箱入りの魔法使い

しゅん

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適応者

クロ

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死んだ目、似合わない制服。

どう見ても操られてるとしか見えない。

「人間を雇ってるのか?遊びは嫌いだが」

「ほほう、それが人間に見えるかね?確かに人間だが、強いぞ」

クロの固有魔法は泥を操る。

固めて強固な壁にできるし、自分の分身だって作れる。

ほぼ無敵になれる魔法だ。

「喋らないのか?人間らしくないな」

古仮面は剣をマントから引き抜き、構えた。

クロも剣を抜き、周りから泥を生成し始めた。

「泥を操る能力か?底が知れるな」

生成された泥は棘となって古仮面を襲った。

泥とは思えないほどの重量、速さ。

避けるのも手一杯だ。

それに引き続きクロ本体の攻撃。

反撃したと思えば分身、または作り替えで斬った場所が再生しだす。

「魔族は魔法を使わないのですか?出し惜しみしてると死にますよぉ」

地面から泥が出てきて古仮面を拘束する。

「くっ...」

力ではどうにもならない。

固有魔法を使うか?

その時、屋根が崩れた。

「魔族に...確か二年の一番だったクロだな。なぜこんなところにいる?」

それはメソッドだ。

「なぜこの場所が分かった」

「おやおや、なんだか状況は混乱してるようだ。我々帝国の力にかかればこんなものさ」

魔力探知でもされたか。

しかしメソッドはクロが気になるようだ。

「どうやら、既に人間とは違う道を進んでいるようだな」



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