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三章 休みの間
お出かけですけども、
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まぁ、朝ご飯の流れで急遽、遊園地への遠足もどきが決まったわけですが、詳しく日程を大人+高等部組が調整したところ、いけるのは五月の四日ということで。
いやむっっっちゃ先やん!
し・か・も!宿題終わった人だけという鬼畜ルールまでつきまして。
今、私とソラは、カーペットの上で死体となっております。
「終わった……」
「生きたかったぁ……」
「おまえら、大袈裟」
ユウがソラのことをパンフレットか何かで小突きながら、私達を嗜める。
ユウさんさぁ、なんだかんだ言ってソラのことを小突くの、クセだよね。いや、これをクセとして分類していいのかはわかんないけどさ、絶対にクセになってるよね。うん。
ドンッ
背中に衝撃が走る。
「うぅ?!」
そこには、もこもこの物体があった。
はい、そうです。皆様お気づきの通り、シキくんですね。
「シキくん、君までそちら側に……」
私はがくっ、と倒れ込みながらそういう。
「そちら側ってなんだよ」
ナイス・ツッコミです、ユウ。
「シキ、宿題、どこにあるかわかるか?」
おぉい?え、マジ?
え、宵衣先輩、宿題の場所、シキくんに聞くんですか……。
「ワン?クゥゥ……」
シキくんは渋々、と言うふうに私のそばから離れていって、ついてこい、と言う風に先導して歩いていく。
しばらくすると、先輩は降りてきた。……テキストとノートを持って。
「え、見つかったんですか?」
「うん。さすがシキだね~、覚えててくれたよ♪」
いやいやいやいや!
シキくん、神的じゃない?!
というか、ペット(二歳)に頼ってる宵衣先輩、逆にやばくないっすか?
「ねぇねぇ、宿題ってやらなきゃだめー?」
「いや、駄目だろ」
「宿題の範囲ってなんだっけ?」
「C組はしらねぇよ。Bは確か、自分の分野についてのレポートと、あと作品提出だって、クラスのやつが言ってた」
さすが、我らが情報局ユウ!
いや、でも、そこはC組までわかってて欲しかったなぁ。
「おー、やってる……な?」
疑問形っすね、灰咲先生。
まぁ、一切やってないけどね!
もうなんの話してたのかわかんないんですが。
「宿題、早く終わらせちゃってーーーと言いたいけど、日程とかの予定話して、ちょっと近状報告して、今日はお開きにしましょう」
はい、わかりましたー。
私とソラは立ち上がり、それぞれが好きなところに座る。
「マッくんはどこだ?」
首を左右にふらして、周りを確認しながら、宵衣先輩がそう言う。
……たしかに、瞬先輩、いない。
いつも静か~に、本を読んでるんで、存在感ないんだよな、瞬先輩。
「シー、連れてきてくれっ」
「クゥ?ワンっ」
『えぇ?やだよっ』とで言うかのように鳴き、ふぃっとそっぽを向いてしまうシキ。
いやだから、シキはどーゆーポディションなの?
もう言動?が人間なのですが。
「マッくんがこないと、マッくんが困るんだぞ?」
「ワ、ワゥッ」
渋々と言うか、脅されてと言うか、まぁそんな感じで、シキは部屋を出ていく。
いやぁ、ここの関係図ほんっとなんなんでしょうね。
「で、日程の話よりも、近状報告しましょうか」
瞬先輩、まだきてませんもんね。
「えーと、LINEの事件以来、何かあった?」
たしかに、LINE事件が結構印象に残ってますからね。
「えーと、私からでいいですか?」
周りに確認をとると、うんうん、と頷かれる。
「私は、あれ以来、まぁいつものことながら近寄られはしませんけど、朱音と結構仲良くなれました。仕事がない時とか、みんながいないときはよく一緒にいます」
仲良くなれたきっかけとなったからいいものの、きっかけにならなかったら全くの無駄だよね。というか、損害。
「なるほどー」
宵衣先輩が相槌を打つと同時に、扉がガチャっと開いて、シキくんと瞬先輩が入ってくる。
ナイス・タイミングっす!
