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第二章 リリアーヌ
自己紹介
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教室に入ってきたのは、担任の先生だった。
「おー、今年は優秀だな!!」
教壇に立った先生が開口一番誉めてくれた。
「毎年、席を決めるのに一苦労するが、俺がくる前に全員着席しているのは、なかなかだぞ。」
ほー、そうなのか。
なら、他の学科みたいに学院側で決めてしまえば良いのに。
「じゃ、早速自己紹介にしてしまおう。
終わったら入学前にアンケートを取った選択科目の確認。それぞれ用紙を渡すから自分で確認してくれ。不備や追加希望があれば、明日までに俺に言ってくれ。
あとは………1ヶ月後に控えたデビュタントに向けて、不安のあるやつ。パーティーに出たことないやつは残ってくれ。
それ以外は解散だ。」
おー、パーティー??
出たことないから、残らなければ!!
領内の祭りは、毎年参加してるけど、それとは違うだろうし
引きこもりだけど、流石に社交デビューをしないわけにはいかないし。
「じゃ、まず俺から始めるぞ。
専科1年1組の担任 マーベル・ハウンテンだ。必修の教科は魔方陣。選択科目は生活魔法と魔道具作成、魔方陣研究を受け持ってる。
このクラスには、王族や公爵令嬢から平民までいるが、身分によって態度を使い分けることはない。………ようにする。
これは、学院の基本理念でもあるので、理解してほしい。」
ほぉー。マーベル先生
なかなか面白そう。
魔道具作成の選択科目は申し込んでたはず。
「では、殿下から自己紹介をお願いします。」
そう言って窓際の席を見た。
「マーベル先生、俺の事は、ラインハルトと呼んでくれ。王族といっても臣下に降りるのは決まっているしな。
では、ラインハルト・ドルタニア
父は、我が国の第二王子だが、王太子殿下が王になられた暁には公爵となるので、俺も王族から離れる事が決まっている。
選択科目は魔法騎士関係のものを取る予定だ。よろしく頼む」
堂々とした受け答え。流石に王子様だなぁー。
彼に比べると、クリストフ殿下は腰が低い気がする。
「次は、私でよろしいでしょうか?」
隣の女の子が立ち上がった。
「私は、マリアーヌ・フェルダム。
フェルダム公爵家の長女です。
選択科目は淑女科目、白魔法。青魔法希望ですわ。よろしくお願い致します。」
白魔法と言ったところで教室がざわつく。
魔法は素質がなければ学んでも使えないから素質あり。ってことだね。
白魔法の素質は国民の7~8%ぐらいが持ってて、優秀な人が集まる学院では10%くらいだって教皇様が教えてくれていた。
1学年で20人くらいか。
愛し子と白龍の存在で重要視されているが、実は黒魔法の素質を持つ人の方が国民の2%と少ない。
次々と自己紹介をしていく。
女子は廊下側にいた子が
メーテル・サンフラワー侯爵令嬢
淑女、緑魔法
取り巻き2人は伯爵令嬢。
ルイスとジャンヌ
家名は、覚えられない……
いきなりは20名を覚えるなんて無理!!
前の席の子は子爵令嬢
クロエ
淑女、白魔法、茶魔法、黄魔法
白魔法は、他に男子1人が取ってた
最後に私の番
「はじめましてリリアーヌと申します。
2月前に田舎から出てきました。
それまで、王都のような大きな街に来たことなくて、圧倒されています。
選択科目は、淑女、魔方陣、魔道具研究です。よろしくお願いします。」
失笑された。
前の3人組からは、「淑女を選択なんて、図々しい」なんて声も聞こえる。
ねぇ、マーベル先生、終わりましたよ。
お顔死んでますよ………
私の前までは、「うん。うん」と頷きながら話を聞いてたのに………
私の時のその顔。なんでしょう??
嘘なんて言ってませんよ。
正直に自己紹介をしましたもの。
教室がざわつき始めると、先生が気を取り直した。
「うん。自己紹介も終わった事だし。みんな仲良くやってくれ!!
じゃ、これから選択科目の紙を配る。このクラスは希望に叶っていると思うが、
時間数を見て不都合があったりする場合は、調整してある。
さっきも言ったが不備や追加は明日までに申告してくれ。
じゃ、今日は解散だ。デビュタントのパーティーに不安がある者は残ってくれ。
パーティーに出た事ない者は必須だ。」
先生の号令で前方2列は、全員席を立って帰り支度を始めた。
前の席のクロエも帰るみたいだ。
結局残ったのは、私を含めて制服組5人と私服組2人
「おー。ちょっと待っててくれ。
他のクラスと合同になるから、講堂に移動するぞ。
荷物は講堂で解散になるから持っていってくれ。
………リリアーヌ、やっぱりいるのか……」
えっ?何でご指名??
そして呼び捨てされてます!?
「マーベル先生、どういうことでしょう?
私がいては、可笑しいですか?
田舎者の私は祭りに出たことがあっても、パーティーなどは参加した事はございません。」
間違っていないはず。
家名を言ってないだけで事実ですよ
「そのキャラ続けるのか?……頭痛い。」
キャラって何ですか??
「はぁ~、ここにいる奴はよく覚えておけ。
キチンと観察し、噂や爵位に誤魔化されず自分で判断する事の大切さ。
恐怖、畏怖、本能とか意外と当てになるぞ!!」
先生、何を言いたいのでしょうか?
私は魔獣では、ございませんよ。
「「「はい」」」
私と先生の遣り取りを見ていたクラスメートが真剣か顔をして返事した。
どういう事ですかね??
