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第三章 三者同盟と忍び寄る悪意
35話 三者同盟と頼れる鍛冶師
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翌日からは日替わりで各村に2人ずつ立ち上げメンバーである“幹部”を派遣。
ガーネットの町に残っているメンバーで、新しく入ってくれた戦闘員の戦い方の訓練をしていた。
ガーネットの町からの志願者も現れ始め、お父様は面接と剣術指導、それから経理作業に大忙しだった。セキエイの村から補佐団員が来てくれて事務仕事を覚えてくれて大助かりだとか。
そんな大忙しのお父様はペリドット卿とアカツキの将軍様の会談に招待され、約束の日にペリドットの町へと出かけていった。
三者ともお互いに歩み寄れる良い人たちばかりだから何の心配もしてなかったけど、お父様が晴れやかな笑顔でガーネットの町に帰ってきたときは、ちょっとホッとした。
⸺⸺そんなお父様が夕方に三者会談から帰ってきた直後の出来事。
「いやぁ、スズラン殿のお父上様がとても気さくな方で、大変有意義な時間だったよ。まるでスズラン殿話しているかのようだった」
と、お父様。そんな彼にスズランがこう尋ねた。
「兄者は来ておったかの?」
「あぁ、シノノメ殿だね。彼も来てくださっていたよ。彼はとても良くできた後継ぎだね。盛り上がり過ぎて話題がそれていってしまっても、彼がちゃんと会談の内容に戻してくてるんだ」
「そうかそうか、兄者らしいのう」
と、スズランは笑っていた。って言うか、オジサン3人は話題がどんどんそれちゃってるって、一体何のために集まったんだ。同窓会かな? まぁ、ガチガチの雰囲気よりは良いんだろうけどさ……。
「それでね、アカツキの“アマツ軍”と“ペリドット騎士団”、それから我ら“ガーネット騎士団”で三者同盟を結ぶことになったんだよ」
お父様は嬉しそうにそう話してくれる。
「あ、僕ダグラスおじさんに同盟結びたいってお願いしてたんだよね。それが早速叶っちゃったんだ」
「そう。その名も“フィルグレン同盟”!」
お父様がそう高らかに宣言すると、グレンは思いっきり咳払いをしていた。
「えっ、僕とぐれちゃの名前!? 2人とも会談に参加していないのに!?」
「この会談が実現したのも全部、フィルとグレン殿が魔石の森で出会ったのが始まりだろう? だから2人の名前を合体させようって事になったのさ」
「なっ、なんかむず痒いな……」
と、グレン。僕が「なぁに、ぐれちゃ照れてんの?」と茶化すと、彼は顔を真っ赤にして「うるせぇ!」と怒っていた。
「それで、サプライズはまだ終わりじゃないんだよ」
と、お父様。僕たちが首を傾げると、彼が「皆、付いてきてくれ」と言うので、僕たち幹部メンバーは彼に付いてゾロゾロと夕焼けのガーネットの町へと繰り出した。
なんだろうとワクワクして付いていくと、到着したのは町の武器屋さんだった。
⸺⸺武器屋⸺⸺
「お待たせ、皆を連れてきたよ!」
お父様がそう言ってカウンターの奥へと呼びかける。奥からヒョコッと姿を表したのは、アサギ刀匠の孫娘、ボタンだった。
「ボタン!」
と、一同。
「やぁ、みんなお待たせ! おじいちゃんの説得もできたから、アタイもこの武器屋さんに下宿させてもらって補佐団員に仲間入りするよ!」
「えらい早く説得できたのじゃな? アサギ刀匠のあの感じからいくと、もっとかかるかと思っておったぞ」
と、スズラン。ボタンは苦笑する。
「それがさ、後継ぎの事を言い訳にしてただけで、本当は他所様に出すのに恥ずかしくないようにしたかったんだって。だからあれからアタイがやったのは、おじいちゃんの説得じゃなくて、外国の武器の勉強だったんだよ」
「だぁーっ! あの爺さんも素直じゃねぇなぁ、ったく」
と、グレン。僕は「外国の武器って、剣とか槍ってこと?」と尋ねる。
「そうそう! グレン兄ちゃんがフィルを連れてアマツ京に帰ってきたときに腰に下げていたやつだよ。鬼さんらの武器の手入れのために来たけど、こっちに来たからにはちゃんとこっちの武器も作れて手入れもできるようにした方がいいだろ?」
「ボタン、シゴデキ過ぎるぜ!」
と、フウガ。ボタンは「だからお爺ちゃんがそうやって言っただけだって」と謙遜していた。
奥から武器屋さんも顔を出し、「これからめちゃくちゃ忙しくなりそうだったから大助かりだ」と喜んでいた。
本当に、これからどんどん団員も増えて来るだろうから、めちゃくちゃ良いタイミングで来てくれたよ、ボタン。
