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公爵家の戦力アップ
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「し、失礼しました!私はサイゾウと申します、ほらみんなも自己紹介を!」
「サスケにございます。」
「ユリです。」
「セイカイだ」
「イサ」
「アナヤマにございます。」
「カケイと申します」
「ウンノでござる」
「ネヅだ、よろしく頼む」
「モチヅキ」
各自名乗りをあげてくれた。
「知っての通り、アベルと申します。皆さんも俺の護衛でいいのですか?」
「もちろん、異論はございません。ただ出来れば戦が終われば一度我等の国を訪れてもらえませんか?」
「わかりました、国王陛下にお願いしてみますが行けるかはわかりませんよ。」
「お願い致します!」
こうして配下が出来たことをユミナに話した。
「アベルさま、その方を達は信用出来るのですか?」
「たぶんね、話してる事に嘘はなさそうだったし。」
「そうですか、アベルさま、オウカ国に行くのですか?」
ユミナは寂しそうな顔をしながら聞いてくる。
「1度は行ってみたいと思う、母さんがどんな人か聞いてみたいし、叔父さんがどんな人かとか興味はあるし。」
「でも、向こうにいったら帰って来ないのでは?」
「あー、大丈夫だよユミナ、向こうに行ったら王族扱い受けるって話だよ、色々自由が無くなりそうじゃん。そんな窮屈な暮らしはやだよ。」
「ふふ、そうですね。」
ユミナは少し笑う。
「それに今の俺はユミナの婚約者だろ?婚約者おいて国を捨てるなんて真似はしたくないな。」
「アベルさま・・・」
ユミナはうっとりした顔をする。
俺はユミナの頭を撫でた。そこにユリウスがやってくる。
「アベルさん、お話が・・・後にしますね。」
ユリウスは二人をを見て180°回転して出ていこうとする。
「ユリウスさま、なんでしょう?後にしなくても大丈夫ですよ。」
「お兄様、タイミングが最高に悪いですわ、空気を読める男になってください!」
ユミナは不機嫌そうにユリウスを責める。
「ご、ごめんよユミナ、アベルさん、後でいいんですよ。どうぞ二人でお楽しみを。」
「いやいや、ユリウスさま、気にしすぎですって、さあ御用件を。」
ユリウスは身を正し、真剣な顔をして頭を下げた。
「では・・・アベルさま、先日アベルさまを襲った騎士の治療をお願い出来ませんか?」
「それは・・・」
公爵家を訪れた際に襲ってきた奴らは俺が腕を斬った後、牢に入れていた筈だったが。
「アベルさま、もちろん全員とは言いません。ちゃんと反省し、アベルさまに謝罪をしたものだけでもいいんです。」
ユリウスは渋る俺に必死に頼んでくる。
「なるほど、戦力にするのですか?」
「はい、あのような真似をした奴らですがローエン家の戦力でもあります。此度の戦の手柄次第で罪の軽減を約束すれば父の元で働いてくれると思い。」
「うーん、わかりました。正し、治すかどうかはアイツらの態度で決めたいと思います。」
「・・・わかりました、では1度アイツらにお会いしていただいても?」
「いいよ、時間も無いことだし、直ぐにやろう。」
「わかりました、直ぐに連れて来させます。」
そして、広間に元騎士達が連れて来られた。
連れて来られた騎士が俺を見た瞬間の顔は様々だった、
憎悪の目で見るもの、恐怖で震えるもの、そして、目をそらすものだった。
「皆、よく聞け、現在ローエン公爵領は危機にさらされている。」
元騎士達はざわめく。
「現在父が領地に戻り兵を集めている所だ、皆これに思う事は無いか!」
年配の男がユリウスの眼をしっかり見ながら。
「ユリウスさま!僭越ながら縛を解いていただけませんか、たとえ片腕でも、故郷の危機に駆け付けたいと思います!」
「我も!」
「1兵士としてでもかまいません!何卒戦わしてください!」
その場の半数ぐらいは必死に訴えていた。
そんな中、両腕を失っていたマルクスは
「ユリウスさま、悲しいですな、我等が万全な状態なら多少の危機、難なく乗り越えられたのに、そこの平民ごときに入れ込んで我等をこのような目に合わせるから天罰が下ったのですよ。」
