またですか

めい

文字の大きさ
15 / 38
第一章 千代

年齢詐欺?

しおりを挟む
「千代、ちよ」

声が耳から聞こえる。

さっきまでは、直接頭に響く感じだったけど。


「う?うん?」

目が覚め、頭をあげると
イスの廻りには父、母、大樹がいた。
ノートを書きながら寝てしまっていたらしい。

「うん?みんな、どうしたの??」

みんなの顔が酷いことになってる
母と大樹は、目が真っ赤だ。

「良かったー!!」

母が抱きついてくる。

状況が読み取れない。時計を見ると7時を過ぎていた。

バイトが終わって、塚本先輩の事や過去の事、これからの事を一人で考えようと、部屋に籠っていたんだ。

「夕食が出来たから、呼んだんだけど返事がなくて、疲れて寝ているなら、そのままにしようと思ったんだけど………」

母が言葉を飲み込む。

「滋野本家から、急に電話が来たんだ。千代を起こせ。って、
起きなかったら家族全員で起きるまで呼び掛けろ。って
訳もわからず部屋に入ると、千代は机に伏せたまま寝てて、呼び掛けても起きなくて………」

父も言葉が詰まる。
二人の目線は、ノートに注がれていた。

その先に書いてあったのは

魔法
治癒

に大きく何度も✕が書かれている部分だ。

父と母の顔が曇る。

「大樹、ごめんね。友達を治せなくて」

あっ、と思い出して謝る。

「は?なに?なんで謝るの??」

大樹が、ワケわかんないと首を降る。

「え?だって同じように痛い思いしてる友達がいるのに、自分だけ治ってイヤな思いさせたんじょない?」

父に口止めされた時の表情を思い出す。

「はぁ?何いってるの!当たり前じゃん。一人治したら、オレもオレも。ってみんな来ちゃうし。
そうしたら姉ちゃんだけで治せるわけないじゃん。オレ、バカだけど、
それぐらいは理解してるよ!!」

うん?

「だって、きのう友達にも話すな!!って言われて悲しそうな顔してたじゃない?」

してたよね?

「えっ!!そんな顔してた?オレ、人に姉ちゃんの事を自慢する気マンマンだった事を恥ずかしい。とは、思ったけど……」

私の勘違いだった。って事??

はぁー。やっぱり『ほう・れん・そう』しなくちゃダメだね。
ちゃんと話し合おう。
塚本先輩とも!!

そんな言い合いをしてると、
いつの間に部屋を出てたのか、父が電話の子機を持ちながら戻ってきた。

「本家の護さんに礼を言っておいたぞ。
千代、夏休み入ったら、すぐに本家に行きなさい。
いま魂も身体も不安定になっているらしい。
本当は、明日にでも行かせたいが、テストもあるし無理だろう?
とりあえず応急処置で、結界を張ってくれたらしいから、魔法も使えなくなってる。って、夏休みくらいまでしか持たないみたいだけどな。」

うん?結界をはる??
何ですか?
リリアーヌちゃんも、魔法を使えなくするのは無理だって言ってたけど。

「お父さん、結界って何?
リリアーヌちゃんも魔法を使えなくするのは無理だって言ってたけど?
それに、バイト先にも迷惑をかけるから、夏休み入ってすぐは無理だよ。」

出来ない事は、ちゃんと伝えないと。
バイト先にこれ以上迷惑はかけられない。

「うん??リリアーヌさんって、千代の中の人だよな??
護さんが、その人と一緒にかけた。って言ってたぞ。夢の中で会った。とも言ってたが」

夢の中で会った?
大学生くらいの男性には会ったけど、
護さんって、お爺ちゃんのお兄さんだよね?って事は80歳くらい??
イヤイヤ会ってないよ

「さっきみた夢の中でリリアーヌちゃんと大学生くらいのお兄さんには会ったけど、護さん?には会ってないよ」

「あー、たぶんそれが護さんだよ。
夢の中だから、実物とは違って見えたのかもなぁー。
しかし、大学生かよ。自由だなぁー。
まぁ、その夢の中でリリアーヌさんと一緒に術を仕掛けたらしいぞ!」

へぇー、そういうもんなんだ。
じゃ、もしかして私も別の姿で見えてたのかな?
夢の中って、恐ろしい。

「千代、バイトの方も問題ないと思うよ。」

お母さんが話し始めた。

「金曜に滋野本家に行く。って決めた時に彩ちゃんに連絡取っておいたの。
あの子の学校。大学付属だから、3年の1学期の成績で学部が決定しちゃうし、夏休みだけはバイトして良いことになってるから、探している。って言ってたから。
去年も夏に短期でやってるし。
昨日、カフェに行って店長さんにも相談してきたから大丈夫なはずよ。」

うわー、お母さんが行動早すぎ!!
ってか、娘のバイト先に、娘が知らない間に連絡を取ってる。って何事?? 

