112 / 193
ジュリ
生き地獄
しおりを挟む
「これで、俺も大金持ち...!」
「おいフミヤ、こっちだ」
鍵に夢中になって合流地点を少し通り過ぎていたようだ。
そんな俺を呼び止めたのはネロだ。
ネロもグループの中だと普通の立場なのだが、俺から言わせれば本当にいい先輩という事だ。
「鍵はあるか?」
俺はしまっていた鍵をネロに渡して合流地点へと急いだ。
───
ハッと気づいたようにニィナが口を開いた。
「そういえば今まで戦ったヤツらって全員、出処が一緒な孤児なんだよね」
恩返しか、それとももっと他の理由か。
「それか、もしかしたら孤児の責任者、マザーかもな」
───
あの方、つまりはこのグループを指揮っている者。
マザーならぬファザーだ。
俺たちを大切に育ててくれた唯一の父。
コンクルードさんだ。
「フミヤとネロか、よく戻ってきた。そして例の物は?」
もちろんコンクルードさんは外部の人でバレたら全員退学、なんて有り得るだろう。
だから大学やイベントでは名を伏せている。
ネロははい、と鍵をコンクルードさんに渡した。
それを手に取ってじっくりと見たコンクルードさんはワナワナと震えた。
「これは本物じゃない!土と石で作られた偽物だ!」
───
「リッカ、お前が俺たちを信じてくれて良かったよ。鍵なら俺が持っている」
「なっ!?」
そこには無くなっていたはずの純金の光を放つ鍵があった。
「俺とニィナでお前を試した。まだ、人の心があったんだな」
そういうことだったのか。
僕は途端に辛くなった。
僕は何をしようとしていたんだ。最後にもこいつらを裏切ろうと...。
「まだ最終日まで二日ある。それまで耐えるぞ」
ここからがラストスパートだ。
「ああ!」
「おいフミヤ、こっちだ」
鍵に夢中になって合流地点を少し通り過ぎていたようだ。
そんな俺を呼び止めたのはネロだ。
ネロもグループの中だと普通の立場なのだが、俺から言わせれば本当にいい先輩という事だ。
「鍵はあるか?」
俺はしまっていた鍵をネロに渡して合流地点へと急いだ。
───
ハッと気づいたようにニィナが口を開いた。
「そういえば今まで戦ったヤツらって全員、出処が一緒な孤児なんだよね」
恩返しか、それとももっと他の理由か。
「それか、もしかしたら孤児の責任者、マザーかもな」
───
あの方、つまりはこのグループを指揮っている者。
マザーならぬファザーだ。
俺たちを大切に育ててくれた唯一の父。
コンクルードさんだ。
「フミヤとネロか、よく戻ってきた。そして例の物は?」
もちろんコンクルードさんは外部の人でバレたら全員退学、なんて有り得るだろう。
だから大学やイベントでは名を伏せている。
ネロははい、と鍵をコンクルードさんに渡した。
それを手に取ってじっくりと見たコンクルードさんはワナワナと震えた。
「これは本物じゃない!土と石で作られた偽物だ!」
───
「リッカ、お前が俺たちを信じてくれて良かったよ。鍵なら俺が持っている」
「なっ!?」
そこには無くなっていたはずの純金の光を放つ鍵があった。
「俺とニィナでお前を試した。まだ、人の心があったんだな」
そういうことだったのか。
僕は途端に辛くなった。
僕は何をしようとしていたんだ。最後にもこいつらを裏切ろうと...。
「まだ最終日まで二日ある。それまで耐えるぞ」
ここからがラストスパートだ。
「ああ!」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
9
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる