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第二章 農業ギルドと氷雪の王国
26話 農業の町ラカノン
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⸺⸺港町マルシャン、正門前⸺⸺
あれから数日後のディーナさんとブランカさんの仕事がオフの日の朝。
私はウルユ島のみんなを連れてマルシャンの正門前までやって来た。
「ユノちゃん、みんな、おはよー!」
「おはよう、ウルユのみんな♪」
ブランカさんとディーナさんも既に正門前へ来ていて、笑顔で迎えてくれた。
「おはよー、ブランカさん、ディーナさん♪」
「にゃぁ」
「がう、がう」
「キュゥ!」
「フゴフゴッ」
言葉が伝えられないみんなは鳴いて手を挙げて挨拶を返す。
「あはは、今日も元気やなー」
「うん、みんな楽しみにしてたよ♪」
「そうなん? アタシの実家は田舎だから、マルシャンみたいの立派な建物がたくさん並んでるのは想像せんといてな……」
ブランカさんは苦笑しながら頭をかいていた。
⸺⸺
マルシャンの正門から外に出てみんなでゾロゾロと馬車に乗り込む。
「わぁ、私、馬車初めて乗るよ!」
向かい合って座る椅子があって、窓から外を眺められる。もう、これテーマパークののんびり系のアトラクションじゃん。
動き出した馬車の窓から顔を出して外を眺める。街道の外には広い大平原が広がっていた。大平原をポツポツ歩く影……あれが魔物か。
そんなことを考えていると、ブランカさんが一緒に窓の外を覗いてきた。
「馬車どころか、マルシャンの外出るのも初めてなんやろ? この国はな、比較的温かい気候に平原が8割を占める平坦で平凡な国なんや。町と町の間にこうやって街道が敷かれとって、街道には結界が張られとるで、あの魔物がこっちに来ることもあらへん。平和でええ国やろ?」
「うん、とっても! ファストトラベルばかりじゃなくて、たまにはこうやって馬車に乗ってお出かけするのもいいなぁ」
女神様は最初にこの国に行くのが最善だと思って、私が召喚された位置から一番近いところにマルシャンの転送魔法陣を置いてくれたんだろうなぁ。
「あはは、そんなことゆうて、ラカノン着いたらファストトラベル登録するんやろ?」
「ぐぬぬ……する」
私が悔しそうにそう答えると、周りからはクスクスと笑いが起こった。そりゃ、新しいところに着いたら登録するでしょ。
⸺⸺
途中、小さな村で休憩を取りながら馬車を乗り継ぐこと2時間。ようやくラカノンへと到着した。
⸺⸺農業の町ラカノン⸺⸺
私のログハウスの様な木製の建物がたくさん立ち並び、牧草の匂いが町中に漂っていた。
「あっ、あれ、牧場!?」
町の奥の方に牛らしき動物がのんびり歩く光景が広がっている。
「せやで。この町は別名“農業の町”。あっちの方は全面畑。そんで奥の方が牧場なんやで」
「うわぁ、すごいなぁ。後で行ってみていい?」
「もちろん。これからいつでも来れるんやから何回も行ったらええよ。牛乳とか卵とか、新鮮で美味いんやで」
ブランカさんはそう言ってニッと笑った。
「そうなの!? 楽しみだ♪」
ひとまずお腹を満たしにブランカさんの実家へと向かう。
⸺⸺酒場『黒山羊亭』⸺⸺
ゴブくんのような農作業をしていそうな人たちでごった返し、わいわいと賑やかな酒場だった。
奥の方の『予約席』のプレートが置かれているテーブルへと向かい、みんな席に着く。
「かーちゃん、友だち連れてきたで」
ブランカさんがそう言いながらカウンターへと向かうと、カウンターの裏からイヌ耳の元気そうなおばちゃんが顔を出した。
「と、友だちって……ちびっこだらけやないの! ホンマにこの子たちが石窯本格ピザを……!?」
かーちゃんはそう言って驚いた表情で私たちを見渡した。確かにブランカさん以外みんな小さい……! 私たちって幼稚園の先生と遠足に行ってる感じに見えてるのかな。
「みんなよう来はったなぁ。田舎やけどゆっくりしていってや。今日は娘のお友だちサービスで食べ放題や。何でも好きなもん注文してや?」
かーちゃんはニッコリ笑って分厚いメニューをドサッと置き、お水を配って去っていった。
「えっ……食べ放題!?」
私は目をぱちくりとさせる。ブランカさんは「そ。ピザご馳走してくれて秘密の話をしてくれたお礼や。みんな何でも好きなもん頼んでな」と言いつつ、早速“きゅうりとハムのサラダ”を頼んでいた。
パスタに唐揚げ、フライドポテト等々、みんな好き勝手に頼み、あちこちにフォークを伸ばして初めての酒場を堪能した。
飲み物もすりおろし100%のリンゴジュースなど農業の町ならではのラインナップで、ウルユ島でも真似したいと思うものばかりであった。
⸺⸺
わいわいと食べ進めていると、ブランカさんがこんな事を口にした。
「そう言えばここ、“農業ギルド”があるんやで? ラフちゃんとゴブくん、やってみたらええんちゃう?」
「農業ギルド!? え、ラフちゃんとゴブくんが!?」
「キュゥゥ!?」