彩ちゃん
仕事、スゴい出来る。
フロアーもキッチンも
初バイトと思えないぐらい、
すぐに覚えてバリバリ働いてた。
辞めたあとも、しばらくは彼女の事を聞いてくるお客さんもいた。
短期で良いからまたやって欲しい。って、店長も言ってた。

「彩ちゃんは、大丈夫なの?勝手に決めて??」

「うん。連絡したから大丈夫。
去年も短期でやってるし。自分で探さなくてラッキー。って喜んでいたわよ」

そうだ。彩ちゃん、
去年もそれで、私と一緒に働いていたんだ。

両方良ければ、良いか。

『ぐぅー』

それまで大人しくしてた大樹がお腹で存在を主張した

みんなで笑顔になる。

そういえば、夕飯まだだったね

「ごめん。大樹!すぐに用意するね。
明日も朝練習あるよね!
遅くなっちゃった……」

慌てて母がキッチンに下りていった。 

大樹、最高!!




しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?

おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました! 皆様ありがとうございます。 「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」 眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。 「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」 ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。 ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視 上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。

幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~

二階堂吉乃
恋愛
 同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。  1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。  一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。

悪役令嬢?いま忙しいので後でやります

みおな
恋愛
転生したその世界は、かつて自分がゲームクリエーターとして作成した乙女ゲームの世界だった! しかも、すべての愛を詰め込んだヒロインではなく、悪役令嬢? 私はヒロイン推しなんです。悪役令嬢?忙しいので、後にしてください。

私の作るおにぎりが、騎士団の士気を異常に上げています(犯人は副団長)

星乃和花
恋愛
おにぎりを配っただけで、騎士団の士気が異常値になりました。 団長は警戒、監察部は呪術検査、国まで動きかけるのに――副団長だけが平然と断言。 副団長「彼女のご飯は軍事物資です」 私「えっ重い」 胃袋で落ちた策略家副団長の“最適化溺愛”に巻き込まれ、気づけば専属補給係(=婚約)寸前!? ほのぼの爆笑&甘々の騎士団ラブコメです。 (月水金21:00更新ー本編16話+後日談6話)

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

悪役令嬢は死んで生き返ってついでに中身も入れ替えました

蒼黒せい
恋愛
侯爵令嬢ミリアはその性格の悪さと家の権威散らし、散財から学園内では大層嫌われていた。しかし、突如不治の病にかかった彼女は5年という長い年月苦しみ続け、そして治療の甲斐もなく亡くなってしまう。しかし、直後に彼女は息を吹き返す。病を克服して。 だが、その中身は全くの別人であった。かつて『日本人』として生きていた女性は、異世界という新たな世界で二度目の生を謳歌する… ※同名アカウントでなろう・カクヨムにも投稿しています

養っていただかなくても結構です!〜政略結婚した夫に放置されているので魔法絵師として自立を目指したら賢者と言われ義母にザマァしました!(続く)

陰陽@4作品商業化(コミカライズ他)
恋愛
養っていただかなくても結構です!〜政略結婚した夫に放置されているので魔法絵師として自立を目指したら賢者と言われ義母にザマァしました!大勢の男性から求婚されましたが誰を選べば正解なのかわかりません!〜 タイトルちょっと変更しました。 政略結婚の夫との冷えきった関係。義母は私が気に入らないらしく、しきりに夫に私と別れて再婚するようほのめかしてくる。 それを否定もしない夫。伯爵夫人の地位を狙って夫をあからさまに誘惑するメイドたち。私の心は限界だった。 なんとか自立するために仕事を始めようとするけれど、夫は自分の仕事につながる社交以外を認めてくれない。 そんな時に出会った画材工房で、私は絵を描く喜びに目覚めた。 そして気付いたのだ。今貴族女性でもつくことの出来る数少ない仕事のひとつである、魔法絵師としての力が私にあることに。 このまま絵を描き続けて、いざという時の為に自立しよう! そう思っていた矢先、高価な魔石の粉末入りの絵の具を夫に捨てられてしまう。 絶望した私は、初めて夫に反抗した。 私の態度に驚いた夫だったけれど、私が絵を描く姿を見てから、なんだか夫の様子が変わってきて……? そして新たに私の前に現れた5人の男性。 宮廷に出入りする化粧師。 新進気鋭の若手魔法絵師。 王弟の子息の魔塔の賢者。 工房長の孫の絵の具職人。 引退した元第一騎士団長。 何故か彼らに口説かれだした私。 このまま自立?再構築? どちらにしても私、一人でも生きていけるように変わりたい! コメントの人気投票で、どのヒーローと結ばれるかが変わるかも?

壊れていく音を聞きながら

夢窓(ゆめまど)
恋愛
結婚してまだ一か月。 妻の留守中、夫婦の家に突然やってきた母と姉と姪 何気ない日常のひと幕が、 思いもよらない“ひび”を生んでいく。 母と嫁、そしてその狭間で揺れる息子。 誰も気づきがないまま、 家族のかたちが静かに崩れていく――。 壊れていく音を聞きながら、 それでも誰かを思うことはできるのか。

処理中です...