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ジュリ
貝殻の影
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「こんなところでどうしたんだい」
迷子だろうか、プレリュードさんはどこだ?
しかし今見ても気味が悪いな。
額の目がこっちをギンギンと見てくる。
「アァン?どっかで見た顔だな」
殺意の籠った禍々しい声。
聞いたことのある、二度と聞きたくないと思ったあの声。
「イチバン...」
「悪ぃな、うちのガキが勝手に出歩くもんだからよォ。だがとんだ儲けもんらしい」
うちのガキ?いやあの子はプレリュードさんと一緒にいた子だ。
それにこんな狭いところで戦うのか!?
あっちは完全に巨体で手を伸ばすのも難しいだろう。
大通りに出るよりここで戦うのが賢明だがあの子が僕とイチバンの間に立っている。
あの子の名前はジュリと言ったっけ。
珍しいからか知らないがイチバンが誘拐でもしているんだ。
まずはジュリちゃんを匿う。
土魔法、地盤操作。
地面が柔らかくなりジュリちゃんだけをこちら側に寄せる算段だ。
だがそれをイチバンは見逃さない。
やつも全力で走ってきている。
「おい!使えよ、あのウニョウニョしたやつをよ!死にてぇのか!?」
こいつが言っているのは腫瘍の力、つまりはタイタリクの力だ。
今、僕がそれに頼る訳には行かない。
己の魔法で!
魔法剣。
ジュリちゃんは僕の懐だ。
とりあえずはこいつの攻撃を弾く。
魔法剣にしてはあまりにも多い魔力、さすがに折れたりはしないだろう。
ポキン
「なっ...!」
イチバンのパンチは顔に直撃し大通りまで吹き飛ばされた。
僕の魔力総量の大半で作った魔法剣をあんなに容易く...。
強いな、こいつ。
これが...最悪の囚人...。
罪の祖と呼ばれた男。
迷子だろうか、プレリュードさんはどこだ?
しかし今見ても気味が悪いな。
額の目がこっちをギンギンと見てくる。
「アァン?どっかで見た顔だな」
殺意の籠った禍々しい声。
聞いたことのある、二度と聞きたくないと思ったあの声。
「イチバン...」
「悪ぃな、うちのガキが勝手に出歩くもんだからよォ。だがとんだ儲けもんらしい」
うちのガキ?いやあの子はプレリュードさんと一緒にいた子だ。
それにこんな狭いところで戦うのか!?
あっちは完全に巨体で手を伸ばすのも難しいだろう。
大通りに出るよりここで戦うのが賢明だがあの子が僕とイチバンの間に立っている。
あの子の名前はジュリと言ったっけ。
珍しいからか知らないがイチバンが誘拐でもしているんだ。
まずはジュリちゃんを匿う。
土魔法、地盤操作。
地面が柔らかくなりジュリちゃんだけをこちら側に寄せる算段だ。
だがそれをイチバンは見逃さない。
やつも全力で走ってきている。
「おい!使えよ、あのウニョウニョしたやつをよ!死にてぇのか!?」
こいつが言っているのは腫瘍の力、つまりはタイタリクの力だ。
今、僕がそれに頼る訳には行かない。
己の魔法で!
魔法剣。
ジュリちゃんは僕の懐だ。
とりあえずはこいつの攻撃を弾く。
魔法剣にしてはあまりにも多い魔力、さすがに折れたりはしないだろう。
ポキン
「なっ...!」
イチバンのパンチは顔に直撃し大通りまで吹き飛ばされた。
僕の魔力総量の大半で作った魔法剣をあんなに容易く...。
強いな、こいつ。
これが...最悪の囚人...。
罪の祖と呼ばれた男。
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