63 / 64
公爵邸
しおりを挟む
マインとフランクを追い出したあと、俺達は公爵邸に向かう。
屋敷に着いたら、ユミナが先に降り、俺達を出迎えてくれる。
「ようこそ、ローエン公爵家に、私達はアベルさまの御家族を歓迎いたしますわ。」
屋敷には使用人達が勢揃いしており。
全員が深々と御辞儀をしていた。
「あ、あの恐縮です、でも、私達にそんな礼は必要ありません。」
アダはあたふたとしていた。
「ユミナみんなが緊張するから、そこまでにして。」
「わかりました。皆さん職務に戻ってください。ここからは私が案内致しますね。」
俺達はユミナに案内され応接室に通された。
「おお、よくお越しくださった、私がローエン公爵ハインリッヒである。」
「公爵さま!」
アダとエダ、ルルは土下座をする。
「頭をおあげください、アベル殿の親なら私と兄弟みたいなものではないですか、そんな礼など必要ありませんよ。」
「それはどういう?」
「なに、娘の婿になるからな、アベル殿の父に私もなるということだ、おっ、となると私の方が父としては後輩になるのかな?」
ハインリッヒは笑いだした。
固まる家族を見て、俺は助け舟を出す。
「ハインリッヒさま、家族が困ってますから、それぐらいで。それより子供達もいるので休ませてあげれませんか?」
「これは失礼した。部屋は準備させてある。何か足りないものがあればメイドに伝えてくれ。」
ハインリッヒとの会見は早めに終わらせた、長くはアダとエダが持たないと判断したからだ。
そして、案内された部屋でも家族は固まっていた。
「叔父さん、叔母さん、何を固まってるの?」
完全停止している、アダに代わりエダが答える。
「だ、だって、この部屋なに?なんでこんなに立派なの?」
「そりゃ公爵家だからね。立派じゃないとカッコもつかないだろ?」
「じゃなくて、なんで私達の部屋もこんなに豪華なの?」
「歓迎の証しじゃないかな?」
「アベルはなんで平然としてるのよ。」
「うーん、慣れたからかな?」
「はぁ、そうよね。あんたは現状を受け入れるのが早い子だもんね。」
エダはタメ息混じりに言う。
「それで、お兄ちゃんは公爵家の婿になるのかな?」
ルルは不機嫌そうに聞いてくる。
「まあ、そうなるかな?貴族社会の後ろ楯にもなってもらうし。」
「何それ!そもそもなんで貴族になってるの?」
「成り行きかな?」
「お兄ちゃん、普通は成り行きで貴族になれないし、公爵令嬢と結婚したりしないんだよ。」
「・・・ハッ!確かに!」
「もう、お兄ちゃんはいくつになってもしょうがないんだから・・・わかりました。私がお兄ちゃんの世話をしてあげます。」
「ルルが?」
「お兄ちゃんは常識が無さすぎです。私が見てあげないとダメな人になってしまいます。」
「そんなことないよ、これでも、貴族として・・・何かやった?」
「なんでお兄ちゃんが疑問系なの?」
「そういえば、貴族らしいことしてないなと。」
「はぁ、やっぱりダメだよね。お父さん私はお兄ちゃんの所で暮らすから!」
ルルの言葉にアダは反応する。
「何?ダメだ、家族は一緒にいないとな、何処かの誰かみたいに消息不明は許さん。」
アダの言葉に惚けてみる。
「どっかの誰かってだれ?」
「お兄ちゃんに決まってるでしょ!お父さん、せっかく見つかったんだよ。ここで捕まえて置かないと次はどうなってるか!」
「それはそうだが・・・」
「納得しないで!それに今後は消息わかるよ。ローエン公爵家に聞けばわかるようにするから。」
「お兄ちゃん、普通の人は公爵家に問い合わせなんて出来ないからね。」
「・・・そうだ、それならみんなで王都で暮らそうよ。」
「えっ?」
「孤児院のみんなも此処にいるし、どうかな?」
アダは深く悩む。
「あなた、いいんじゃありません?何を言ってもルルはアベルに着いて行きそうですし。それなら家族みんなで行きましょうよ。」
エダがアダを説得する。
「わかった、だが、仕事をどうするかだな・・・」
「叔父さん、孤児院をしたいならそれを用意するし、いっそ働かなくても将軍としての給料もあるから大丈夫だよ。」
「それならみんなで行こうかな、私も王都に行って見たかったしな。」
アダが了承したことでみんなで王都に行くことが決定した。
屋敷に着いたら、ユミナが先に降り、俺達を出迎えてくれる。
「ようこそ、ローエン公爵家に、私達はアベルさまの御家族を歓迎いたしますわ。」
屋敷には使用人達が勢揃いしており。
全員が深々と御辞儀をしていた。
「あ、あの恐縮です、でも、私達にそんな礼は必要ありません。」
アダはあたふたとしていた。
