巻き込まれ幼女召喚〜無人島を拠点に自由気ままな異世界ライフ〜

るあか

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第一章 私たちだけの島

10話 初めての納品

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⸺⸺ウルユ島、拠点⸺⸺

「ただいまー! ウルユ島!」
「にゃぁ♪」
「がう、がう!」
 マルシャンにいた頃とは打って変わって静かで穏やかな空気が流れている。
 マルシャンの賑やかな感じも好きだけど、私はこのウルユ島の穏やかな感じも好きだ。

『ユノ、オイラ木のお皿を作るのに使えそうな“メタの木の枝”をたくさん集めてくるね! メタの木は枝が伸びるのがすごい早くて、1日もしたら元に戻るから、木を使うときはメタの木がオススメだと思う♪』
「ありがとう、ウル! すごい、詳しいんだね♪」
『えへへ、まだ魔物で暴れてた時に、たくさんメタの木の枝を折っちゃったけど、次の日には元通りになってたから』
「なるほど……」
 詳しい理由が意外に物騒だった。そんなウルは子犬サイズから巨大狼へ戻ると、元気にどこかへ走り去っていった。

 私はウルが帰ってくるまでの間にクラフトを開いて“魔導水洗トイレ”を生成。まさかのトイレが砂と魔石とワンタップで出来てしまうという……。
 水場の近くに置くだけで原動力の魔石が水を吸い上げて流し、流したものの成分を分解してから地中へ返すため周辺が汚れる心配もない。
 ひとまず泉の側に置いておいて、ウルが帰ってきたらメタの木を使って個室を作る予定。誰も見る人いないけど、トイレは囲われていた方が落ち着くよね、多分……。

⸺⸺

『ユノ、ただいま!』
「ウル、おかえり! わぁ、たくさん、ありがとう!」
 くわえられるだけのメタの木の枝を咥えてズルズルと引きずってたくさん取ってきてくれたようだ。

「よし、じゃぁまずは……」
 クラフトでトイレの個室を生成。とりあえずこれで無人島にいて一番困りそうなことは解決した。

「さて、依頼にピッタリのお皿は……」
 クラフト作業台の上に依頼書を置いて、条件を確認しながらクラフトパネルの『食器 木製』のリストを見てみる。
「あっ、あるある。普通のお皿なら1cm単位で好きなサイズの物を作ることが出来るんだ」
 これなら今後細かい指示の納品依頼があってもなんとかなりそうだ。
 ピピピッとパネルを操作して、あっという間に大きさの違う3枚の木のお皿を生成した。

「もう出来ちゃった……」
『うんうん、10cm、15cm、20cm……依頼書の通りの物が出来ましたにゃ』
「ね、楽勝だった。お皿を入れる紙袋も作っておこう」
 クラフトパネルで検索をすると、紙製の物もほぼ全てメタの木で作れることが分かった。そう言えば、とトイレットペーパーも大量に作っておいた。
 ちょちょっと紙袋を作成して、お皿の間にクシャクシャにした紙の緩衝材を詰めて、完成! 今後ワレモノの依頼が来ても、これで安全だ。
 紙袋を高らかに掲げて「ててーん!」とポーズを決めた。

「よし、商人ギルドへ納品しに行こう!」
『『おー!』』
「ファストトラベル! マルシャンの商人ギルド本部前!」

⸺⸺港町マルシャン、商人ギルド本部⸺⸺

「ディーナさん、ただいま~」
 建物に入ってすぐのところに立っていたクマ耳族のディーナさんに挨拶をして前を通り過ぎる。
「あら、ユノさんお帰りなさい」

 そしてそのままイヌ耳族のブランカさんのいるカウンターへと直行。
「ブランカさん、ただいま~」
「ユノさん? お帰りなさい。何か分からないことがあったのですか?」
 私はぶんぶんと首を横に振る。
「ううん、さっきの依頼品を納品しに来ました」
「えっ、もう!?」
 ブランカさんは目をぱちくりとさせていた。時計を見ると15時半過ぎ。ちょっと持ってくるのが早すぎたかな……。
「はい。これです」
 そう言って紙袋をブランカさんへ渡して中身を覗いてもらうと、彼女は「本当だ……大きさの違う3枚の木のお皿が……。しかも、すごく丁寧な作り……これなら★3が付きそうね」とブツブツ言っていた。

「★3?」
「鑑定してもらえば分かりますよ。依頼書はお持ちですか?」
「あっ、はい、持ってます」
 4つ折りにしてあった依頼書を開く。
「では、すぐに鑑定作業に出しますので、あちらで掛けてお待ちください。納品数も少しで今は鑑定士も手が空いていると思うので、すぐに結果が出ると思います。結果が出ると依頼書の表示が変わりますので、鑑定結果が表示されたら報酬を受け取りにこちらまで来てくださいね」
「依頼書の表示が……変わる……!? わ、分かりました、あっちで見てます」

 近くのソファに腰掛けて依頼書を眺める。すると、『進行状況:納品前』と書かれていたのが“納品前”の文字がひとりでにサラサラと消えていき『進行状況:鑑定中』に切り替わった。
「えっ、勝手に変わるのすごくない!?」
「にゃぁ!」
「わぉん!」
 この依頼書って、ただの紙じゃなかったんだ……。

 ソファで足をブラブラさせながら依頼書を穴が開くほど見つめていると、遂に進行状況のところが『進行状況:納品済、報酬未受取』へと切り替わった。
「あっ、終わったみたい!」
 更に、その下の欄に『鑑定結果』と新たに文字が浮かび上がってくる。その結果はこうだった。

⸺⸺⸺⸺

【鑑定結果】
 3点とも★★★評価
 総合評価★★★
  評価ボーナス、報酬20%UP
 報酬:1440C

⸺⸺⸺⸺

「えっ、なんかもらえるお金増えたよ!」
 ブランカさんの言っていた★3って、これのことかぁ。
『やりましたにゃ♪ 報酬をもらいに行きますかにゃ』
「うん、行こう」

 ルンルンとブランカさんの所へ戻り、依頼書を提示した。
「ブランカさん、鑑定終わったみたいです!」
「まぁ、やっぱり★3でしたね。鑑定結果の★は0~3が付きます。★1で通常報酬、★2は10%増、★3は20%増……★が0の場合は、残念ながら納品することが出来ないのでそこだけ注意してくださいね」
「分かりました、覚えておきます!」

「それではこちらが報酬の1440Cクレドになります。ご確認ください」
 ブランカさんはそう言って“1000”と書かれた紙幣を1枚、“100”と書かれたコインと“10”と書かれたコインをそれぞれ4枚ずつ渡してくれた。
 良かった、お金は数字が書かれているからわかりやすい。
「わぁ、ありがとうございます! わーい、初めてのお給料だー!」
 お金を受け取りぴょんぴょんと跳ねて喜ぶ。
「ふふふっ、良かったですね♪ おめでとうございます♪」

 ブランカさんにお礼を言って、ディーナさんにも報告をすると、私はお金を握りしめたままルキちゃんとウルを連れて商人ギルドを後にした。
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