画では卒業が一番良いと話すと香織さんも同感ですと言った」
「香織さんが卒業は映画だけではなくテーマ音楽も素晴らしいわと話した」

「次にサイモンとガーファンクルの音楽に話題が移った」
「音楽、そのものも良いが、詩も、また素晴らしい語った」
「香織さんが、卒業のテーマを歌うと、そのきれいな透き通る歌声に静まりかえった」

「歌い終わると範子さんが上手ね,まるで歌手見たいと言い発音も抜群と誉めた」
「すると話題はサイモンとガーファンクルの歌の話になり次々と香織さんが素晴らしい歌声を披露した」

「それを聞いた加藤さんが香織さんは英文科よりも音楽をやって方が良い位、歌が上手と褒めた」
「素人で上手というのは、いかに歌手と同じ様に、聞こえるか、だけれど、彼女は、違う」
「聞いてる人の心を揺さぶるだけの技量があると褒めちぎった、すると範子さんがニヤッと笑った」

「いつも冷静な分析をなさるインテリの加藤さんにしては珍しく熱い、お言葉ねと言った」
「さては香織さんの事、好きなんじゃないと言うと、赤くなるのを見て,やっぱりねと笑った」
「そんなに大人をからかうもんじゃないと笑いながら加藤さんが、まんざらでもない表情だった」

「すると、竜二が映画を見たとき聞いた歌より香織さんの歌の方が素敵だとポツリと言った」
「すると香織さんが、お二人は,お似合いのカップルですねと感想を述べた」
「範子が大学卒業したら結婚するつもりですと言い、今、同棲してますと言った」
「隣で竜二が、恥ずかしいから,ばらすなよと照れた」

「その様子を見て香織さんが、お似合いのカップルだわと言ってくれた」
「すると調子に乗って、範子さんが,香織さんに、あなた方も早く結婚したら良いのにと言った」
「香織さんの顔が少し曇り、私も結婚したいと思っているんです」

「でも、父は、相模湖町の旧家で代々,地元の工務店を経営して何人もの職人をたばねる頭領」
「昔気質で腕もないのに理屈をこねる奴が大嫌いで加藤さんの事を話せなくて困っているんですと打ち明けた」
「竜二が、加藤さんは、幾多の苦労を乗り越えた聡明な人で、単なる頭でっかちのインテリじゃないと断言した」

「もし良かったら、私も職人の端くれ、お父さんの説得に手を貸しますよと告げた」
「是非、お願いしますと言った」
「それを聞いていた範子が面白くなってきたと微笑んだ」
「この熱い議論を聞いて,そう焦らずに、じっくり説得しましょうと冷静に言った」
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