「なにやってるんだ?」
「近状報告よ。まぁ、まずは私たちの報告からさせてもらおうかしら」
瞬先輩が、ダイニングの椅子に腰かけると、雪芽さんが立ち上がる(同じく、ダイニングの椅子に座ってました)。
て、あれ?近状報告、私だけがさせられる損役パターン?!
「五月四日って言ったけど、あれはなし。五月三日から四日にかけて、遊園地のまぁ安いホテルがあったから、そこに泊まって、遊びまくりましょう。ただし、宿題を終わらせられない子は連れて行ってはあげるけど、ミカちゃんの煽り+司佐くんの上から目線+勉強ってことでよろしく♪」
ま、マジで……?
「あ、あと。遊ぶときは遊んでいーんだけど、灰咲と役柄交換みたいな感じで基本荷物持ちとかさせられるし、なんだかんだお小遣いからおごらされるから。 ちゃーんと、やっておいてね?」
ぶ、ブラック!!
ここ、ブラック企業じゃないですか!いや、企業ではないが、ブラック企業も同然ですよっ。
といいますか、さらっと脅しかけるのやめてください!怖いです!
「……ドンマイ?」
うん、ユウくん。いや、励ましならばもっと別の言葉あるでしょ。てか、なんで疑問形なのよ。
そんなこんなでゴールデンウィークがはじまった。
私とソラはほぼ缶詰状態で宿題を終わらせ、ユウたち成績上位組は、優雅にお茶なんかしちゃって。
格差社会だよっ!
ま、そんなこんなで話が始まりまして、今日!
いや、もう話すことないんでペースアップです。
「さぁて、みんな遊びましょうね」
「いやなんでお前が遊ぶ気なんだよ。俺らは保護者役だろーが」
うん確かに!いやぁ、雪芽さんいると、灰咲先生まともになるよね。これ以上だめなのが増えるとまずいってわかってるんだろーな~。……うん、やべぇわ(想像したらゾッとした)。
「で、問題のクーちゃんとそらっち」
私とソラの肩がビクッと震える。
「宿題は?」
にっこり笑顔で宵衣先輩が訪ね、よこで同じく笑顔の雪芽さんがこちらを見る。
ひえっ、怖いです、お二方!
「「お、終わってますっっっ」」
私たちは声と肩を震わせながら、そう答えた。いや、怖いな、この人たち!
「よーし、なら遊ぶぞっ」
「お~」
なぜそこを雪芽さんが言う?
私たちは、そんな話し合いをしながら、ホテルに入る。
「ここ、本当に安いんですか?」
いや、見るからにそこそこ、と言うかかなりなんだけど!
「えぇ、遊園地客には安くなっててね。少人数の時は違うとこに行ったりするのがいいんだけど、大人数だからお得なの♪」
「そのお得がどれくらいなのか知りたいねぇー」
茶化すように灰咲先生が横槍を入れる。
え、どゆこと?
いや、雪芽さんはわかっているようで「なんか文句あるわけぇ?」と言い返してますけど、宵衣先輩も参戦して「にゃははっ」とか煽ってますけど、こちらとしては全くわかりませんね!はい!
「部屋は、女の子と、男の子で、男の子はふた部屋あるから」
なるほどですね。
「広い部屋だにゃ」
宵衣先輩~?いまね、部屋の振り分け中だから入るのちょい待ってー?
「あぁ……、じゃ、ここが女子部屋で、あっちのふた部屋が男子部屋だから、好きに振り分けてね」
雪芽さんはそう言って瞬先輩とユウに鍵を渡す。
……男子組最年長の灰咲先生に渡さないとは、わかっていたけれど信用されてねーな、あの人。
そう思いながら、部屋に入ると、そこは思ったよりも広く、ベットは二つだけど、ソファが完全にベットソファってやつですし!