「マルクス、それは私の命令を聞かなかった事を正当化する気か?」
「長年一族で仕えてきたのにたかが若様の分際で重臣たる我等に命令することが間違っているのです!」
「おのれ!」
「ユリウスさま、落ち着いてください。」
「アベルさん・・・」
「改めて聞きます。たとえ片手でも故郷を救いたい方は名乗り出てください。」
先程訴えてきた半数は名乗り出ていた。
しかし、名乗り出なかった奴らは止めさせようと騒ぎ出す。
「お前ら騙されるな!前線で使い潰されるだけだぞ!」
「奴隷兵になる気か!考えなおせ!」
しかし、名乗り出た奴らは・・・
「うるせー!故郷には家族もいるんだ、この一件で迷惑をかけていると思うが・・・だからこそ、家族の危機に命をかけないと天国で合わす顔もないだろ!」
「長年奉公してきた誇りがある。ハインリッヒさまが出陣なさるのに私がこのような場所で牢にいるままなどとは、受け入れられるか!」
両者の口論が激しくなる。
「沈まれ!」
ユリウスの声で口論が止まる。
「その方達の思いはわかった、誰しも間違いはあろう。どうだ、アベルさんに謝罪することは出来るか?」
出兵を希望する半数にユリウスは問う。
「はっ!今思えばユリウスさまの命に背き、客人たるアベルさまに剣を向けた非礼、許していただきたい。」
半数の者は素直に頭を下げる。
「お前らは誇りが無いのか!何故平民ごときに頭を下げる必要がある!そこの平民こそ我等に頭を下げるべきだ!」
「黙れ!アベルさんを平民だと?アベルさんは既に子爵になられておる。お前達が侮辱していい存在ではないわ!わかったら静かにしておけ!」
ユリウスの叫びに、反対派の声は静かになる。
そして、ユリウスは出兵希望の騎士に向け。
「1度命令に背いたとはいえ、そなた達は我が家の騎士である。戦場の働き次第で恩赦が出る事を約束いたそう。」
「はっ!この身を捧げる所存であります。」
「うむ、アベルさん彼等を頼めますか?」
「うん、彼等ならいいでしょう。」
「何の話でしょう?」
困惑する騎士の腕を回復させた。
「あっ、腕が!腕がある!」
「その腕でローエン公爵家を助けてやってくれ。」
「アベル殿かたじけない!これで戦える・・・」
騎士は涙し感謝してくる。
そして、出兵希望の騎士は全員回復させる。
「ユリウスさま、終わりましたよ。」
「ありがとうございます。」
「ま、待ってくれ、俺も回復してくれないか!」
マルクスが訴えてくる。
「なんで?」
俺が聞き返すと、
「俺はこの中で1番腕が立つ、戦場で活躍出来るのは俺が1番だ、俺も出陣してやるから早く腕を治してくれ。」
「断る!」
「なんだと!貴様は公爵領がどうなってもいいのか!」
「俺は元々お前らを治す気は無かったんだよ、それをユリウスさまが1度だけチャンスをくれと頭を下げたから引き受けたんだ。もし、お前達が騎士として相応しい心構えを持っていたら俺は治しただろう。しかし、どうだ、お前達は故郷の危機にも動こうとしないそんな奴がどれだけの働きをすると言うんだ。俺はそんな奴を治す気は無い!」
ユリウスが頭を下げたとの話で、出兵希望の騎士は涙していて。
「ユリウスさま、申し訳ありません・・・」
反対派の騎士も涙をながし、今更ながら後悔していた。
「・・・俺達は、くぅ!」
だが、見苦しい奴はいるもので・・・
「だから、どうしたと言うんだ!ユリウスさまが頭を下げたなら全員治す必要がある筈!さっさと治さんか、この平民上がりが!」
「アベルさんへの数々の無礼既に許す事は出来ん、マルクスを引っ立て即時首をはねよ!」
ユリウスはハッキリと宣言した。
「なっ!ユリウスさま、何故ですか!」
「何故か?この愚か者が!捕まった騎士風情が子爵に罵声を浴びせてただで済むと思うのか!」
「あっ・・・」
マルクスは今更ながら自分の失言に気付く。
「捕まって知らない時ならまだしも、私はさっき説明した筈だ。」
「お、お待ちください、私はそんなつもりはなく・・・」
「つもりも何もあるか!アベルさん、当家の者が失礼しました。」
ユリウスは頭を下げる。
「ユリウスさまが頭を下げる必要はございません。そこの愚か者の戯言でしょう。」
「ありがとうございます。さっさと連れていけ!」
マルクスは兵士に連れていかれる。
「ユリウスさま、どうかお許しを・・・命ばかりは!頼みます!どうか・・・」
命乞いの声は段々聞こえなくなっていった。
「サスケにございます。」
「ユリです。」
「セイカイだ」
「イサ」
「アナヤマにございます。」
「カケイと申します」
「ウンノでござる」
「ネヅだ、よろしく頼む」
「モチヅキ」
各自名乗りをあげてくれた。
「知っての通り、アベルと申します。皆さんも俺の護衛でいいのですか?」
「もちろん、異論はございません。ただ出来れば戦が終われば一度我等の国を訪れてもらえませんか?」
「わかりました、国王陛下にお願いしてみますが行けるかはわかりませんよ。」
「お願い致します!」
こうして配下が出来たことをユミナに話した。
「アベルさま、その方を達は信用出来るのですか?」
「たぶんね、話してる事に嘘はなさそうだったし。」
「そうですか、アベルさま、オウカ国に行くのですか?」
ユミナは寂しそうな顔をしながら聞いてくる。
「1度は行ってみたいと思う、母さんがどんな人か聞いてみたいし、叔父さんがどんな人かとか興味はあるし。」
「でも、向こうにいったら帰って来ないのでは?」
「あー、大丈夫だよユミナ、向こうに行ったら王族扱い受けるって話だよ、色々自由が無くなりそうじゃん。そんな窮屈な暮らしはやだよ。」
「ふふ、そうですね。」
ユミナは少し笑う。
「それに今の俺はユミナの婚約者だろ?婚約者おいて国を捨てるなんて真似はしたくないな。」
「アベルさま・・・」
ユミナはうっとりした顔をする。
俺はユミナの頭を撫でた。そこにユリウスがやってくる。
「アベルさん、お話が・・・後にしますね。」
ユリウスは二人をを見て180°回転して出ていこうとする。
「ユリウスさま、なんでしょう?後にしなくても大丈夫ですよ。」
「お兄様、タイミングが最高に悪いですわ、空気を読める男になってください!」
ユミナは不機嫌そうにユリウスを責める。
「ご、ごめんよユミナ、アベルさん、後でいいんですよ。どうぞ二人でお楽しみを。」
「いやいや、ユリウスさま、気にしすぎですって、さあ御用件を。」
ユリウスは身を正し、真剣な顔をして頭を下げた。
「では・・・アベルさま、先日アベルさまを襲った騎士の治療をお願い出来ませんか?」
「それは・・・」
公爵家を訪れた際に襲ってきた奴らは俺が腕を斬った後、牢に入れていた筈だったが。
「アベルさま、もちろん全員とは言いません。ちゃんと反省し、アベルさまに謝罪をしたものだけでもいいんです。」
ユリウスは渋る俺に必死に頼んでくる。
「なるほど、戦力にするのですか?」
「はい、あのような真似をした奴らですがローエン家の戦力でもあります。此度の戦の手柄次第で罪の軽減を約束すれば父の元で働いてくれると思い。」
「うーん、わかりました。正し、治すかどうかはアイツらの態度で決めたいと思います。」
「・・・わかりました、では1度アイツらにお会いしていただいても?」
「いいよ、時間も無いことだし、直ぐにやろう。」
「わかりました、直ぐに連れて来させます。」
そして、広間に元騎士達が連れて来られた。
連れて来られた騎士が俺を見た瞬間の顔は様々だった、
憎悪の目で見るもの、恐怖で震えるもの、そして、目をそらすものだった。
「皆、よく聞け、現在ローエン公爵領は危機にさらされている。」
元騎士達はざわめく。
「現在父が領地に戻り兵を集めている所だ、皆これに思う事は無いか!」
年配の男がユリウスの眼をしっかり見ながら。
「ユリウスさま!僭越ながら縛を解いていただけませんか、たとえ片腕でも、故郷の危機に駆け付けたいと思います!」
「我も!」
「1兵士としてでもかまいません!何卒戦わしてください!」
その場の半数ぐらいは必死に訴えていた。
そんな中、両腕を失っていたマルクスは
「ユリウスさま、悲しいですな、我等が万全な状態なら多少の危機、難なく乗り越えられたのに、そこの平民ごときに入れ込んで我等をこのような目に合わせるから天罰が下ったのですよ。」
「マルクス、それは私の命令を聞かなかった事を正当化する気か?」
「長年一族で仕えてきたのにたかが若様の分際で重臣たる我等に命令することが間違っているのです!」
「おのれ!」
「ユリウスさま、落ち着いてください。」
