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二章 学校での立場とは
生徒会のその頃(朱音目線)
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私は、百合野 朱音。今回は、ひどい話だった。
私は、とある理由で、結構立場の弱いながらに春吹荘に入らずに済んでいるのだが、それが弱みという点と、従順という点で、生徒会に入っている。
しかし、今回、会長たちは『春吹荘にテストの範囲を知らせない』というあまりに理不尽な手を取ることにしていた。
あまりに非道だと思うが、会長と、文札 みさか先輩がこれはやると言ってしまった。残る否定をできるメンバーは、高一の結海 明夢都先輩、中三の霧島 舞鶴先輩。それと、望み薄な中三の牧野 真文先輩だけ。
でも、牧野先輩は、いいんじゃね?と言い、あとの先輩方は別にどちらでも、という態度を取った。
霧島先輩が一つだけ物申したが、それも些細なことだった。
「各自、寮で教える。というだけです。 荘で教えられるだろう、と思い込ませること。あくまでこれは、影島と陽崎を落とすためですからね」
などと言ったのみ。
これじゃあ、まるでいじめじゃないの。
私はそう思って、けれど口をつぐんで指示に従った。
それから数日後。私は、隣の席の陽崎さんに声をかけることにした。
「陽崎さん」
「ん、え?私?」
彼女はとても驚いたようでその緑青色の瞳をまんまるくして自分の顔を指さした。
「このクラスに貴方以外で陽崎なんて名前の人いないじゃない」
そういうと、彼女はそれもそうか、という顔をして私の方をくるりと向いた。
「それでどうしたの、百合野さん」
「!」
私の名前、覚えてるの?面倒がられて覚えられたり、嫌われて覚えられることはあるけど、そんな素振りを陽崎さんは一切見せない。
「……テストのことですよ」
「テストがなぁに?」
「範囲知らないんですよね」
「え? なんで知ってるの?」
周りの生徒がそのことを知らないって、わかってるのね。この子。でも言わないってことは、それだけ頑固なのか、プライドなのか、もしくはーーー優しいのか。
「一応、生徒会役員なので」
「あー、そんなこと言ってたね」
陽崎さんは、ふわっとした感じの喋りが印象的な子だ。よく考えずに感覚で動いたりしそうな子。でも、感覚派なのに、頭で考えようともしている。
よく訳のわからない子だ。
「それであの……平気なんですか?」
「うん、まぁそれなりに。先輩とかがやまかけしてくれるから」
「やまかけって、今回のは比にならないはずですけど」
「え、どーゆーこと?」
「二十冊近くの問題集の前半まるまる半分を、先生たちが好きなようにアレンジ加えて出しますから」
「えぇっ、マジ?」
この子は、相手によって態度を変える子ではないらしい。いつもわちゃわちゃしている悪い意味で名前の知れた影島さんたちといる時と同じような態度を取っている。
「えぇ」
「じゃ、言わないとだなぁ。 高校のしか知らないみたいだし」
灰咲先生か。あの先生は、一応お目付役に置かれるくらいだし、そこそこ春吹の人たちと仲良いものね。
「教えてあげるますよ、どれかは。流石に全教科はきついので、半分の二教科ほどなら」
「え、本当?」
「これ、さすがに理不尽だと思うんで」
「じゃ、国語と算数お願いできる?」
陽崎さんは申し訳なさそうに聞く。
「国語と算数ね。それは、えーとね……」
「あ、待って。メモ取る!」
私はそうして、陽崎さんたちに、冊子を教えてやった。
……これくらいはしないと流石に理不尽だ。
翌日。何故か、陽崎さんに声をかけられた。
「あの、教えてもらったやつで、やまかけしてもらったんだけど、このこと言ったら、じゃあ教えてやれって言われたから」
そう言って彼女は、何枚かのレポート用紙のようなものを差し出す。
「いいよ、私、ふつーのことしただけだし」
「もらって!」
「困るの、それ。知られたら」
「じゃ、一枚もらって!」
そう言って、一枚を置いて陽崎さんはどこかに行ってしまった。
