龍神様の住む村

世万江生紬

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おまけ

龍神様の住む村(おまけその玖)

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 兎ノ神がやってきた次の日、龍平は龍神様を屋敷の縁側に呼び出し、隣に座りました。

「どうしたぁ龍平。改まって話があるなどぉ。」

「...昨日兎ノ神様が来たんです。」

「アイツが?何か言われたのかぁ?」

「えぇ、龍神様と一緒にいて何になる、と。」

「あぁ...。言いそうだなぁ。」

龍神様は苦い声を出します。そして龍平に呼び出されたこの状況から、龍神が自分の元から離れたいという話だと察しました。龍神様は龍平のことを愛しています。だからこそ婚姻を結びたいし、一緒にいたい。でもそれが龍平が本気で嫌だというのなら、龍平のために身を引きます。それほど龍平を愛しているのです。

「龍平、私はお主が嫌だと申すなら...」

「理由がないと貴方と一緒にいてはいけませんか?」

龍神様の言葉を遮って龍平は言います。予想していなかった言葉に龍神様は一瞬驚きましたが、すぐに「そんなことはない」と答えます。龍平は龍神様のその言葉を聞いてから意を決したように話し出します。

「俺、兎ノ神様に言われて色々考えました。俺が龍神様と一緒にいて何が出来るのか、何の意味があるのか。でも答えなんて出ませんでした。俺が龍神様と一緒にいて出来ることなんてないし、意味なんてないんです。」

「龍平...。」

「でも!」

龍平はそう言うと龍神様の方を見て、龍神様の顔に触れます。自分の言葉をまっすぐに届けるために。

「俺はそれでもあなたと一緒にいたいです!貴方のそばにいられるなら嫁にでもなんでもなってやります!意味も理由もないけれど、ただ俺があなたと一緒にいたいってだけじゃダメですか!?」

龍平がそこまで言うと、龍神様が力強く龍平を抱きしめました。愛おしさと嬉しさが入り混じったような腕に、龍平もふりほどいたりしません。しばらく黙って抱きしめたかと思うと龍神様はゆっくりと口を開きました。

「ダメなわけがない...ダメなわけが無かろう...。ありがとう、龍平。」

「龍神様...。」

「だが私もお前の嫌がることはしたくないのだぁ。無理に嫁になる必要はないのだぞぉ。」

「え、いいんですか。じゃあ嫁にはなりません。」

「切り替えが早いぞ龍平ぃ!」

龍平はスパッと言い切ると、すぐに龍神様の腕から抜け出します。そしていつものように塩対応な言葉を吐きます。しかし、その顔はいつもと違い、まるで神様をからかう子どものような笑顔でした。好いた相手のそんな笑顔を見れば怒りなどわきません。龍神様もつられて笑顔になります。そして二人で改めて言うのです。

「「これからもよろしくお願いします。」」
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