「ユミナみんなが緊張するから、そこまでにして。」
「わかりました。皆さん職務に戻ってください。ここからは私が案内致しますね。」
俺達はユミナに案内され応接室に通された。
「おお、よくお越しくださった、私がローエン公爵ハインリッヒである。」
「公爵さま!」
アダとエダ、ルルは土下座をする。
「頭をおあげください、アベル殿の親なら私と兄弟みたいなものではないですか、そんな礼など必要ありませんよ。」
「それはどういう?」
「なに、娘の婿になるからな、アベル殿の父に私もなるということだ、おっ、となると私の方が父としては後輩になるのかな?」
ハインリッヒは笑いだした。
固まる家族を見て、俺は助け舟を出す。
「ハインリッヒさま、家族が困ってますから、それぐらいで。それより子供達もいるので休ませてあげれませんか?」
「これは失礼した。部屋は準備させてある。何か足りないものがあればメイドに伝えてくれ。」
ハインリッヒとの会見は早めに終わらせた、長くはアダとエダが持たないと判断したからだ。
そして、案内された部屋でも家族は固まっていた。
「叔父さん、叔母さん、何を固まってるの?」
完全停止している、アダに代わりエダが答える。
「だ、だって、この部屋なに?なんでこんなに立派なの?」
「そりゃ公爵家だからね。立派じゃないとカッコもつかないだろ?」
「じゃなくて、なんで私達の部屋もこんなに豪華なの?」
「歓迎の証しじゃないかな?」
「アベルはなんで平然としてるのよ。」
「うーん、慣れたからかな?」
「はぁ、そうよね。あんたは現状を受け入れるのが早い子だもんね。」
エダはタメ息混じりに言う。
「それで、お兄ちゃんは公爵家の婿になるのかな?」
ルルは不機嫌そうに聞いてくる。
「まあ、そうなるかな?貴族社会の後ろ楯にもなってもらうし。」
「何それ!そもそもなんで貴族になってるの?」
「成り行きかな?」
「お兄ちゃん、普通は成り行きで貴族になれないし、公爵令嬢と結婚したりしないんだよ。」
「・・・ハッ!確かに!」
「もう、お兄ちゃんはいくつになってもしょうがないんだから・・・わかりました。私がお兄ちゃんの世話をしてあげます。」
「ルルが?」
「お兄ちゃんは常識が無さすぎです。私が見てあげないとダメな人になってしまいます。」
「そんなことないよ、これでも、貴族として・・・何かやった?」
「なんでお兄ちゃんが疑問系なの?」
「そういえば、貴族らしいことしてないなと。」
「はぁ、やっぱりダメだよね。お父さん私はお兄ちゃんの所で暮らすから!」
ルルの言葉にアダは反応する。
「何?ダメだ、家族は一緒にいないとな、何処かの誰かみたいに消息不明は許さん。」
アダの言葉に惚けてみる。
「どっかの誰かってだれ?」
「お兄ちゃんに決まってるでしょ!お父さん、せっかく見つかったんだよ。ここで捕まえて置かないと次はどうなってるか!」
「それはそうだが・・・」
「納得しないで!それに今後は消息わかるよ。ローエン公爵家に聞けばわかるようにするから。」
「お兄ちゃん、普通の人は公爵家に問い合わせなんて出来ないからね。」
「・・・そうだ、それならみんなで王都で暮らそうよ。」
「えっ?」
「孤児院のみんなも此処にいるし、どうかな?」
アダは深く悩む。
「あなた、いいんじゃありません?何を言ってもルルはアベルに着いて行きそうですし。それなら家族みんなで行きましょうよ。」
エダがアダを説得する。
「わかった、だが、仕事をどうするかだな・・・」
「叔父さん、孤児院をしたいならそれを用意するし、いっそ働かなくても将軍としての給料もあるから大丈夫だよ。」
「それならみんなで行こうかな、私も王都に行って見たかったしな。」
アダが了承したことでみんなで王都に行くことが決定した。
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢
さら
恋愛
名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。
しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。
王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。
戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。
一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる