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第二章 リリアーヌ

認識の相違

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「リリアーヌ、あなたに大事な話があるわ」

お父様に呼ばれ、
執務室に入ると、ソファに案内され
並んで座っている父母の前に腰掛けると、急に母が話し出した。


「ありがとう。」

執事であらナイジェルがお茶を出してくれる。
珍しく彼が入れてくれるお茶はとても美味しい。

一口、紅茶を飲む。

「お母様、どうされましたか??
ナイジェルが、入れてくれた紅茶は美味しいですわよ」


お母様の膝の上には白猫のシーちゃんが、座ってる。

「来月には、王立トランス学院に入学のために領地をでるわね。」

来月、父と母と一緒に学院に行くために王都に向かって出発する。
実際に入学するのさ3ヶ月も先なのだが、馬車で王都に行くのに10日もかける。
転移魔法を使えば一瞬なのに………
面頭な事このうえない。

「そうですね。馬車で………
転移を使ってはいけない。なんて面倒ですわ。」

私は領地の他は、教会と辺境伯領にしか行ったことがない。

もちろん辺境伯のお屋敷に行く時は、転移を使ってる。
そこには、優しいお祖母様と辺境伯レイモンド様がいる。
レイモンド様や辺境を守る戦士の方々に、身体の鍛え方や魔獣の狩り方を教えてもらいながら、森で遊んだ。
父も母も一緒になって森を駆け回り、
楽しい時間を過ごした。

教会では、教皇様より学問や魔法を習った。

父と母の結婚式を挙げた枢機卿が今では教皇様となり。私の洗礼も執り行った。
洗礼名の『ブランカ』を与えてくださり、この名は父と母以外には話してはダメだよ。
と、教えてくれた。
本当は、母にもつけたかったらしい。

マナーやダンス、音楽は専門の家庭教師に来てもらっており、
学院なんて、行かなくても良いんじゃない??
と、思っていたのに、
貴族の子息は、必ず行かなければいけないらしい。

「私は、学院のことはわからないの。」

うん?

「私は、身体が弱くて学院に通うことさえ出来ずに、
………王宮の奥深くで刺繍をして過ごす事だけが許されていたの」

いやいや、お母様
身体が弱い人が魔獣の彷徨く森を一日中、狩りをしませんから。
それに………刺繍??
そんな事をしている所を見たこともありませんが。

「お母様?どなたの事をおっしゃられてるのでしょうか?」

一応、聞いてみた

「ほら!ちゃんと説明しないと!!」

お父様が答えてくれる。

「そうよね。リリアーヌには信じられないかもしれないけど、世間の私への認識はそうなのよ。
だから、ちゃんと伝えておかないと。と、思ってね。」


そう言って説明された内容は驚くものだった。






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