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第四章 秋の訪れと地下遺跡のもふもふ
75話 一文明の末路
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ステファニーたちゴブリンは元々はみんなドワーフ族だった!? ステファニーは確かにそう言った。
「えっ、元ヒトって……本当なの……? ゴブリンたち全員……?」
私が半信半疑でそう問いかけると、ステファニーは「はい。ここにいる62名のゴブリンは、皆確かにドワーフだったのです」と答えた。
「あわわわ……なんだかとんでもないことになっているみたい」
一体どういうこっちゃ、とアワアワしている私の向かいで、ステファニーのお腹がぐぅ~っと鳴った。
「はっ、嫌ですわわたくしったら……うぅ、すみません。とっても久しぶりにお腹が空きました……」
ステファニーは頬を赤らめてモジモジしていた。
「む、分かるぞ。俺も浄化してもらってから食欲が生まれたからな」
と、ランスロット。彼に続き私が補足する。
「私たちもよく分かってないし例外もあるとは思うんだけど、一応“人型”の元魔物は食欲が出てきて、“獣型”の元魔物や動物は“聖獣”に進化して食べないままでも良いらしいの。食べても問題はないからルキちゃんたちはみんな毎日食べてるけどね。お腹空いたなら、ウルユ島からなんか持ってこよっか?」
「そうですのね……。ひとまず猫ちゃんたちが餓死することはないのですね。でしたらすみません……わたくし共ゴブリンによろしければ何か食べ物を分けてくださいませ」
「うん、えっと、じゃぁ……」
『ユノ! オイラ、何かもらってくるよ!』
ウルがそう名乗り出る。
「本当? ウル、助かるよ。じゃぁ、この噴水跡をファストトラベルに登録しておくね。あっ、ついでにミシアちゃんに今分かったことを話しておいて」
『はーい!』
私がファストトラベルで今いる地点を登録すると、ウルはトラベルストーンを使ってウルユ島へと消えていった。
⸺⸺
ウルの帰りを待つ間に、ステファニーが事情を話してくれた。
「この地下都市は“ヴォルティス地下都市”と言って、ドワーフの“ヴォルター大公の一族”が治めていた小さな公国でしたの」
「ドワーフの……そうだったんだ……」
「開拓当初は不毛な土地や火山からの熱気に苦戦したと聞いています。しかしいつからか土地が豊かになり、地上でも地底でも植物が育つようになったそうです。人々は皆、あの火山に神が宿ったと信じていました」
「そっか……」
それはきっと、“竜神リントヴルム”がここの土地神様になってくれたからだろう。神様の存在を勝手に話すのは良くないだろうから、ここは女神様であるミシアちゃんの指示を仰ごう。
「我々一族はその火山に住まう神を“火山神”と崇め、毎朝火山の方角を向いて祈りを捧げていました。しかしある時、呪術師によって火山が闇に染まってしまったのです。恐らく火山に宿る神の力を欲したのでしょう」
「呪術師……そんな怖いことする人がいるんだ?」
「はい。何でも彼は“転生者”? という異世界人らしく、この世ならざる力でこの国をもっと良くしたいと、わたくしのお父さ……ヴォルター大公に接触して来たのです。ですが、実際にはこの島は闇に染まり、騙されたと気付いた時には既に手遅れだったのです」
「ステファニーは、ヴォルター一族のお姫様だったんだね。それにしても転生者か……厄介なワードが出てきたな……」
「はい。わたくしはヴォルター一族の唯一の生き残りです。お父様も含め、他の者は皆この魔障に耐え切れず、消滅してしまいましたの……。ここにいる者は皆、消滅は免れましたが魔物の姿となってしまった者たちです。ユノ様は、転生者という者の存在をご存知なのですか?」
「んっとね……私自身がその転生者みたいに別の世界からこの世界に飛ばされてきたんだよ。私の場合は勇者の召喚に巻き込まれた転移なんだけどね。別の世界からここに来るときに、不思議な力をもらえるんだ。その転生者はその力を私利私欲のために使っちゃったんだね。この力は人に迷惑をかけるようなことに使っちゃ絶対にダメ……」
「ユノ様も……そうでしたか。もしかして、先程見せていただいた石の塊を一瞬で女神像に変えてしまう技でしょうか……?」
「あっ、そうそう。さっきウルが一瞬で消えたでしょ? あれもそうなんだ。それから、ルキちゃんの浄化や結界を張る力も。あれは勇者の力だよ」
「まぁ、ユノ様とルキちゃん様が異世界人……。今のお話で、異世界人が皆悪い人ではないということは分かりましたわ。平和な世で、あの者ではなくユノ様とお知り合いになれたら良かったのに……。我々の何代も前から築き上げてきた文明が、一瞬で滅んでしまいました……」
ステファニーのつぶらな瞳からポタポタと涙が溢れた。
「ステファニー……」
可哀想すぎて、なんて声をかけてあげたら良いのかが分からない。本当にその転生者はとんでもないことをしてしまった。
⸺⸺ここで、ウルがラフちゃんとゴブ君と共に帰還した。
『ユノ、ステファニー、お待たせ!』
「ウル、おかえり! ラフちゃんとゴブ君も来てくれたんだ!」
『はい! アメちゃんやミシアちゃんにも協力していただいて、たくさんサンドイッチを作ってきましたよ♪』
『早速渡すべ、1列に並んで欲しいべ』
『麦茶もありますよ。サンドイッチと一緒に受け取ってくださいね』
「ラフちゃん様、ゴブ君様、ありがとうございます……! 皆、いただきましょう。押さずに1列に並んでくださいませ」
