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ランスロットの逃走劇
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ロキが反撃を開始した頃、ランスロットは緩やかに撤退を開始していた。
これまでの戦いで損害は出ていたがまだ1万2千からなる大軍であった。
その為、ランスロットからすれば、『まだ戦える!』という思いが強い、トリスタンの意見を採用したが、かなりの不満を持っていた。
そんな中でも、敵は襲いかかってくる。
「ランスロットさま、前方に敵兵が!」
「ケイに命じて蹴散らせ!」
苛立ちながら指示を送る。
「ランスロットさま!左右より敵軍が突撃して参ります。」
「ぬっ!トリスタンは二千で左に当たれ、右はルーカン二千だ、任したぞ。」
敵は仕掛けては撤退を繰返し、ランスロットの苛立ちは増すばかりであった。
「ランスロットさま、また前方に敵が・・・」
散発的に戦闘があると、兵の疲労も溜まり続ける。
「くっ!俺が蹴散らしてくれるわ!皆続け!」
「ランスロットさま、お待ちを!ランスロットさまー!!」
ランスロットは直属の騎兵を率いて、前方に突撃を敢行する。
「オラ!どけ蛮族どもが!」
ランスロットは騎兵の勢いそのままに敵陣を切り裂いて行く。
そして、抜けた先に待っていたのは・・・
落とし穴だった!
ランスロットを始め、多くの騎兵が落ちる事となった。
穴の中には槍が用意されており、兵の多くは串刺しになっていた。
それはランスロットも同じであった・・・
「グッ!何が・・・イタッ!どうなって?・・・俺の腕が!」
ランスロットは右腕に槍が刺さっている事に気付く、ランスロットは左手で落ちていた剣を拾い槍を切り、動けるようにする。
「ランスロットさま!ご無事ですか!」
穴の上からケイの声がする。
「ケガはしたが生きてる、引き上げてくれ。」
「お怪我を!すぐに引き上げますので暫しお待ちを!」
引き上げられたランスロットが見たのは自分の直属の騎兵三千の壊滅的被害だった。
生き残りはほとんどおらず、馬も大量に失った。
そして、引き上げている中でも敵は襲いかかってきていた。
ランスロットの元に軍医が来て治療に入る。
「ランスロットさま、応急措置は終わりましたが・・・」
「なんだ?終わったのなら下がれ。」
「いえ、お伝えしなければならぬ事が・・・」
「早く言え!俺は機嫌がわるいんだ!」
「では、ランスロットさまの右腕のお怪我ですがこのままだと切り落とさなくてはならなくなると。」
「なに?」
「応急措置には限界があります。早く治療設備が整った病院に行くか、腕の良い治癒士の方に魔法をかけてもらう必要があります。」
「な、なんだと!腕が無くなるというのか!」
「はい・・・今すぐ治療が出来ても治るかどうかは難しいぐらいのお怪我にございます。」
「くそっ!グッ!」
ランスロットは怒りに机を蹴ろうとするが腕の痛みで動きが止まる。
「ランスロットさま、無理はなされず!下手に動くとキズが開いてしまいます!」
「わかった・・・さがれ。」
軍医を下がらせ、ランスロットはこれからの事を考える。
自分の腕を考えると至急ノースの町に向かう必要がある。
ただ、敵の散発的な攻撃に身動きがとれなくもなっている。
ランスロットは決断した。
トリスタンとルーカン、ケイを呼ぶ。
「二人ともよく聞け、どうやら俺の腕は早く治療しなければ駄目になるそうだ。」
「そんな!」
ルーカンは涙を流しだす。
「それでだ、俺は一部の兵士を分けノースの町に最速で撤退しようと思う。」
「ランスロットさま、軍を置いていくおつもりですか!」
「仕方なかろう、そうしなければ腕が無くなるのだぞ。そこで本隊の指揮をケイに任せるつもりだ。トリスタンは俺と共にノースに向かう部隊を率いてくれ。ルーカンはケイと交代して先陣に入れ。」
「承りました。」
ケイは引き受けてくれたが、トリスタンは難色を示す。
「私は兵士を置いて撤退など出来ません!」
「トリスタン、耐えてくれ。俺の手勢が無くなった今、頼れるのはお前の部隊だけなんだ。頼む!」
ランスロットの懇願にトリスタンは折れる。
こうしてランスロットの撤退が始まった。
トリスタンの直属の部隊千の騎兵と共に先行して撤退を始める。
だが、ロキは離れた部隊を見逃さなかった。
「討ち取れ!絶対に逃がすな!」
サクソン軍の攻撃に合うがトリスタンは撤退を優先するため、後ろにいる兵士から討ち取られていく。
国境付近に辿り着いた頃には五百まで数を減らしていた。
「そこにいるのは王子さまじゃないか。」
ランスロットは声をかけられその方向を見るとトールがそこにはいた
「さあ、この前の続きをやろうぜ!」
トールは突撃を仕掛けてくる。
「防げ!」
トリスタンの指揮の元に兵士が当たるが、強行軍な上に、疲労困憊、既に戦える状況ではなかった。
「ランスロットさま、ここは私が引き受けますから、早くノースの町に!」
「トリスタン、すまない!」
