10 / 38
第一章 千代
癒しの力
しおりを挟む
「難しい話は終わったー??」
夏休みの予定が決まったところで、母が部屋に戻ってきた。
いつの間にか、夕食の片付けをし風呂にも入ってきたらしい。
「お父さんか、千代どっちでも良いから次入っちゃってー」
「じゃ、俺は部屋戻るわ。ハイジも連れてくよ」
大樹がハイジを抱いて席を立つ。
「私、ゆっくり入りたいから、お父さん先入っちゃってー」
そう言ってダイニングからリビングに移動する。
「はぁー」
と、ため息をつくと
「お疲れ様」
母が炭酸水を入れたコップを差し出してくれた。
「ありがとう」
受け取り、一口飲む。
「まぁ、色々と大変な一日だったわね。何か切っ掛けがあって思い出したのかも知れないけど、言いたくなければ言わなくても良いし、言いたければ聞くわよ。」
あえて、そこを話さなかった事に気がついてくれていた。
「あー………まだ、整理ついてないし、話すほどの事でもないような気がするから」
「うん。良いよー」
ニコッと笑って隣に座ってくれる。
母のこういうところ大好き。
「あっ、そうだ!!そのまま座っててくれる?」
隣から立ち上がりソファの後ろに回り込んでへッドギアを外してマッサージを始める。
「なに?これ??触ってくれた所こら温かくなってく」
「えっ?熱い?」
ダメだったかな?さっき自分にやったみたいに肩に手をあて、血管に血が流れるようにイメージして、心のなかでヒールを唱える。
「ううん。気持ち良いよ。でも、千代疲れてるんじゃない?お母さんの肩こりはいつものことだから大丈夫だよ?」
気持ち良いみたい。良かった。
「魔法を使っても疲れた感じしないから、大丈夫だと思う。もうちょっとで終わるから、そのまま座ってて」
手を首筋に持っていき、その後は肩甲骨と背骨の間に手を動かした。
「終わり!!どう?」
そう、声をかけながらソファの前に動く。
「ありがとう!!すごく身体が軽い。こんなスッキリしたの何時ぶりかしら??」
そう、言いながら。私をハグしてくれた。
「ありがとう。千代………
本当はね、前世とか魔法とか、どうでも良いの………
それより、あなたが中学の時のように明るくなってくれたのが、嬉しい………」
声がくぐもる。
中学3年の時、トラブルに巻き込まれて、家族、親族、多くの人たちに迷惑をかけた。
そのせいで、私は外見も性格も暗くなってしまった。
その事を言葉や態度に示してないけど、沢山の心配をかけてしまっていたのだと再確認する。
「ありが」
「でも、この魔法はスゴいわ!!」
ありがとう。と、伝えようとするのを遮られ、顔を上げた母がニコッと笑う。
私から手を離すと、グルグル腕を回しながら。
「ちょっと、何これ!!すっごく部屋が明るく感じるんだけど。目にも何かした?」
あー、やっぱり私も思ったんだよね。明るいよね
「目には、特になにもしてないんだ。首や肩の血行が良くなって、頭に血が巡りやすくなったからかなー?なんて思うんだけど、どう?」
そう、頭は怖いから何もしていない。
でも、私も視野が明るくなって、頭がスッキリしてるから、血の巡りのおかげだと思うんだよね。
「なるほど。まぁ、なんにせよ、ありがとう。千代」
頭をグシャグシャに撫でてくれる。
「なに?お父さんもまぜてよ!」
父も風呂を出てきたので、
母は父に麦茶を入れてあげ、私はソファの座ってもらうように誘導した。
次は、父の番だ。
夏休みの予定が決まったところで、母が部屋に戻ってきた。
いつの間にか、夕食の片付けをし風呂にも入ってきたらしい。
「お父さんか、千代どっちでも良いから次入っちゃってー」
「じゃ、俺は部屋戻るわ。ハイジも連れてくよ」
大樹がハイジを抱いて席を立つ。
「私、ゆっくり入りたいから、お父さん先入っちゃってー」
そう言ってダイニングからリビングに移動する。
「はぁー」
と、ため息をつくと
「お疲れ様」
母が炭酸水を入れたコップを差し出してくれた。
「ありがとう」
受け取り、一口飲む。
「まぁ、色々と大変な一日だったわね。何か切っ掛けがあって思い出したのかも知れないけど、言いたくなければ言わなくても良いし、言いたければ聞くわよ。」
あえて、そこを話さなかった事に気がついてくれていた。
「あー………まだ、整理ついてないし、話すほどの事でもないような気がするから」
「うん。良いよー」
ニコッと笑って隣に座ってくれる。
母のこういうところ大好き。
「あっ、そうだ!!そのまま座っててくれる?」
隣から立ち上がりソファの後ろに回り込んでへッドギアを外してマッサージを始める。
「なに?これ??触ってくれた所こら温かくなってく」
「えっ?熱い?」
ダメだったかな?さっき自分にやったみたいに肩に手をあて、血管に血が流れるようにイメージして、心のなかでヒールを唱える。
「ううん。気持ち良いよ。でも、千代疲れてるんじゃない?お母さんの肩こりはいつものことだから大丈夫だよ?」
気持ち良いみたい。良かった。
「魔法を使っても疲れた感じしないから、大丈夫だと思う。もうちょっとで終わるから、そのまま座ってて」
手を首筋に持っていき、その後は肩甲骨と背骨の間に手を動かした。
「終わり!!どう?」
そう、声をかけながらソファの前に動く。
「ありがとう!!すごく身体が軽い。こんなスッキリしたの何時ぶりかしら??」
そう、言いながら。私をハグしてくれた。
「ありがとう。千代………
本当はね、前世とか魔法とか、どうでも良いの………
それより、あなたが中学の時のように明るくなってくれたのが、嬉しい………」
声がくぐもる。
中学3年の時、トラブルに巻き込まれて、家族、親族、多くの人たちに迷惑をかけた。
そのせいで、私は外見も性格も暗くなってしまった。
その事を言葉や態度に示してないけど、沢山の心配をかけてしまっていたのだと再確認する。
「ありが」
「でも、この魔法はスゴいわ!!」
ありがとう。と、伝えようとするのを遮られ、顔を上げた母がニコッと笑う。
私から手を離すと、グルグル腕を回しながら。
「ちょっと、何これ!!すっごく部屋が明るく感じるんだけど。目にも何かした?」
あー、やっぱり私も思ったんだよね。明るいよね
「目には、特になにもしてないんだ。首や肩の血行が良くなって、頭に血が巡りやすくなったからかなー?なんて思うんだけど、どう?」
そう、頭は怖いから何もしていない。
でも、私も視野が明るくなって、頭がスッキリしてるから、血の巡りのおかげだと思うんだよね。
「なるほど。まぁ、なんにせよ、ありがとう。千代」
頭をグシャグシャに撫でてくれる。
「なに?お父さんもまぜてよ!」
父も風呂を出てきたので、
母は父に麦茶を入れてあげ、私はソファの座ってもらうように誘導した。
次は、父の番だ。
0
あなたにおすすめの小説
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
【改稿版】夫が男色になってしまったので、愛人を探しに行ったら溺愛が待っていました
妄夢【ピッコマノベルズ連載中】
恋愛
外観は赤髪で派手で美人なアーシュレイ。
同世代の女の子とはうまく接しられず、幼馴染のディートハルトとばかり遊んでいた。
おかげで男をたぶらかす悪女と言われてきた。しかし中身はただの魔道具オタク。
幼なじみの二人は親が決めた政略結婚。義両親からの圧力もあり、妊活をすることに。
しかしいざ夜に挑めばあの手この手で拒否する夫。そして『もう、女性を愛することは出来ない!』とベットの上で謝られる。
実家の援助をしてもらってる手前、離婚をこちらから申し込めないアーシュレイ。夫も誰かとは結婚してなきゃいけないなら、君がいいと訳の分からないことを言う。
それなら、愛人探しをすることに。そして、出会いの場の夜会にも何故か、毎回追いかけてきてつきまとってくる。いったいどういうつもりですか!?そして、男性のライバル出現!? やっぱり男色になっちゃたの!?
誰でもイイけど、お前は無いわw
猫枕
恋愛
ラウラ25歳。真面目に勉強や仕事に取り組んでいたら、いつの間にか嫁き遅れになっていた。
同い年の幼馴染みランディーとは昔から犬猿の仲なのだが、ランディーの母に拝み倒されて見合いをすることに。
見合いの場でランディーは予想通りの失礼な発言を連発した挙げ句、
「結婚相手に夢なんて持ってないけど、いくら誰でも良いったってオマエは無いわww」
と言われてしまう。
【完結】転生したら悪役継母でした
入魚ひえん@発売中◆巻き戻り冤罪令嬢◆
恋愛
聖女を優先する夫に避けられていたアルージュ。
その夜、夫が初めて寝室にやってきて命じたのは「聖女の隠し子を匿え」という理不尽なものだった。
しかも隠し子は、夫と同じ髪の色。
絶望するアルージュはよろめいて鏡にぶつかり、前世に読んだウェブ小説の悪妻に転生していることを思い出す。
記憶を取り戻すと、七年間も苦しんだ夫への愛は綺麗さっぱり消えた。
夫に奪われていたもの、不正の事実を着々と精算していく。
◆愛されない悪妻が前世を思い出して転身したら、可愛い継子や最強の旦那様ができて、転生前の知識でスイーツやグルメ、家電を再現していく、異世界転生ファンタジー!◆
*旧題:転生したら悪妻でした
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる