ラズとリドの大冒険

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４

　ゾルディーネのはげしいダンスが、ずっとつづいている中、突然、音楽は止まった。
　そこで、ピタッとダンスをやめたゾルディーネは、顔をしかめると、
「ん？　どうした、なぜ音楽が止まった？」と、けげんに思いながら言った。
　ディンゴネクが、近くにあった、魔女からもらった、世界中の、家の中でも、学校でも、仕事先でも、寝室でもトイレでもお風呂の中でも、どこでも見ることができる水晶を確認すると、
「どうやら、客人がきたようです」と言った。
「どれどれ」
　ゾルディーネは、ディンゴネクのいる水晶の近くまでいくと、首を長くしながら、水晶の中をのぞき込んだ。
「本当だ」
　水晶にうつっていた、黒い船を見て、ゾルディーネが言った。
「そういえば、思い出したぞ。今日は、客人のくる日ではないか！」
　突如、ひらめいたゾルディーネが言った。
「しかも今日の客人と言えば、わが輩の双子の弟、デッセンスのくる日だ」
　続いて、ゾルディーネは考えながら言った。
「すっかり忘れていたぞ！　これで退屈がなくなる」
　それを聞いたディンゴネクは、呆れたような顔をすると、
「ゾルディーネ様。そのお話なら、今日の朝、おっしゃったではありませんか。お忘れになったんですか」と言った。
　しかし、ゾルディーネは、そう言ってくるディンゴネクを無視し、
「ん？  でも、ちょっと待てよ」と言った。
「後ろになにかあやしい船がついてきているぞ」
　黒い船の後ろに、ぴったりとはりついてすすんでいる、ラズたちの乗るジオードサンド号を見て、ゾルディーネが言った。
「本当ですね」
　ディンゴネクが言った。
「一体誰でしょう」
　続けて、目を細めながら、ディンゴネクが言った。
「やつら、始末してきましょうか」