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めい

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第一章 千代

滋野家

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父が話した滋野家のこと

滋野家
諏訪大社の影宮。奥諏訪神社の宮司の一族。
今の宮司は祖父の長兄。

お爺ちゃん、
滋野 麟(しげの りん)は、龍神を奉っている家に生まれた麒麟の名を与えられた人。

ここまでは、もちろん大樹も知ってる。

滋野家は、ご信託により名前が決まる者がいる。
お爺ちゃん、父、私がそうらしい。
父には、上に兄2人と姉1人がいるが、彼らや大樹には、ご信託はなかった。

ご信託で名をいただいた人は、何かしらの力がある。と、言われてる。

で、ここまでは私も聞かされている内容だわ。

祖父は、名前や会社名が光って見えることがあるらしい。
そういう場合は、株が上がったり、競馬(騎手)で勝ったり、選挙に受かったりする。
そのおかげで、相場師。今でいうデイトレーダーとして一財産稼いだ。
神職の一族から離れたのは、
堅苦しい実家から自由になりたい。と、宣言し実家と縁を切り東京に出てくるつもりが。
『麒麟を檻には、入れられない』という長兄の一言で円満独立。
檻からは出られたが、首輪を付けられた形になった。
その長兄:護(まもる)も信託名を持つ人だ。

父の尊(たける)の力は、
オーラのようなものが、集中すると見え、
自分に合う合わないを直感的に見分けられる。
オーラを見ることは、疲れるからやらないらしいけど………

なので、信託名を持つ私も何があってもおかしくない。

というのが、父の意見だ。

母は、父の能力をプロポーズの時に聞かされたらしい。
初対面で『合わない』に分別された。って事も含めて。
なのに、今ではラブラブな夫婦なのだから、父の能力があてになるかどうか微妙なところだけど(笑)

私の千代という名は、また特別で、
滋野家の初代『望月千代女』からいただいている。らしい

祖父や父の能力を知らず驚いている私に、
千代女については、自分で調べなさい。と父は言った。
調べた内容と本家に伝わる伝聞に相違があるので、それを自分で判断しろ。との命だ。
今年の夏休みは本家で滞在する事も決められた。

滞在って、
本家に了解を取らずに勝手に決めて良いのか?
と、反論すると
力が出たものは、精神も身体も調子を崩しやすいから、本家に滞在することを義務つけられてる。らしい。
大学に入ってすぐに力に気づいた父も一夏を本家で過ごしたらしい………

もしかしたら、急に留学を決めたのもこの力のせいだったのかもしれないな。

幸か不幸か一緒に夏を過ごす相手も消えそうだし。
バイトのシフトを調整してもらえば、何とかなるかな??

父の話を一緒に聴いていた大樹は、ハイジを膝にのせて考え込んでる。

私みたいに予備知識ないし、大樹には理解しきれないのかもしれない。

父と叔母以外の兄たちは、名前や能力の事でギクシャクしてたみたいだったし、私に力が出なければ大樹にはまだ話さない予定だったんだろな。

ごめんね。お父さん。大樹

#主人公の苗字を変更しました。#
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