「アベルさん・・・」
「改めて聞きます。たとえ片手でも故郷を救いたい方は名乗り出てください。」
先程訴えてきた半数は名乗り出ていた。
しかし、名乗り出なかった奴らは止めさせようと騒ぎ出す。
「お前ら騙されるな!前線で使い潰されるだけだぞ!」
「奴隷兵になる気か!考えなおせ!」
しかし、名乗り出た奴らは・・・
「うるせー!故郷には家族もいるんだ、この一件で迷惑をかけていると思うが・・・だからこそ、家族の危機に命をかけないと天国で合わす顔もないだろ!」
「長年奉公してきた誇りがある。ハインリッヒさまが出陣なさるのに私がこのような場所で牢にいるままなどとは、受け入れられるか!」
両者の口論が激しくなる。
「沈まれ!」
ユリウスの声で口論が止まる。
「その方達の思いはわかった、誰しも間違いはあろう。どうだ、アベルさんに謝罪することは出来るか?」
出兵を希望する半数にユリウスは問う。
「はっ!今思えばユリウスさまの命に背き、客人たるアベルさまに剣を向けた非礼、許していただきたい。」
半数の者は素直に頭を下げる。
「お前らは誇りが無いのか!何故平民ごときに頭を下げる必要がある!そこの平民こそ我等に頭を下げるべきだ!」
「黙れ!アベルさんを平民だと?アベルさんは既に子爵になられておる。お前達が侮辱していい存在ではないわ!わかったら静かにしておけ!」
ユリウスの叫びに、反対派の声は静かになる。
そして、ユリウスは出兵希望の騎士に向け。
「1度命令に背いたとはいえ、そなた達は我が家の騎士である。戦場の働き次第で恩赦が出る事を約束いたそう。」
「はっ!この身を捧げる所存であります。」
「うむ、アベルさん彼等を頼めますか?」
「うん、彼等ならいいでしょう。」
「何の話でしょう?」
困惑する騎士の腕を回復させた。
「あっ、腕が!腕がある!」
「その腕でローエン公爵家を助けてやってくれ。」
「アベル殿かたじけない!これで戦える・・・」
騎士は涙し感謝してくる。
そして、出兵希望の騎士は全員回復させる。
「ユリウスさま、終わりましたよ。」
「ありがとうございます。」
「ま、待ってくれ、俺も回復してくれないか!」
マルクスが訴えてくる。
「なんで?」
俺が聞き返すと、
「俺はこの中で1番腕が立つ、戦場で活躍出来るのは俺が1番だ、俺も出陣してやるから早く腕を治してくれ。」
「断る!」
「なんだと!貴様は公爵領がどうなってもいいのか!」
「俺は元々お前らを治す気は無かったんだよ、それをユリウスさまが1度だけチャンスをくれと頭を下げたから引き受けたんだ。もし、お前達が騎士として相応しい心構えを持っていたら俺は治しただろう。しかし、どうだ、お前達は故郷の危機にも動こうとしないそんな奴がどれだけの働きをすると言うんだ。俺はそんな奴を治す気は無い!」
ユリウスが頭を下げたとの話で、出兵希望の騎士は涙していて。
「ユリウスさま、申し訳ありません・・・」
反対派の騎士も涙をながし、今更ながら後悔していた。
「・・・俺達は、くぅ!」
だが、見苦しい奴はいるもので・・・
「だから、どうしたと言うんだ!ユリウスさまが頭を下げたなら全員治す必要がある筈!さっさと治さんか、この平民上がりが!」
「アベルさんへの数々の無礼既に許す事は出来ん、マルクスを引っ立て即時首をはねよ!」
ユリウスはハッキリと宣言した。
「なっ!ユリウスさま、何故ですか!」
「何故か?この愚か者が!捕まった騎士風情が子爵に罵声を浴びせてただで済むと思うのか!」
「あっ・・・」
マルクスは今更ながら自分の失言に気付く。
「捕まって知らない時ならまだしも、私はさっき説明した筈だ。」
「お、お待ちください、私はそんなつもりはなく・・・」
「つもりも何もあるか!アベルさん、当家の者が失礼しました。」
ユリウスは頭を下げる。
「ユリウスさまが頭を下げる必要はございません。そこの愚か者の戯言でしょう。」
「ありがとうございます。さっさと連れていけ!」
マルクスは兵士に連れていかれる。
「ユリウスさま、どうかお許しを・・・命ばかりは!頼みます!どうか・・・」
命乞いの声は段々聞こえなくなっていった。
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