トールの相手はトリスタンに任せて、兵士二百を連れノースを目指す。
ランスロットは更に追撃を受け、ノースに辿り着いた頃には兵士の数は百を切っていた・・・
これまでの戦いで損害は出ていたがまだ1万2千からなる大軍であった。
その為、ランスロットからすれば、『まだ戦える!』という思いが強い、トリスタンの意見を採用したが、かなりの不満を持っていた。
そんな中でも、敵は襲いかかってくる。
「ランスロットさま、前方に敵兵が!」
「ケイに命じて蹴散らせ!」
苛立ちながら指示を送る。
「ランスロットさま!左右より敵軍が突撃して参ります。」
「ぬっ!トリスタンは二千で左に当たれ、右はルーカン二千だ、任したぞ。」
敵は仕掛けては撤退を繰返し、ランスロットの苛立ちは増すばかりであった。
「ランスロットさま、また前方に敵が・・・」
散発的に戦闘があると、兵の疲労も溜まり続ける。
「くっ!俺が蹴散らしてくれるわ!皆続け!」
「ランスロットさま、お待ちを!ランスロットさまー!!」
ランスロットは直属の騎兵を率いて、前方に突撃を敢行する。
「オラ!どけ蛮族どもが!」
ランスロットは騎兵の勢いそのままに敵陣を切り裂いて行く。
そして、抜けた先に待っていたのは・・・
落とし穴だった!
ランスロットを始め、多くの騎兵が落ちる事となった。
穴の中には槍が用意されており、兵の多くは串刺しになっていた。
それはランスロットも同じであった・・・
「グッ!何が・・・イタッ!どうなって?・・・俺の腕が!」
ランスロットは右腕に槍が刺さっている事に気付く、ランスロットは左手で落ちていた剣を拾い槍を切り、動けるようにする。
「ランスロットさま!ご無事ですか!」
穴の上からケイの声がする。
「ケガはしたが生きてる、引き上げてくれ。」
「お怪我を!すぐに引き上げますので暫しお待ちを!」
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生き残りはほとんどおらず、馬も大量に失った。
そして、引き上げている中でも敵は襲いかかってきていた。
ランスロットの元に軍医が来て治療に入る。
「ランスロットさま、応急措置は終わりましたが・・・」
「なんだ?終わったのなら下がれ。」
「いえ、お伝えしなければならぬ事が・・・」
「早く言え!俺は機嫌がわるいんだ!」
「では、ランスロットさまの右腕のお怪我ですがこのままだと切り落とさなくてはならなくなると。」
「なに?」
「応急措置には限界があります。早く治療設備が整った病院に行くか、腕の良い治癒士の方に魔法をかけてもらう必要があります。」
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「はい・・・今すぐ治療が出来ても治るかどうかは難しいぐらいのお怪我にございます。」
「くそっ!グッ!」
ランスロットは怒りに机を蹴ろうとするが腕の痛みで動きが止まる。
「ランスロットさま、無理はなされず!下手に動くとキズが開いてしまいます!」
「わかった・・・さがれ。」
軍医を下がらせ、ランスロットはこれからの事を考える。
自分の腕を考えると至急ノースの町に向かう必要がある。
ただ、敵の散発的な攻撃に身動きがとれなくもなっている。
ランスロットは決断した。
トリスタンとルーカン、ケイを呼ぶ。
「二人ともよく聞け、どうやら俺の腕は早く治療しなければ駄目になるそうだ。」
「そんな!」
ルーカンは涙を流しだす。
「それでだ、俺は一部の兵士を分けノースの町に最速で撤退しようと思う。」
「ランスロットさま、軍を置いていくおつもりですか!」
「仕方なかろう、そうしなければ腕が無くなるのだぞ。そこで本隊の指揮をケイに任せるつもりだ。トリスタンは俺と共にノースに向かう部隊を率いてくれ。ルーカンはケイと交代して先陣に入れ。」
「承りました。」
ケイは引き受けてくれたが、トリスタンは難色を示す。
「私は兵士を置いて撤退など出来ません!」
「トリスタン、耐えてくれ。俺の手勢が無くなった今、頼れるのはお前の部隊だけなんだ。頼む!」
ランスロットの懇願にトリスタンは折れる。
こうしてランスロットの撤退が始まった。
トリスタンの直属の部隊千の騎兵と共に先行して撤退を始める。
だが、ロキは離れた部隊を見逃さなかった。
「討ち取れ!絶対に逃がすな!」
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国境付近に辿り着いた頃には五百まで数を減らしていた。
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ランスロットは声をかけられその方向を見るとトールがそこにはいた
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「防げ!」
トリスタンの指揮の元に兵士が当たるが、強行軍な上に、疲労困憊、既に戦える状況ではなかった。
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