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29話:竜二、加藤夫妻の沖縄旅行

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 天気の良い日は家の近くを奥さんと2人で散歩するようになり、顔色も良くなって,食欲が出て来たと奥さんに聞かされた。それを聞き、竜二と奥さんは喜んだ。やがて2006年が終わり2007年を迎えた。

 加藤さんが、元気になったので沖縄に旅行へ行かないかと誘うと喜んで行きたいと言うので2月5日か3泊4日のパック旅行5万円で出かけた。朝8時に新横浜から羽田行きの高速バスで出かけ昼頃に那覇空港に着いた。

 沖縄アウトレットモール「あしびなー」行きの無料バスに乗って出かけ食事をしたがブランド衣料品ばかりで興味ないので少しして那覇空港へ戻り、ゆいレールというモノレールでおもろまちへ向かった。

 おもろまちを降りるとサンエー那覇メインプレイスというショッピングモールがあり珈琲や紅茶、お菓子、飲み物、ビールを買い込んだ。この地区は、大きな米軍基地の土地が返還され開発された場所。

 那覇のニュータウンと言った感じで広々としていた。15時、歩いて、すぐの指定されたホテルにチェックインして夕方まで部屋で休んだ。加藤さんはシャワーを浴びて仮眠をとった。その晩はモノレールに乗って県庁前まで行きリウボウ・デパートの9階のレストラン街で沖縄豚のトンカツを食べた。

 くせがなく甘味のある豚肉で旨かった。その後、夜8時に再びモノレールでおもろまちのホテルに帰り、雑談した後、床についた。翌朝、フロントで観光地の情報を聞くと、まず外せないのが首里城だと言われ、半日位で回れると教えられた。

 次にトマリンという那覇から離島行きのフェリーが出ている泊港の前のビルが面白いと教えられ、夕飯時がお勧めだと言われた。その他、第一牧志公設市場も珍しいものがあって、面白いといわれ、食べ物ではステーキが安くてボリュームがあって良いと教えられた。

 特に雰囲気が良いのは、ジャッキー・ステーキハウスかなと言った。最初にタクシーで首里城の入り口まで送ってもらった。首里城の場内を2時間位、周り11時頃に外に出て、タクシーでトマリンへ送ってもらい11時半頃に到着。

 2階の海の見える喫茶店が良さそうなので,ゆっくりと昼食を取っていると離島へ向かうフェリーの出発風景が見られて,とても良い雰囲気であり2時頃まで休んでタクシーでおもろまちのホテルに戻って部屋で一休みした。

 18時に再度フロントに集合しタクシーで第一牧志公設市場へ行った。市場の中に入ると昔懐かしい市場の雰囲気だったが、ちょっと性に合わなかった。 タクシーの運転手さんに、お勧めのジャッキーステーキハウスに送ってもらった。

 店に入ると平日にも関わらず15分程、待たされて、テーブルに着くと、昔の雰囲気で、テンダーロインステーキのSサイズとオリオンビールを頼んで、珍しいので、タコスも頼んで、4人で分けて食べた。肉は柔らかくて美味しかった。

 しかし、タコスにつけたソースが辛くて,それを食べるとビールを飲んだ。庶民の雑踏が感じられて、数十年前の食堂にタイムスリップしたような懐かしい感じ。そこで、料理を運んできた若者に2次会に面白い店はないかと聞くとケントス那覇が良いと教えられた。

 20時に店を出てタクシーに乗って、ケントスへ向かい10分ほどで到着した。店に入ると、ステージの雰囲気が、昔、懐かしい、1950から1960年代のアメリカンポップスの雰囲気に満ち溢れていた。

 女性ボーカリストが歌い、回りの2人の男性がエレキギターを演奏し懐かしのメロディーが流れ始めた。加藤さんが、おもわず懐かしいと叫んで、ショーを食い入るように見て可愛いポニーテイルのお嬢さんを眺めた。

 また、リーゼントでビシッと決めたお兄さん達とのショーを眺め、目を閉じて懐かしい曲に聞き入っていた。竜二も含め4人全員が素晴らしい夜を過ごすことが出来た。22時過ぎの2ステージも楽しんだ。

 そして、ボーイさんに何時までやってるのと聞くと午前2時前で終了ですと言われ信じられないと思わず口走った。そして精算するとセット料金で4人で1万円でお釣りが来たのにも驚き、金を支払った竜二が,思わず、安いと言った。
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