「ボタン、騎士団に参加してくれてありがとう! 期待してるからね!」
「あぁ、アタイに任せな!」
ボタンはニッと満面の笑みを浮かべた。
ガーネットの町に残っているメンバーで、新しく入ってくれた戦闘員の戦い方の訓練をしていた。
ガーネットの町からの志願者も現れ始め、お父様は面接と剣術指導、それから経理作業に大忙しだった。セキエイの村から補佐団員が来てくれて事務仕事を覚えてくれて大助かりだとか。
そんな大忙しのお父様はペリドット卿とアカツキの将軍様の会談に招待され、約束の日にペリドットの町へと出かけていった。
三者ともお互いに歩み寄れる良い人たちばかりだから何の心配もしてなかったけど、お父様が晴れやかな笑顔でガーネットの町に帰ってきたときは、ちょっとホッとした。
⸺⸺そんなお父様が夕方に三者会談から帰ってきた直後の出来事。
「いやぁ、スズラン殿のお父上様がとても気さくな方で、大変有意義な時間だったよ。まるでスズラン殿話しているかのようだった」
と、お父様。そんな彼にスズランがこう尋ねた。
「兄者は来ておったかの?」
「あぁ、シノノメ殿だね。彼も来てくださっていたよ。彼はとても良くできた後継ぎだね。盛り上がり過ぎて話題がそれていってしまっても、彼がちゃんと会談の内容に戻してくてるんだ」
「そうかそうか、兄者らしいのう」
と、スズランは笑っていた。って言うか、オジサン3人は話題がどんどんそれちゃってるって、一体何のために集まったんだ。同窓会かな? まぁ、ガチガチの雰囲気よりは良いんだろうけどさ……。
「それでね、アカツキの“アマツ軍”と“ペリドット騎士団”、それから我ら“ガーネット騎士団”で三者同盟を結ぶことになったんだよ」
お父様は嬉しそうにそう話してくれる。
「あ、僕ダグラスおじさんに同盟結びたいってお願いしてたんだよね。それが早速叶っちゃったんだ」
「そう。その名も“フィルグレン同盟”!」
お父様がそう高らかに宣言すると、グレンは思いっきり咳払いをしていた。
「えっ、僕とぐれちゃの名前!? 2人とも会談に参加していないのに!?」
「この会談が実現したのも全部、フィルとグレン殿が魔石の森で出会ったのが始まりだろう? だから2人の名前を合体させようって事になったのさ」
「なっ、なんかむず痒いな……」
と、グレン。僕が「なぁに、ぐれちゃ照れてんの?」と茶化すと、彼は顔を真っ赤にして「うるせぇ!」と怒っていた。
「それで、サプライズはまだ終わりじゃないんだよ」
と、お父様。僕たちが首を傾げると、彼が「皆、付いてきてくれ」と言うので、僕たち幹部メンバーは彼に付いてゾロゾロと夕焼けのガーネットの町へと繰り出した。
なんだろうとワクワクして付いていくと、到着したのは町の武器屋さんだった。
⸺⸺武器屋⸺⸺
「お待たせ、皆を連れてきたよ!」
お父様がそう言ってカウンターの奥へと呼びかける。奥からヒョコッと姿を表したのは、アサギ刀匠の孫娘、ボタンだった。
「ボタン!」
と、一同。
「やぁ、みんなお待たせ! おじいちゃんの説得もできたから、アタイもこの武器屋さんに下宿させてもらって補佐団員に仲間入りするよ!」
「えらい早く説得できたのじゃな? アサギ刀匠のあの感じからいくと、もっとかかるかと思っておったぞ」
と、スズラン。ボタンは苦笑する。
「それがさ、後継ぎの事を言い訳にしてただけで、本当は他所様に出すのに恥ずかしくないようにしたかったんだって。だからあれからアタイがやったのは、おじいちゃんの説得じゃなくて、外国の武器の勉強だったんだよ」
「だぁーっ! あの爺さんも素直じゃねぇなぁ、ったく」
と、グレン。僕は「外国の武器って、剣とか槍ってこと?」と尋ねる。
「そうそう! グレン兄ちゃんがフィルを連れてアマツ京に帰ってきたときに腰に下げていたやつだよ。鬼さんらの武器の手入れのために来たけど、こっちに来たからにはちゃんとこっちの武器も作れて手入れもできるようにした方がいいだろ?」
「ボタン、シゴデキ過ぎるぜ!」
と、フウガ。ボタンは「だからお爺ちゃんがそうやって言っただけだって」と謙遜していた。
奥から武器屋さんも顔を出し、「これからめちゃくちゃ忙しくなりそうだったから大助かりだ」と喜んでいた。
本当に、これからどんどん団員も増えて来るだろうから、めちゃくちゃ良いタイミングで来てくれたよ、ボタン。
「ボタン、騎士団に参加してくれてありがとう! 期待してるからね!」
「あぁ、アタイに任せな!」
ボタンはニッと満面の笑みを浮かべた。
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