またですか

第二章 リリアーヌ

社交準備

先生と一緒に講堂へ向かう。
私以外は顔見知りなのが男子6人は固まって話している。
仲間に入れて欲しいのに……

「リリアーヌさん、田舎から来た。って寮に入るの？」

制服組の一人が声をかけてくれた。

「いえ、都に家があるのでそちらから通うことになってるんです。」

他の子も興味があるのか、乗ってきた

「えっ！そうなんだ。」

「はい。同郷の官僚科と魔法科の新入生と一緒に通う予定です」

そう、上級生にも領内から入っているが、彼らは寮住まいなので、私たち3人が一緒に通う。

「な～んだ。家っていうからビックリした！！同郷で共同生活かよ」

ニヤニヤしながら私服の1人がよってきた。

「おい、やめろよ」

もう一人の私服が止める。

「いや、だってさ。一番末席の奴が、王都に家を持っているのかと思ってさ。
俺は子爵家だから、あるけどな。」　

「ハンス。そのぐらいにしとけ。
リリアーヌ嬢に絡むな………後で後悔するのはお前だぞ」

マーベル先生も止めてくれたけど、
止め方おかしくありません？？

「ごめんね」

止めてくれた私服、ディカルド君が謝ってくれた。
彼も子爵家で実家から通うのだと。
ハンス君は、親が子爵で領地も都に家もあるのが自慢らしい。
制服組は、男爵家2人、平民2人は寮に入る。って事を知った。

みんなが顔見知りなのは、学院に入るテスト対策の塾が一緒だったみたい。
学院に入るテストは難しく、家庭教師を雇えない家の子は塾に通うのが一般的らしい。
そんなのがあるんだね。

講堂へ行く短い時間でハンス君のおかげ？で彼らと仲良くなれた。

マーベル先生が疲れた顔になっているのは、気のせいだろう。


「他のクラスもだいたい集まってるな。
うちのクラスの席は、前方の左側だ。
そこに座っていてくれ」

マーベル先生が指差してくれた場所がぽっかり空いてる

講堂にはすでに人が沢山いた。
他のクラスは結構な人数がいそうだ。
左側白の軍団が専科

隣の赤のジャケットは騎士科。
へ～、女の子もいるんだ！！

その隣の黒のローブやマントが魔法科

一番右の紫のジャケットが官僚科

紫色？？
他は何となく理解出来るけど？
考えちゃいけないんだな。
まぁ、いっか。

専科以外はみんな制服を着てるみたいだ。

専科の他のクラスが遅れてやってきた。
全部のクラスが揃ったようで、演台に校長が現れた。

「みな、入学前おめでとう。
長い話は式典で、イヤと言うほど聞いただろうから余計な話しはしたくないが、
もう少し我慢してほしい。
君たちトランス学院の生徒は全員、1月後の王宮で行われる夜会で社交デビューする。
それにあたり、ドレス、礼服の用意や作法、パートナー、ダンスなど不安に思う者も多いと思う。
その準備の手伝いを学院が行う。
ドレスや礼服が必要な者。
男子は専科2年の教室。
女子は専科3年の教室に貸し出し用がある。
侍女、従僕志望の先輩が君たちに合う物を選び、必要な手直しをしてくれる。
今日のうちに選び、手直しを依頼しなさい。
作法、ダンスは、明日の午後からレッスンを用意しているから希望者は担任と相談しスケジュールを組んでくれ。
パートナーがいない者は2週間後に再度申し出れば、こちらで紹介をする。
2週間以内に自分で見つけられる者は見つけなさい。
以上だ。各科の3年生が応援に来てくれている。
質問や相談は、彼らや担任にするように。
では、専科の者から順番に移動してくれ」

それだけ言うと校長が演台から降り、
代わりに各科の先輩たちが演台に登り、誘導を始めた。