ステファニーがそう指示を出すと、ゴブリンたちは皆口々に「アリガトウ」とお礼を言って1列に並んだ。
ゴブリンたちが美味しそうにサンドイッチを頬張る光景を眺めたところで、私は本題の竜神リントヴルムの件に入ることにした。
「えっ、元ヒトって……本当なの……? ゴブリンたち全員……?」
私が半信半疑でそう問いかけると、ステファニーは「はい。ここにいる62名のゴブリンは、皆確かにドワーフだったのです」と答えた。
「あわわわ……なんだかとんでもないことになっているみたい」
一体どういうこっちゃ、とアワアワしている私の向かいで、ステファニーのお腹がぐぅ~っと鳴った。
「はっ、嫌ですわわたくしったら……うぅ、すみません。とっても久しぶりにお腹が空きました……」
ステファニーは頬を赤らめてモジモジしていた。
「む、分かるぞ。俺も浄化してもらってから食欲が生まれたからな」
と、ランスロット。彼に続き私が補足する。
「私たちもよく分かってないし例外もあるとは思うんだけど、一応“人型”の元魔物は食欲が出てきて、“獣型”の元魔物や動物は“聖獣”に進化して食べないままでも良いらしいの。食べても問題はないからルキちゃんたちはみんな毎日食べてるけどね。お腹空いたなら、ウルユ島からなんか持ってこよっか?」
「そうですのね……。ひとまず猫ちゃんたちが餓死することはないのですね。でしたらすみません……わたくし共ゴブリンによろしければ何か食べ物を分けてくださいませ」
「うん、えっと、じゃぁ……」
『ユノ! オイラ、何かもらってくるよ!』
ウルがそう名乗り出る。
「本当? ウル、助かるよ。じゃぁ、この噴水跡をファストトラベルに登録しておくね。あっ、ついでにミシアちゃんに今分かったことを話しておいて」
『はーい!』
私がファストトラベルで今いる地点を登録すると、ウルはトラベルストーンを使ってウルユ島へと消えていった。
⸺⸺
ウルの帰りを待つ間に、ステファニーが事情を話してくれた。
「この地下都市は“ヴォルティス地下都市”と言って、ドワーフの“ヴォルター大公の一族”が治めていた小さな公国でしたの」
「ドワーフの……そうだったんだ……」
「開拓当初は不毛な土地や火山からの熱気に苦戦したと聞いています。しかしいつからか土地が豊かになり、地上でも地底でも植物が育つようになったそうです。人々は皆、あの火山に神が宿ったと信じていました」
「そっか……」
それはきっと、“竜神リントヴルム”がここの土地神様になってくれたからだろう。神様の存在を勝手に話すのは良くないだろうから、ここは女神様であるミシアちゃんの指示を仰ごう。
「我々一族はその火山に住まう神を“火山神”と崇め、毎朝火山の方角を向いて祈りを捧げていました。しかしある時、呪術師によって火山が闇に染まってしまったのです。恐らく火山に宿る神の力を欲したのでしょう」
「呪術師……そんな怖いことする人がいるんだ?」
「はい。何でも彼は“転生者”? という異世界人らしく、この世ならざる力でこの国をもっと良くしたいと、わたくしのお父さ……ヴォルター大公に接触して来たのです。ですが、実際にはこの島は闇に染まり、騙されたと気付いた時には既に手遅れだったのです」
「ステファニーは、ヴォルター一族のお姫様だったんだね。それにしても転生者か……厄介なワードが出てきたな……」
「はい。わたくしはヴォルター一族の唯一の生き残りです。お父様も含め、他の者は皆この魔障に耐え切れず、消滅してしまいましたの……。ここにいる者は皆、消滅は免れましたが魔物の姿となってしまった者たちです。ユノ様は、転生者という者の存在をご存知なのですか?」
「んっとね……私自身がその転生者みたいに別の世界からこの世界に飛ばされてきたんだよ。私の場合は勇者の召喚に巻き込まれた転移なんだけどね。別の世界からここに来るときに、不思議な力をもらえるんだ。その転生者はその力を私利私欲のために使っちゃったんだね。この力は人に迷惑をかけるようなことに使っちゃ絶対にダメ……」
「ユノ様も……そうでしたか。もしかして、先程見せていただいた石の塊を一瞬で女神像に変えてしまう技でしょうか……?」
「あっ、そうそう。さっきウルが一瞬で消えたでしょ? あれもそうなんだ。それから、ルキちゃんの浄化や結界を張る力も。あれは勇者の力だよ」
「まぁ、ユノ様とルキちゃん様が異世界人……。今のお話で、異世界人が皆悪い人ではないということは分かりましたわ。平和な世で、あの者ではなくユノ様とお知り合いになれたら良かったのに……。我々の何代も前から築き上げてきた文明が、一瞬で滅んでしまいました……」
ステファニーのつぶらな瞳からポタポタと涙が溢れた。
「ステファニー……」
可哀想すぎて、なんて声をかけてあげたら良いのかが分からない。本当にその転生者はとんでもないことをしてしまった。
⸺⸺ここで、ウルがラフちゃんとゴブ君と共に帰還した。
『ユノ、ステファニー、お待たせ!』
「ウル、おかえり! ラフちゃんとゴブ君も来てくれたんだ!」
『はい! アメちゃんやミシアちゃんにも協力していただいて、たくさんサンドイッチを作ってきましたよ♪』
『早速渡すべ、1列に並んで欲しいべ』
『麦茶もありますよ。サンドイッチと一緒に受け取ってくださいね』
「ラフちゃん様、ゴブ君様、ありがとうございます……! 皆、いただきましょう。押さずに1列に並んでくださいませ」
ステファニーがそう指示を出すと、ゴブリンたちは皆口々に「アリガトウ」とお礼を言って1列に並んだ。
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