いや快適だな!
「誰がベットソファかね」
あー、そうですね。
「ゆっきーはなにがなんでもベットだからおいておいて~」
うん確かに。
「どっちがいー?ボクはどっちでもいー」
「えぇ、いや、私もどちらでもいいんですけど……」
いや、好奇心がくすぐられるけど、さすがに試す程の度胸はないと言うかさ。ね?
「じゃ、ボクがベットソファねー」
「あ、え?は、はい」
マジかー。まあ、行くかなとは思ったけど。マジかー。
さすがっすね、宵衣先輩。
「あら~?そうぅ?」
なんかむっっちゃ含みある言い方しますね、雪芽さん!
いやあの、なんだかよくわからないつかめない先輩と、得体の知れない生態でありそうな管理人さんと同じ部屋ってさ、思ったらやばくね?
そしてこの二人、よくわかんないとこで通じ合ってるんです。疎外感、半端ない!
「部屋わけどーなったかにゃ?」
「さぁ?」
雪芽さんは首を傾げる。
「え、どーせユウがソラの面倒みるって言って同じ部屋になって、瞬先輩が渋々と言った感じで灰咲先生請け負うんじゃないですか?」
「「確かに」」
いや、神妙な顔で頷かれちゃってますよ、四人さま?
「さーて、そろそろ遊ぶかにゃ!」
「そうね」
「えーと、なにいります?」
「財布かしら」
財布ですか……。
「あとはー、パンフレットかしら」
「あと、水筒にゃ。場内で買うのはやめよーね、絶対に高いもん」
ですね!あれ、ぼったくりですよね!
私たちは、水筒とかを入れる小さい肩掛けバックにお財布、パンフレット、水筒などを入れ、外に出る。
すると、男子組が待っているところで、声をかける。
「やっほー」
「おせーぞ」
「来たかーーー」
灰咲先生が言葉を止める。
私たちの背後を見ているようなので振り返ると、そこには緑髪に私と同じ少し青がかったエメラルド?の瞳をもつヤンチャそうな男子と、紫髪に紫目の大人しい、お堅そうな男子がいた。
「んなっ?」
「……最悪だ」
「それはこっちのセリフだ」
よ、よよよ宵衣先輩?!こ、声が!声が!ワントーンと言わず、ツートーン低い!低いですっ!
えーと、察するにこの方々、犬猿の仲っすかね?
「……なんでお前たちがいるんだ」
お~、最近全然見かけなくなっていた上から目線瞬先輩、再発動ですね!
「げっ、メガネヤロー」
め、めがねwwメガネヤローてwwあ、やばい。なんか、ツボった。
「はぁ……いきますよ、真文」
あ、真文っていうんだ、緑髪の人。
「え、なんでだよ。この部屋じゃねーか」
「「「はぁ???」」」
わぁお、えーと、宵衣先輩、灰咲先生、瞬先輩がハモりましたね。
「と、隣の部屋だったかしらぁ~? あれ、ん?二個隣だったはずなのに……」
ん?雪芽さん?いま爆弾発言せんかった?
雪芽さんの右肩を宵衣先輩、左肩を灰咲先生がガシッと掴む。
「おい、」
「ゆっきぃー?」
「お前さぁ、」
「いま、」
「「なんて言った?(圧)」」
おぉ、ナイス・コンビネーションーーーじゃなぁいい!!! 怖いんですけどっ!!
いや、もうヤバい。怖い。
いや、声のトーン低いなんてもんじゃないしさ、なんならちょっと体震えるからね?!
「あ、あぁ~……ミスった」
「ミスった、じゃないよ♪」
音符マークが逆に怖い。
「雪芽、ちょっと行こうか?」
灰咲先生、そう言って自室であろう部屋を指差します。
「……一生の不覚っ」
いや、雪芽さん?そう言って崩れ落ちることができるくらい余裕なんすか。すごいっすね。
こんな形で、二日間の休暇が始まるなんて、思ってもなかった。
そして、ほんっとに、あの人たちは誰ぇっ?!!
いやむっっっちゃ先やん!
し・か・も!宿題終わった人だけという鬼畜ルールまでつきまして。
今、私とソラは、カーペットの上で死体となっております。
「終わった……」
「生きたかったぁ……」
「おまえら、大袈裟」
ユウがソラのことをパンフレットか何かで小突きながら、私達を嗜める。
ユウさんさぁ、なんだかんだ言ってソラのことを小突くの、クセだよね。いや、これをクセとして分類していいのかはわかんないけどさ、絶対にクセになってるよね。うん。
ドンッ
背中に衝撃が走る。
「うぅ?!」
そこには、もこもこの物体があった。
はい、そうです。皆様お気づきの通り、シキくんですね。
「シキくん、君までそちら側に……」
私はがくっ、と倒れ込みながらそういう。
「そちら側ってなんだよ」
ナイス・ツッコミです、ユウ。
「シキ、宿題、どこにあるかわかるか?」
おぉい?え、マジ?
え、宵衣先輩、宿題の場所、シキくんに聞くんですか……。
「ワン?クゥゥ……」
シキくんは渋々、と言うふうに私のそばから離れていって、ついてこい、と言う風に先導して歩いていく。
しばらくすると、先輩は降りてきた。……テキストとノートを持って。
「え、見つかったんですか?」
「うん。さすがシキだね~、覚えててくれたよ♪」
いやいやいやいや!
シキくん、神的じゃない?!
というか、ペット(二歳)に頼ってる宵衣先輩、逆にやばくないっすか?
「ねぇねぇ、宿題ってやらなきゃだめー?」
「いや、駄目だろ」
「宿題の範囲ってなんだっけ?」
「C組はしらねぇよ。Bは確か、自分の分野についてのレポートと、あと作品提出だって、クラスのやつが言ってた」
さすが、我らが情報局ユウ!
いや、でも、そこはC組までわかってて欲しかったなぁ。
「おー、やってる……な?」
疑問形っすね、灰咲先生。
まぁ、一切やってないけどね!
もうなんの話してたのかわかんないんですが。
「宿題、早く終わらせちゃってーーーと言いたいけど、日程とかの予定話して、ちょっと近状報告して、今日はお開きにしましょう」
はい、わかりましたー。
私とソラは立ち上がり、それぞれが好きなところに座る。
「マッくんはどこだ?」
首を左右にふらして、周りを確認しながら、宵衣先輩がそう言う。
……たしかに、瞬先輩、いない。
いつも静か~に、本を読んでるんで、存在感ないんだよな、瞬先輩。
「シー、連れてきてくれっ」
「クゥ?ワンっ」
『えぇ?やだよっ』とで言うかのように鳴き、ふぃっとそっぽを向いてしまうシキ。
いやだから、シキはどーゆーポディションなの?
もう言動?が人間なのですが。
「マッくんがこないと、マッくんが困るんだぞ?」
「ワ、ワゥッ」
渋々と言うか、脅されてと言うか、まぁそんな感じで、シキは部屋を出ていく。
いやぁ、ここの関係図ほんっとなんなんでしょうね。
「で、日程の話よりも、近状報告しましょうか」
瞬先輩、まだきてませんもんね。
「えーと、LINEの事件以来、何かあった?」
たしかに、LINE事件が結構印象に残ってますからね。
「えーと、私からでいいですか?」
周りに確認をとると、うんうん、と頷かれる。
「私は、あれ以来、まぁいつものことながら近寄られはしませんけど、朱音と結構仲良くなれました。仕事がない時とか、みんながいないときはよく一緒にいます」
仲良くなれたきっかけとなったからいいものの、きっかけにならなかったら全くの無駄だよね。というか、損害。
「なるほどー」
宵衣先輩が相槌を打つと同時に、扉がガチャっと開いて、シキくんと瞬先輩が入ってくる。
ナイス・タイミングっす!