「フゴフゴッ!?」
ヒトじゃなくてもギルドって登録出来るの? 農業ギルドって何するの? そんな疑問が湧き上がると同時に、“楽しそう……”と、そんな気持ちもこみ上げてくるのであった。
あれから数日後のディーナさんとブランカさんの仕事がオフの日の朝。
私はウルユ島のみんなを連れてマルシャンの正門前までやって来た。
「ユノちゃん、みんな、おはよー!」
「おはよう、ウルユのみんな♪」
ブランカさんとディーナさんも既に正門前へ来ていて、笑顔で迎えてくれた。
「おはよー、ブランカさん、ディーナさん♪」
「にゃぁ」
「がう、がう」
「キュゥ!」
「フゴフゴッ」
言葉が伝えられないみんなは鳴いて手を挙げて挨拶を返す。
「あはは、今日も元気やなー」
「うん、みんな楽しみにしてたよ♪」
「そうなん? アタシの実家は田舎だから、マルシャンみたいの立派な建物がたくさん並んでるのは想像せんといてな……」
ブランカさんは苦笑しながら頭をかいていた。
⸺⸺
マルシャンの正門から外に出てみんなでゾロゾロと馬車に乗り込む。
「わぁ、私、馬車初めて乗るよ!」
向かい合って座る椅子があって、窓から外を眺められる。もう、これテーマパークののんびり系のアトラクションじゃん。
動き出した馬車の窓から顔を出して外を眺める。街道の外には広い大平原が広がっていた。大平原をポツポツ歩く影……あれが魔物か。
そんなことを考えていると、ブランカさんが一緒に窓の外を覗いてきた。
「馬車どころか、マルシャンの外出るのも初めてなんやろ? この国はな、比較的温かい気候に平原が8割を占める平坦で平凡な国なんや。町と町の間にこうやって街道が敷かれとって、街道には結界が張られとるで、あの魔物がこっちに来ることもあらへん。平和でええ国やろ?」
「うん、とっても! ファストトラベルばかりじゃなくて、たまにはこうやって馬車に乗ってお出かけするのもいいなぁ」
女神様は最初にこの国に行くのが最善だと思って、私が召喚された位置から一番近いところにマルシャンの転送魔法陣を置いてくれたんだろうなぁ。
「あはは、そんなことゆうて、ラカノン着いたらファストトラベル登録するんやろ?」
「ぐぬぬ……する」
私が悔しそうにそう答えると、周りからはクスクスと笑いが起こった。そりゃ、新しいところに着いたら登録するでしょ。
⸺⸺
途中、小さな村で休憩を取りながら馬車を乗り継ぐこと2時間。ようやくラカノンへと到着した。
⸺⸺農業の町ラカノン⸺⸺
私のログハウスの様な木製の建物がたくさん立ち並び、牧草の匂いが町中に漂っていた。
「あっ、あれ、牧場!?」
町の奥の方に牛らしき動物がのんびり歩く光景が広がっている。
「せやで。この町は別名“農業の町”。あっちの方は全面畑。そんで奥の方が牧場なんやで」
「うわぁ、すごいなぁ。後で行ってみていい?」
「もちろん。これからいつでも来れるんやから何回も行ったらええよ。牛乳とか卵とか、新鮮で美味いんやで」
ブランカさんはそう言ってニッと笑った。
「そうなの!? 楽しみだ♪」
ひとまずお腹を満たしにブランカさんの実家へと向かう。
⸺⸺酒場『黒山羊亭』⸺⸺
ゴブくんのような農作業をしていそうな人たちでごった返し、わいわいと賑やかな酒場だった。
奥の方の『予約席』のプレートが置かれているテーブルへと向かい、みんな席に着く。
「かーちゃん、友だち連れてきたで」
ブランカさんがそう言いながらカウンターへと向かうと、カウンターの裏からイヌ耳の元気そうなおばちゃんが顔を出した。
「と、友だちって……ちびっこだらけやないの! ホンマにこの子たちが石窯本格ピザを……!?」
かーちゃんはそう言って驚いた表情で私たちを見渡した。確かにブランカさん以外みんな小さい……! 私たちって幼稚園の先生と遠足に行ってる感じに見えてるのかな。
「みんなよう来はったなぁ。田舎やけどゆっくりしていってや。今日は娘のお友だちサービスで食べ放題や。何でも好きなもん注文してや?」
かーちゃんはニッコリ笑って分厚いメニューをドサッと置き、お水を配って去っていった。
「えっ……食べ放題!?」
私は目をぱちくりとさせる。ブランカさんは「そ。ピザご馳走してくれて秘密の話をしてくれたお礼や。みんな何でも好きなもん頼んでな」と言いつつ、早速“きゅうりとハムのサラダ”を頼んでいた。
パスタに唐揚げ、フライドポテト等々、みんな好き勝手に頼み、あちこちにフォークを伸ばして初めての酒場を堪能した。
飲み物もすりおろし100%のリンゴジュースなど農業の町ならではのラインナップで、ウルユ島でも真似したいと思うものばかりであった。
⸺⸺
わいわいと食べ進めていると、ブランカさんがこんな事を口にした。
「そう言えばここ、“農業ギルド”があるんやで? ラフちゃんとゴブくん、やってみたらええんちゃう?」
「農業ギルド!? え、ラフちゃんとゴブくんが!?」
「キュゥゥ!?」
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