あぁ、もう、もらう以外ないの?!私は、そう思いながら、紙を開く。するとそこには、出そうな範囲、出そうな理由。三年前、二年前、一年前の傾向をもとにどう分析したか。それが書いてあった。
頭がいい集団が混じってるって聞いてたけど、予想以上。帝さんは置いておいて、一年前の情報ってことは、出てこなくとも学年トップスリーの座をキープしてるっていう神坂さんも混じってるのか。
「ほんと……なんなの」
私は、嬉しいはずなのに、なんでそんなに恵まれているんだ、と陽崎さんのことを一瞬妬んでしまった。
紙を鞄にしまうと、すぐに寮へ直行し、部屋に入る。机に鞄を置いて、ジャケットを脱いでハンガーにかける。
そして、ペットのセキセイインコの『コト』と『ビワ』の部屋を掃除し、餌を与え、幼い頃から持っていたぬいぐるみを抱え、少し愚痴を話した。
「あのね……今日、陽崎さんっていう春吹荘の子のこと、少し妬んだの」
「ヒサキ」
「妬ンダ」
コトとビワは、まるで言葉を理解しているかのように、陽崎、妬んだ?とコトは右に、ビワは左に首を傾げて聞いてくる。
「そう、妬んだの。 私よりずっとひどい目にあってるはずなのに、周りが優しくて、頼れて、救われててさ」
「ウラヤマシイ」
「ズッルーイ」
二匹は、どこで覚えたのか、そんなことを言う。
うん、そう。羨ましくて、ずるいなって思ったの。だから、だから、妬ましかったの。
「こんなのだめだよね。生徒会の言いなりで、自分の意見折っちゃってさ」
「アカネチャンハ、」
「ワルクナイヨ」
二人はナイスタイミングと言わんばかりの受け答えばかりする。この子たち、前世は双子の人間の姉妹とかそんな感じだったんだろうなって思うほどに。
「でも、私の方が辛いのにって思ったんだ」
「ソレハ、ワカラナイヨ」
「アカネチャンガ、シラナイカモヨ」
「ソーダヨ」
「ワカラナイヨ」
二人は、そういうと、ぴー、キュー、と鳴き出した。
「そんなもの、私が知りたいよ」
私はそう言って、軽く笑うと、息を吸って気持ちを切り替えて、テスト勉強をすることにした。
ー
この学校では、その都度テストの結果を冊子のような紙に書いて、配る。今回のテストは、三百八十点で、惜しくも二位。一位は、春吹荘にいるあの真水さんだった。二点差。
私が二教科分はテストのテキストを教えたけど、教えてない方の点数もそこそこ高かったらしい。私は、全部の範囲を教えてもらっていたのにも関わらず、テストで負けてしまったのだ。
それに、私がこの点を取れたのは、算数のやまかけプリントに助けられた面もある。半信半疑だったけど、もらっておいて、信じてやってみたおかげだ。
すこし、胸の奥がずきりとした。
「失礼します」
私はそう言って、扉を開け、生徒会室に入ると、扉のすぐ横に立った。
生徒会長の机のところの椅子に磯木会長は座り、その机の近くに文札先輩、真ん中のソファで資料を持った霧島先輩、もう一つのソファでうとうとしている結海先輩、そして付属の冷蔵庫で何か漁っている牧野先輩がいた。
生徒会長は陽崎さんと影島さんの思わぬ結果に、戸惑いを覚えていたようで、すこし苛立っていた。
「何故……っ」
そう言って軽く机を叩く。
「そう焦らない焦らない。今回はまぁまぁ予想通りだし?もともと、こんなのうまくいかないって、凌もわかってたんでしょ」
「それはそうだが……」
生徒会長の机のこちらからみて左手側、会長から見て右手側に浅く腰をかけ、「ね?」と文札先輩は宥めるようにいう。
「それに、今回はそもそも習っている部分を多く出す教師が多かったので、そこはさすがに皆できていたのでしょう」
「んん……平均、下げるの……ため、らってた……」
霧島先輩の言葉に、夢見心地の結海先輩が相槌を打つ。
「まぁよくわかんねーけど、そーゆーもんなんだろ。 別に次やればいーんだから気にしなくてよくねー?」
よく内容を理解していないまでも、結構まともなことを楽観的にいうのが牧野先輩。
「……そうだな」
会長は皆に宥められ、落ち着いたようだ。
でもきっとすぐに新しい案を出すに違いない。会長はそこまで焦っているんだ。