「なにやってるんだ?」
「近状報告よ。まぁ、まずは私たちの報告からさせてもらおうかしら」
瞬先輩が、ダイニングの椅子に腰かけると、雪芽さんが立ち上がる(同じく、ダイニングの椅子に座ってました)。
て、あれ?近状報告、私だけがさせられる損役パターン?!
「五月四日って言ったけど、あれはなし。五月三日から四日にかけて、遊園地のまぁ安いホテルがあったから、そこに泊まって、遊びまくりましょう。ただし、宿題を終わらせられない子は連れて行ってはあげるけど、ミカちゃんの煽り+司佐くんの上から目線+勉強ってことでよろしく♪」
ま、マジで……?
「あ、あと。遊ぶときは遊んでいーんだけど、灰咲と役柄交換みたいな感じで基本荷物持ちとかさせられるし、なんだかんだお小遣いからおごらされるから。 ちゃーんと、やっておいてね?」
ぶ、ブラック!!
ここ、ブラック企業じゃないですか!いや、企業ではないが、ブラック企業も同然ですよっ。
といいますか、さらっと脅しかけるのやめてください!怖いです!
「……ドンマイ?」
うん、ユウくん。いや、励ましならばもっと別の言葉あるでしょ。てか、なんで疑問形なのよ。
そんなこんなでゴールデンウィークがはじまった。
私とソラはほぼ缶詰状態で宿題を終わらせ、ユウたち成績上位組は、優雅にお茶なんかしちゃって。
格差社会だよっ!
ま、そんなこんなで話が始まりまして、今日!
いや、もう話すことないんでペースアップです。
「さぁて、みんな遊びましょうね」
「いやなんでお前が遊ぶ気なんだよ。俺らは保護者役だろーが」
うん確かに!いやぁ、雪芽さんいると、灰咲先生まともになるよね。これ以上だめなのが増えるとまずいってわかってるんだろーな~。……うん、やべぇわ(想像したらゾッとした)。
「で、問題のクーちゃんとそらっち」
私とソラの肩がビクッと震える。
「宿題は?」
にっこり笑顔で宵衣先輩が訪ね、よこで同じく笑顔の雪芽さんがこちらを見る。
ひえっ、怖いです、お二方!
「「お、終わってますっっっ」」
私たちは声と肩を震わせながら、そう答えた。いや、怖いな、この人たち!
「よーし、なら遊ぶぞっ」
「お~」
なぜそこを雪芽さんが言う?
私たちは、そんな話し合いをしながら、ホテルに入る。
「ここ、本当に安いんですか?」
いや、見るからにそこそこ、と言うかかなりなんだけど!
「えぇ、遊園地客には安くなっててね。少人数の時は違うとこに行ったりするのがいいんだけど、大人数だからお得なの♪」
「そのお得がどれくらいなのか知りたいねぇー」
茶化すように灰咲先生が横槍を入れる。
え、どゆこと?
いや、雪芽さんはわかっているようで「なんか文句あるわけぇ?」と言い返してますけど、宵衣先輩も参戦して「にゃははっ」とか煽ってますけど、こちらとしては全くわかりませんね!はい!
「部屋は、女の子と、男の子で、男の子はふた部屋あるから」
なるほどですね。
「広い部屋だにゃ」
宵衣先輩~?いまね、部屋の振り分け中だから入るのちょい待ってー?
「あぁ……、じゃ、ここが女子部屋で、あっちのふた部屋が男子部屋だから、好きに振り分けてね」
雪芽さんはそう言って瞬先輩とユウに鍵を渡す。
……男子組最年長の灰咲先生に渡さないとは、わかっていたけれど信用されてねーな、あの人。
そう思いながら、部屋に入ると、そこは思ったよりも広く、ベットは二つだけど、ソファが完全にベットソファってやつですし!
