箱入りの魔法使い

しゅん

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ジュリ

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「ん?今ジュリ魔法でも使ったのか?」

静かに首を横に振るジュリ。

「おかしいな...まさか、な...」

───

「無事だったか、リッカ。リッカ?」

「ん?あぁこっちも大丈夫だった、そっちは...何で傷が消えてるんだ?」

ピンポイントに聞いてくるリッカに内心ビックリしながら、俺たちは繁華街へと降りた。

「どうしたんだ?リッカ、調子悪そうだが」

「んー、私もよく分かんなくて、さっきからずっとあんな感じよ」

ジャックも見守るしか無かった。

───

「なぁリッカ、鍵を見つけた所でどうやって回収するんだ?金なんてないぞ」

「お前がいるだろ?金、いくらでも錬金すればいい」

その言葉にジャックはイラっときた。

「おいリッカ、少し扱いが雑なんじゃないか?」

今のリッカは前とはどこか違って何だか人を使い捨てるような言動だ。

確かに素材さえあれば金なんていくらでも作れる。

それどころか作った金でこの繁華街全ての商品を買うことだってできるだろう。

そうしないのは、それが俺にとって何の意味もないからだ。

リッカをいつかこの手で倒す。真っ向に向かって。

「でも、そうするしかないんじゃないかい?」

──あぁ、あのクソカスめが。

ナツの影響か、リッカは今、合理的にこの事を進めようとしている。

「今回だけだぞ」
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