きっとそれは、帝さんに何をしても追いつけないから。きっとそれは、完璧でいなければいけないと、一番にならなければと、会長も思っているから。
私は、とある理由で、結構立場の弱いながらに春吹荘に入らずに済んでいるのだが、それが弱みという点と、従順という点で、生徒会に入っている。
しかし、今回、会長たちは『春吹荘にテストの範囲を知らせない』というあまりに理不尽な手を取ることにしていた。
あまりに非道だと思うが、会長と、文札 みさか先輩がこれはやると言ってしまった。残る否定をできるメンバーは、高一の結海 明夢都先輩、中三の霧島 舞鶴先輩。それと、望み薄な中三の牧野 真文先輩だけ。
でも、牧野先輩は、いいんじゃね?と言い、あとの先輩方は別にどちらでも、という態度を取った。
霧島先輩が一つだけ物申したが、それも些細なことだった。
「各自、寮で教える。というだけです。 荘で教えられるだろう、と思い込ませること。あくまでこれは、影島と陽崎を落とすためですからね」
などと言ったのみ。
これじゃあ、まるでいじめじゃないの。
私はそう思って、けれど口をつぐんで指示に従った。
それから数日後。私は、隣の席の陽崎さんに声をかけることにした。
「陽崎さん」
「ん、え?私?」
彼女はとても驚いたようでその緑青色の瞳をまんまるくして自分の顔を指さした。
「このクラスに貴方以外で陽崎なんて名前の人いないじゃない」
そういうと、彼女はそれもそうか、という顔をして私の方をくるりと向いた。
「それでどうしたの、百合野さん」
「!」
私の名前、覚えてるの?面倒がられて覚えられたり、嫌われて覚えられることはあるけど、そんな素振りを陽崎さんは一切見せない。
「……テストのことですよ」
「テストがなぁに?」
「範囲知らないんですよね」
「え? なんで知ってるの?」
周りの生徒がそのことを知らないって、わかってるのね。この子。でも言わないってことは、それだけ頑固なのか、プライドなのか、もしくはーーー優しいのか。
「一応、生徒会役員なので」
「あー、そんなこと言ってたね」
陽崎さんは、ふわっとした感じの喋りが印象的な子だ。よく考えずに感覚で動いたりしそうな子。でも、感覚派なのに、頭で考えようともしている。
よく訳のわからない子だ。
「それであの……平気なんですか?」
「うん、まぁそれなりに。先輩とかがやまかけしてくれるから」
「やまかけって、今回のは比にならないはずですけど」
「え、どーゆーこと?」
「二十冊近くの問題集の前半まるまる半分を、先生たちが好きなようにアレンジ加えて出しますから」
「えぇっ、マジ?」
この子は、相手によって態度を変える子ではないらしい。いつもわちゃわちゃしている悪い意味で名前の知れた影島さんたちといる時と同じような態度を取っている。
「えぇ」
「じゃ、言わないとだなぁ。 高校のしか知らないみたいだし」
灰咲先生か。あの先生は、一応お目付役に置かれるくらいだし、そこそこ春吹の人たちと仲良いものね。
「教えてあげるますよ、どれかは。流石に全教科はきついので、半分の二教科ほどなら」
「え、本当?」
「これ、さすがに理不尽だと思うんで」
「じゃ、国語と算数お願いできる?」
陽崎さんは申し訳なさそうに聞く。
「国語と算数ね。それは、えーとね……」
「あ、待って。メモ取る!」
私はそうして、陽崎さんたちに、冊子を教えてやった。
……これくらいはしないと流石に理不尽だ。
翌日。何故か、陽崎さんに声をかけられた。
「あの、教えてもらったやつで、やまかけしてもらったんだけど、このこと言ったら、じゃあ教えてやれって言われたから」
そう言って彼女は、何枚かのレポート用紙のようなものを差し出す。
「いいよ、私、ふつーのことしただけだし」
「もらって!」
「困るの、それ。知られたら」
「じゃ、一枚もらって!」
そう言って、一枚を置いて陽崎さんはどこかに行ってしまった。
あぁ、もう、もらう以外ないの?!私は、そう思いながら、紙を開く。するとそこには、出そうな範囲、出そうな理由。三年前、二年前、一年前の傾向をもとにどう分析したか。それが書いてあった。