いや快適だな!
「誰がベットソファかね」
あー、そうですね。
「ゆっきーはなにがなんでもベットだからおいておいて~」
うん確かに。
「どっちがいー?ボクはどっちでもいー」
「えぇ、いや、私もどちらでもいいんですけど……」
いや、好奇心がくすぐられるけど、さすがに試す程の度胸はないと言うかさ。ね?
「じゃ、ボクがベットソファねー」
「あ、え?は、はい」
マジかー。まあ、行くかなとは思ったけど。マジかー。
さすがっすね、宵衣先輩。
「あら~?そうぅ?」
なんかむっっちゃ含みある言い方しますね、雪芽さん!
いやあの、なんだかよくわからないつかめない先輩と、得体の知れない生態でありそうな管理人さんと同じ部屋ってさ、思ったらやばくね?
そしてこの二人、よくわかんないとこで通じ合ってるんです。疎外感、半端ない!
「部屋わけどーなったかにゃ?」
「さぁ?」
雪芽さんは首を傾げる。
「え、どーせユウがソラの面倒みるって言って同じ部屋になって、瞬先輩が渋々と言った感じで灰咲先生請け負うんじゃないですか?」
「「確かに」」
いや、神妙な顔で頷かれちゃってますよ、四人さま?
「さーて、そろそろ遊ぶかにゃ!」
「そうね」
「えーと、なにいります?」
「財布かしら」
財布ですか……。
「あとはー、パンフレットかしら」
「あと、水筒にゃ。場内で買うのはやめよーね、絶対に高いもん」
ですね!あれ、ぼったくりですよね!
私たちは、水筒とかを入れる小さい肩掛けバックにお財布、パンフレット、水筒などを入れ、外に出る。
すると、男子組が待っているところで、声をかける。
「やっほー」
「おせーぞ」
「来たかーーー」
灰咲先生が言葉を止める。
私たちの背後を見ているようなので振り返ると、そこには緑髪に私と同じ少し青がかったエメラルド?の瞳をもつヤンチャそうな男子と、紫髪に紫目の大人しい、お堅そうな男子がいた。
「んなっ?」
「……最悪だ」
「それはこっちのセリフだ」
よ、よよよ宵衣先輩?!こ、声が!声が!ワントーンと言わず、ツートーン低い!低いですっ!
えーと、察するにこの方々、犬猿の仲っすかね?
「……なんでお前たちがいるんだ」
お~、最近全然見かけなくなっていた上から目線瞬先輩、再発動ですね!
「げっ、メガネヤロー」
め、めがねwwメガネヤローてwwあ、やばい。なんか、ツボった。
「はぁ……いきますよ、真文」
あ、真文っていうんだ、緑髪の人。
「え、なんでだよ。この部屋じゃねーか」
「「「はぁ???」」」
わぁお、えーと、宵衣先輩、灰咲先生、瞬先輩がハモりましたね。
「と、隣の部屋だったかしらぁ~? あれ、ん?二個隣だったはずなのに……」
ん?雪芽さん?いま爆弾発言せんかった?
雪芽さんの右肩を宵衣先輩、左肩を灰咲先生がガシッと掴む。
「おい、」
「ゆっきぃー?」
「お前さぁ、」
「いま、」
「「なんて言った?(圧)」」
おぉ、ナイス・コンビネーションーーーじゃなぁいい!!! 怖いんですけどっ!!
いや、もうヤバい。怖い。
いや、声のトーン低いなんてもんじゃないしさ、なんならちょっと体震えるからね?!
「あ、あぁ~……ミスった」
「ミスった、じゃないよ♪」
音符マークが逆に怖い。
「雪芽、ちょっと行こうか?」
灰咲先生、そう言って自室であろう部屋を指差します。
「……一生の不覚っ」
いや、雪芽さん?そう言って崩れ落ちることができるくらい余裕なんすか。すごいっすね。
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