それじゃ、行くぞ。と、講堂に向かったけど納得がいかない。
「おー、今年は優秀だな!!」
教壇に立った先生が開口一番誉めてくれた。
「毎年、席を決めるのに一苦労するが、俺がくる前に全員着席しているのは、なかなかだぞ。」
ほー、そうなのか。
なら、他の学科みたいに学院側で決めてしまえば良いのに。
「じゃ、早速自己紹介にしてしまおう。
終わったら入学前にアンケートを取った選択科目の確認。それぞれ用紙を渡すから自分で確認してくれ。不備や追加希望があれば、明日までに俺に言ってくれ。
あとは………1ヶ月後に控えたデビュタントに向けて、不安のあるやつ。パーティーに出たことないやつは残ってくれ。
それ以外は解散だ。」
おー、パーティー??
出たことないから、残らなければ!!
領内の祭りは、毎年参加してるけど、それとは違うだろうし
引きこもりだけど、流石に社交デビューをしないわけにはいかないし。
「じゃ、まず俺から始めるぞ。
専科1年1組の担任 マーベル・ハウンテンだ。必修の教科は魔方陣。選択科目は生活魔法と魔道具作成、魔方陣研究を受け持ってる。
このクラスには、王族や公爵令嬢から平民までいるが、身分によって態度を使い分けることはない。………ようにする。
これは、学院の基本理念でもあるので、理解してほしい。」
ほぉー。マーベル先生
なかなか面白そう。
魔道具作成の選択科目は申し込んでたはず。
「では、殿下から自己紹介をお願いします。」
そう言って窓際の席を見た。
「マーベル先生、俺の事は、ラインハルトと呼んでくれ。王族といっても臣下に降りるのは決まっているしな。
では、ラインハルト・ドルタニア
父は、我が国の第二王子だが、王太子殿下が王になられた暁には公爵となるので、俺も王族から離れる事が決まっている。
選択科目は魔法騎士関係のものを取る予定だ。よろしく頼む」
堂々とした受け答え。流石に王子様だなぁー。
彼に比べると、クリストフ殿下は腰が低い気がする。
「次は、私でよろしいでしょうか?」
隣の女の子が立ち上がった。
「私は、マリアーヌ・フェルダム。
フェルダム公爵家の長女です。
選択科目は淑女科目、白魔法。青魔法希望ですわ。よろしくお願い致します。」
白魔法と言ったところで教室がざわつく。
魔法は素質がなければ学んでも使えないから素質あり。ってことだね。
白魔法の素質は国民の7~8%ぐらいが持ってて、優秀な人が集まる学院では10%くらいだって教皇様が教えてくれていた。
1学年で20人くらいか。
愛し子と白龍の存在で重要視されているが、実は黒魔法の素質を持つ人の方が国民の2%と少ない。
次々と自己紹介をしていく。
女子は廊下側にいた子が
メーテル・サンフラワー侯爵令嬢
淑女、緑魔法
取り巻き2人は伯爵令嬢。
ルイスとジャンヌ
家名は、覚えられない……
いきなりは20名を覚えるなんて無理!!
前の席の子は子爵令嬢
クロエ
淑女、白魔法、茶魔法、黄魔法
白魔法は、他に男子1人が取ってた
最後に私の番
「はじめましてリリアーヌと申します。
2月前に田舎から出てきました。
それまで、王都のような大きな街に来たことなくて、圧倒されています。
選択科目は、淑女、魔方陣、魔道具研究です。よろしくお願いします。」
失笑された。
前の3人組からは、「淑女を選択なんて、図々しい」なんて声も聞こえる。
ねぇ、マーベル先生、終わりましたよ。
お顔死んでますよ………
私の前までは、「うん。うん」と頷きながら話を聞いてたのに………
私の時のその顔。なんでしょう??
嘘なんて言ってませんよ。
正直に自己紹介をしましたもの。
教室がざわつき始めると、先生が気を取り直した。
「うん。自己紹介も終わった事だし。みんな仲良くやってくれ!!
じゃ、これから選択科目の紙を配る。このクラスは希望に叶っていると思うが、
時間数を見て不都合があったりする場合は、調整してある。
さっきも言ったが不備や追加は明日までに申告してくれ。
じゃ、今日は解散だ。デビュタントのパーティーに不安がある者は残ってくれ。
パーティーに出た事ない者は必須だ。」
先生の号令で前方2列は、全員席を立って帰り支度を始めた。
前の席のクロエも帰るみたいだ。
結局残ったのは、私を含めて制服組5人と私服組2人
「おー。ちょっと待っててくれ。
他のクラスと合同になるから、講堂に移動するぞ。
荷物は講堂で解散になるから持っていってくれ。
………リリアーヌ、やっぱりいるのか……」
えっ?何でご指名??
そして呼び捨てされてます!?
「マーベル先生、どういうことでしょう?
私がいては、可笑しいですか?
田舎者の私は祭りに出たことがあっても、パーティーなどは参加した事はございません。」
間違っていないはず。
家名を言ってないだけで事実ですよ
「そのキャラ続けるのか?……頭痛い。」
キャラって何ですか??
「はぁ~、ここにいる奴はよく覚えておけ。
キチンと観察し、噂や爵位に誤魔化されず自分で判断する事の大切さ。
恐怖、畏怖、本能とか意外と当てになるぞ!!」
先生、何を言いたいのでしょうか?
私は魔獣では、ございませんよ。
「「「はい」」」
私と先生の遣り取りを見ていたクラスメートが真剣か顔をして返事した。
どういう事ですかね??
それじゃ、行くぞ。と、講堂に向かったけど納得がいかない。
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