頭がいい集団が混じってるって聞いてたけど、予想以上。帝さんは置いておいて、一年前の情報ってことは、出てこなくとも学年トップスリーの座をキープしてるっていう神坂さんも混じってるのか。
「ほんと……なんなの」
私は、嬉しいはずなのに、なんでそんなに恵まれているんだ、と陽崎さんのことを一瞬妬んでしまった。
紙を鞄にしまうと、すぐに寮へ直行し、部屋に入る。机に鞄を置いて、ジャケットを脱いでハンガーにかける。
そして、ペットのセキセイインコの『コト』と『ビワ』の部屋を掃除し、餌を与え、幼い頃から持っていたぬいぐるみを抱え、少し愚痴を話した。
「あのね……今日、陽崎さんっていう春吹荘の子のこと、少し妬んだの」
「ヒサキ」
「妬ンダ」
コトとビワは、まるで言葉を理解しているかのように、陽崎、妬んだ?とコトは右に、ビワは左に首を傾げて聞いてくる。
「そう、妬んだの。 私よりずっとひどい目にあってるはずなのに、周りが優しくて、頼れて、救われててさ」
「ウラヤマシイ」
「ズッルーイ」
二匹は、どこで覚えたのか、そんなことを言う。
うん、そう。羨ましくて、ずるいなって思ったの。だから、だから、妬ましかったの。
「こんなのだめだよね。生徒会の言いなりで、自分の意見折っちゃってさ」
「アカネチャンハ、」
「ワルクナイヨ」
二人はナイスタイミングと言わんばかりの受け答えばかりする。この子たち、前世は双子の人間の姉妹とかそんな感じだったんだろうなって思うほどに。
「でも、私の方が辛いのにって思ったんだ」
「ソレハ、ワカラナイヨ」
「アカネチャンガ、シラナイカモヨ」
「ソーダヨ」
「ワカラナイヨ」
二人は、そういうと、ぴー、キュー、と鳴き出した。
「そんなもの、私が知りたいよ」
私はそう言って、軽く笑うと、息を吸って気持ちを切り替えて、テスト勉強をすることにした。
ー
この学校では、その都度テストの結果を冊子のような紙に書いて、配る。今回のテストは、三百八十点で、惜しくも二位。一位は、春吹荘にいるあの真水さんだった。二点差。
私が二教科分はテストのテキストを教えたけど、教えてない方の点数もそこそこ高かったらしい。私は、全部の範囲を教えてもらっていたのにも関わらず、テストで負けてしまったのだ。
それに、私がこの点を取れたのは、算数のやまかけプリントに助けられた面もある。半信半疑だったけど、もらっておいて、信じてやってみたおかげだ。
すこし、胸の奥がずきりとした。
「失礼します」
私はそう言って、扉を開け、生徒会室に入ると、扉のすぐ横に立った。
生徒会長の机のところの椅子に磯木会長は座り、その机の近くに文札先輩、真ん中のソファで資料を持った霧島先輩、もう一つのソファでうとうとしている結海先輩、そして付属の冷蔵庫で何か漁っている牧野先輩がいた。
生徒会長は陽崎さんと影島さんの思わぬ結果に、戸惑いを覚えていたようで、すこし苛立っていた。
「何故……っ」
そう言って軽く机を叩く。
「そう焦らない焦らない。今回はまぁまぁ予想通りだし?もともと、こんなのうまくいかないって、凌もわかってたんでしょ」
「それはそうだが……」
生徒会長の机のこちらからみて左手側、会長から見て右手側に浅く腰をかけ、「ね?」と文札先輩は宥めるようにいう。
「それに、今回はそもそも習っている部分を多く出す教師が多かったので、そこはさすがに皆できていたのでしょう」
「んん……平均、下げるの……ため、らってた……」
霧島先輩の言葉に、夢見心地の結海先輩が相槌を打つ。
「まぁよくわかんねーけど、そーゆーもんなんだろ。 別に次やればいーんだから気にしなくてよくねー?」
よく内容を理解していないまでも、結構まともなことを楽観的にいうのが牧野先輩。
「……そうだな」
会長は皆に宥められ、落ち着いたようだ。
でもきっとすぐに新しい案を出すに違いない。会長はそこまで焦っているんだ。
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