67 / 193
陥落
ギシギシ
しおりを挟む
私で勝てるだろうか。
いや勝てるはずがないだろう。
相手は私の未来、過去にすら干渉してくる。
予測不能な行動を取ろうが仮定未来としてそれは筒抜けとなる。
「...あ、悪魔を召喚しなきゃ」
逃げなきゃ、死ぬ。
「不動の悪魔!」
私の使役する中で最も重く、硬い悪魔。
少しだけでいい、十秒でも耐えてくれれば...!
「...あ」
私の悪魔は綺麗に縦に半分に斬られた。
...終わった。
「久しぶりだな、人間は、ん、すこしイントネーションがおかしいか」
「!!」
喋った。こいつ、人の言葉を理解している!?
あぁこれが圧倒的な恐怖。死ぬしかないという状況。
相手はこちらを遥かに超える頭脳と力量を持つ、何が出来るというのか。
今思えば、ずっと私は誰かの人生だった。
養子だった私は、私を貰ってくれたおじいちゃんのために働いて、実力が買われて護衛団に入った時も王のために身を粉して。
自分が助かりたいからとナツの後ろを歩き、ナツに利用された。
今まで自分で決めた事なんてなかった。
「死んじゃえよ、こんな私なんか...もう殺して...」
「それは勿体ない、君は私の大切な友人だ、殺すなんて惨いなぁ」
「...もう一人にして、解放して...」
「私の名はレイレス·クレイモア。今から君に頼みがあるんだ」
顔のないレイレスは私の頭を掴んだ。
「う...うあっ!」
流れ込んでくる、世界の全てが。
この世の理を外れた、目には見えない全てが。
「気分はどうだい?あぁ記憶も消してしまったからね。名前は...ククルス」
「絶好調です、クレイモア様」
「じゃあ頼んだ事、任せたよ」
「かしこまりました」
「いい娘だ」
いや勝てるはずがないだろう。
相手は私の未来、過去にすら干渉してくる。
予測不能な行動を取ろうが仮定未来としてそれは筒抜けとなる。
「...あ、悪魔を召喚しなきゃ」
逃げなきゃ、死ぬ。
「不動の悪魔!」
私の使役する中で最も重く、硬い悪魔。
少しだけでいい、十秒でも耐えてくれれば...!
「...あ」
私の悪魔は綺麗に縦に半分に斬られた。
...終わった。
「久しぶりだな、人間は、ん、すこしイントネーションがおかしいか」
「!!」
喋った。こいつ、人の言葉を理解している!?
あぁこれが圧倒的な恐怖。死ぬしかないという状況。
相手はこちらを遥かに超える頭脳と力量を持つ、何が出来るというのか。
今思えば、ずっと私は誰かの人生だった。
養子だった私は、私を貰ってくれたおじいちゃんのために働いて、実力が買われて護衛団に入った時も王のために身を粉して。
自分が助かりたいからとナツの後ろを歩き、ナツに利用された。
今まで自分で決めた事なんてなかった。
「死んじゃえよ、こんな私なんか...もう殺して...」
「それは勿体ない、君は私の大切な友人だ、殺すなんて惨いなぁ」
「...もう一人にして、解放して...」
「私の名はレイレス·クレイモア。今から君に頼みがあるんだ」
顔のないレイレスは私の頭を掴んだ。
「う...うあっ!」
流れ込んでくる、世界の全てが。
この世の理を外れた、目には見えない全てが。
「気分はどうだい?あぁ記憶も消してしまったからね。名前は...ククルス」
「絶好調です、クレイモア様」
「じゃあ頼んだ事、任せたよ」
「かしこまりました」
「いい娘だ」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
13
1 / 4
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる