37 / 64
六章 おでかけ
はぁ、初日でコレ?(短め)
しおりを挟む
それから、灰咲先生は、宵衣先輩に連行されるような形で買い出しに出かけ、私たちは部屋の掃除をし、ソラはどっかに逃げつつ、ユウの逃亡を阻止した。
そんなこんなであっという間に夜!
こんな早く夜が来るなんて思ってなかったよ!遊びたい!
私たちは、ご飯の後、花火をしていた。
いやぁ、この花火さ、やりたいからって灰咲先生に買わせましたからね、宵衣先輩。
こーゆーのって、最終日にやるもんだと思うんだけど、まぁいっか。
今は、もうユウもだいぶ落ち着いたらしく、砂浜の流れ着いた木みたいなのに座ってる。
さすがに、逃げそうだから、ってユウがそこから動くのをソラは許してない。
に、逃げはしないと思うぞ……?
「クーちゃん、やらないのかい?」
あっ、回想か何かをしていたらあっという間にソラが遊び散らかしてた!
いや、流石に二刀流はやめぇ。
「キレーなのください!」
「そらっちは面白いので、キミは綺麗なのかいww」
あ~、確かに言いそうだわ。
面白いのちょーだい!って。
「……」
そして向こうでは考え込んでる無言の圧が怖い人がいるね、うん。
「よ、宵衣先輩……」
「ん?」
花火を灰咲先生の方に向けて振り回しながら宵衣先輩はこちらを振り返る。
「帝、見ずに振り回すな!」
火の粉を危うく浴びかけた灰咲先生が悲鳴のような叫び声を上げた。
「いや、本当に危ないですけどっ」
「いや。センセーの生命力、G並みだからヘーキだろ」
にゃはは、と笑う。
いや、笑い事じゃない!
そしてさりげなく虫の中で一番嫌われてそうな代名詞言わないで!
「で、なんだい?」
火をバケツの中に放り込んだ宵衣先輩は、私の横に立つ。
「ユウのことです」
「あ~、倒れたね」
それはいいんですけどね。
まぁダメだけど。
「はい。 それから、なんか放心状態というか」
「ユーキんは、働くことが生きがいみたいなところあるじゃん?」
うん、否定はしません。
幼馴染みである私が否定しませんというか、肯定しましょう。
ユウの生きがいは、働くこと、私たちの面倒を見ること、学習すること……など。要するに、優等生オカンであること!
「それを奪ったとなると……」
「あ、死にそうだって?」
ま、まぁ言い方はアレですけど、そーゆーことです。
まるで尸のようなのですよ、あいつ。
「それなら、様子見とけば?」
「え?」
「隣で話してあげるとか~、相談するくらいでもいーと思う」
「いや、私に得しかない」
「相談事はオカンの仕事だろ?」
あ、仕事をできる範囲で与えてやれってことかな。
それなら、私にもできるかも。
「やってみますね!」
「うん」
「ありがと~ございます」
「いーよ。 ……そらっちに気をつけて」
「え?なんですかー?」
そこそこ離れたところで、宵衣先輩がなにやら呟いた気がしたから振り返る。
「ん?」
「何か言いませんでした?」
「そらっちのこと見てないと、花火終わるぞって」
「あ!」
ほんっとだ!
あんなに山盛りあった花火がほとんど消えてるよ!怖い!ホラー!
「くーれーちゃーん!」
ソラが手を振るから、そっちへ行く。
「見ててね?」
そう言ってソラは何かに火をつけ、私の手をとって離れた。
ヒュー
バンッ
打ち上げ花火!
「あっ、影島! それ、俺が用意してたやつ!」
と、慌てた様子の灰咲先生。
今回の旅行、とことん損役だな、灰咲先生。
「ユーくん!みたぁー?」
と、ソラはぴょんぴょん跳ねて、ユウに手を振る。
「見た見た」
と、軽く手を振り返すユウ。
大人の対応だ~。いや、大人じゃないけどね?
でもさ、灰咲先生よりずっと大人な感じする。
「ユウもやろ」
私たちは、ユウのそばに寄って、火のついてない花火を渡した。
「俺はいい」
受け取らないけど無理やり握らせる。
こーゆーときの私とソラのわがまま強制力なめんな。
「やろー!」
「おー!」
「なんで俺まで……」
その日私たちは、思い思いに花火を楽しんだ。
それで、少しユウが救われてたならいーな。
あのままだと、海にでも行って、死にそうだったんだもん。
現に、ユウの精神状態は、自殺を考えていたーーー。
そんなこんなであっという間に夜!
こんな早く夜が来るなんて思ってなかったよ!遊びたい!
私たちは、ご飯の後、花火をしていた。
いやぁ、この花火さ、やりたいからって灰咲先生に買わせましたからね、宵衣先輩。
こーゆーのって、最終日にやるもんだと思うんだけど、まぁいっか。
今は、もうユウもだいぶ落ち着いたらしく、砂浜の流れ着いた木みたいなのに座ってる。
さすがに、逃げそうだから、ってユウがそこから動くのをソラは許してない。
に、逃げはしないと思うぞ……?
「クーちゃん、やらないのかい?」
あっ、回想か何かをしていたらあっという間にソラが遊び散らかしてた!
いや、流石に二刀流はやめぇ。
「キレーなのください!」
「そらっちは面白いので、キミは綺麗なのかいww」
あ~、確かに言いそうだわ。
面白いのちょーだい!って。
「……」
そして向こうでは考え込んでる無言の圧が怖い人がいるね、うん。
「よ、宵衣先輩……」
「ん?」
花火を灰咲先生の方に向けて振り回しながら宵衣先輩はこちらを振り返る。
「帝、見ずに振り回すな!」
火の粉を危うく浴びかけた灰咲先生が悲鳴のような叫び声を上げた。
「いや、本当に危ないですけどっ」
「いや。センセーの生命力、G並みだからヘーキだろ」
にゃはは、と笑う。
いや、笑い事じゃない!
そしてさりげなく虫の中で一番嫌われてそうな代名詞言わないで!
「で、なんだい?」
火をバケツの中に放り込んだ宵衣先輩は、私の横に立つ。
「ユウのことです」
「あ~、倒れたね」
それはいいんですけどね。
まぁダメだけど。
「はい。 それから、なんか放心状態というか」
「ユーキんは、働くことが生きがいみたいなところあるじゃん?」
うん、否定はしません。
幼馴染みである私が否定しませんというか、肯定しましょう。
ユウの生きがいは、働くこと、私たちの面倒を見ること、学習すること……など。要するに、優等生オカンであること!
「それを奪ったとなると……」
「あ、死にそうだって?」
ま、まぁ言い方はアレですけど、そーゆーことです。
まるで尸のようなのですよ、あいつ。
「それなら、様子見とけば?」
「え?」
「隣で話してあげるとか~、相談するくらいでもいーと思う」
「いや、私に得しかない」
「相談事はオカンの仕事だろ?」
あ、仕事をできる範囲で与えてやれってことかな。
それなら、私にもできるかも。
「やってみますね!」
「うん」
「ありがと~ございます」
「いーよ。 ……そらっちに気をつけて」
「え?なんですかー?」
そこそこ離れたところで、宵衣先輩がなにやら呟いた気がしたから振り返る。
「ん?」
「何か言いませんでした?」
「そらっちのこと見てないと、花火終わるぞって」
「あ!」
ほんっとだ!
あんなに山盛りあった花火がほとんど消えてるよ!怖い!ホラー!
「くーれーちゃーん!」
ソラが手を振るから、そっちへ行く。
「見ててね?」
そう言ってソラは何かに火をつけ、私の手をとって離れた。
ヒュー
バンッ
打ち上げ花火!
「あっ、影島! それ、俺が用意してたやつ!」
と、慌てた様子の灰咲先生。
今回の旅行、とことん損役だな、灰咲先生。
「ユーくん!みたぁー?」
と、ソラはぴょんぴょん跳ねて、ユウに手を振る。
「見た見た」
と、軽く手を振り返すユウ。
大人の対応だ~。いや、大人じゃないけどね?
でもさ、灰咲先生よりずっと大人な感じする。
「ユウもやろ」
私たちは、ユウのそばに寄って、火のついてない花火を渡した。
「俺はいい」
受け取らないけど無理やり握らせる。
こーゆーときの私とソラのわがまま強制力なめんな。
「やろー!」
「おー!」
「なんで俺まで……」
その日私たちは、思い思いに花火を楽しんだ。
それで、少しユウが救われてたならいーな。
あのままだと、海にでも行って、死にそうだったんだもん。
現に、ユウの精神状態は、自殺を考えていたーーー。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件
こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる