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陛下
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翌朝、アナスタシアが目覚めるとまた花が枕元に置いてあり、添えられたカードには
『よく眠っていたので、起こさなかった。また来る。』
と書かれていた。
どうやら、昨夜アナスタシアが、エドのことや今後の事で思い悩んだまま寝落ちした後、皇帝陛下が来たらしい。
陛下があのエドと一緒にいたタイミングで、現れなかったことにホッとしつつ、毎回熟睡している自分に呆れているのではないかと思ってしまう。
「どうしていつも陛下は、夜遅くにみえるのだろう。一度くらい昼間、ちゃんとお会いして話したい」
無意識に口に出していたのだろう。
リリーが
「陛下にお手紙を書かれたらいかがですか。」
と言ってくれた。
早速、便箋を用意してもらいペンを走らせた。
『陛下、いきなりのお手紙失礼いたします。
昨夜はお出迎えも出来ず申し訳ありませんでした。それなのにまた花をいただき、うれしく思っております。
まだ一度もお会いしていない私は、陛下のお気持ちを知りたいです。お務めを果たしていない私を側妃にされたのは、なぜですか。
側妃には過ぎた願いかもしれませんが、ぜひ昼間にでもお越しいただいてお話がしたいです。
お待ちしております。 Ana 』
封をしてレインに託すと門番経由で皇帝執務室に届けられた。すると午後になり、お茶を飲んでいると外が騒がしくなり、皇帝陛下の先触れがアナスタシアの部屋に来る。
慌てて帝国風のドレスに着替えて、ソファーに戻ってすぐに陛下が部屋に現れた。
初めて会うその人は、背が高く細身で、短い黒髪に鋭い黒い瞳を持つ精悍な感じで、兵士に混じっていたら皇帝というより指揮官クラスの兵士にみえる方だった。どことなくエドに似ていると思うが、あまり男性と顔を合わせる事がなかったアナスタシアには、帝国人の顔立ちの区別がつきにくいだけかもしれない。
初めて近くで会えたリリーとレインも頰を赤らめてキャーキャー言っている。
皇帝陛下に椅子を勧めて一緒にお茶を飲みながら話すことにした。
「アナスタシア、手紙をもらった。話したいと言うから来てみたが、まずかったか?」
「いいえ。ご挨拶が遅くなり申し訳ございません。クレア王国より参りました。アナスタシアでございます。陛下の花の一輪として咲き続けたい所存でございます。」
「私は、月光の乙女の噂を聞いてから一度会ってみたいと思っていたのだ。会えばどうしても自分のものにしたかった。だからアナスタシアの意向を聞かず花を贈ってしまった。」
「私はそんな風に言われるような者ではありません。」
「今日はこのまま夕食をここでとって、泊まっていく。皆、そのつもりでいるように。」
二人でゆっくり話をし、夕食が終わるとアナスタシアはそのまま抱き上げられ、ベッドへと連れていかれた。
優しいキスが額に頰に唇に落とされ、アナスタシアは陛下を愛し愛されて、ここで生きて行こうと思いつつ、あの時のエドの顔が頭の片隅から離れない自分が嫌だった。
『よく眠っていたので、起こさなかった。また来る。』
と書かれていた。
どうやら、昨夜アナスタシアが、エドのことや今後の事で思い悩んだまま寝落ちした後、皇帝陛下が来たらしい。
陛下があのエドと一緒にいたタイミングで、現れなかったことにホッとしつつ、毎回熟睡している自分に呆れているのではないかと思ってしまう。
「どうしていつも陛下は、夜遅くにみえるのだろう。一度くらい昼間、ちゃんとお会いして話したい」
無意識に口に出していたのだろう。
リリーが
「陛下にお手紙を書かれたらいかがですか。」
と言ってくれた。
早速、便箋を用意してもらいペンを走らせた。
『陛下、いきなりのお手紙失礼いたします。
昨夜はお出迎えも出来ず申し訳ありませんでした。それなのにまた花をいただき、うれしく思っております。
まだ一度もお会いしていない私は、陛下のお気持ちを知りたいです。お務めを果たしていない私を側妃にされたのは、なぜですか。
側妃には過ぎた願いかもしれませんが、ぜひ昼間にでもお越しいただいてお話がしたいです。
お待ちしております。 Ana 』
封をしてレインに託すと門番経由で皇帝執務室に届けられた。すると午後になり、お茶を飲んでいると外が騒がしくなり、皇帝陛下の先触れがアナスタシアの部屋に来る。
慌てて帝国風のドレスに着替えて、ソファーに戻ってすぐに陛下が部屋に現れた。
初めて会うその人は、背が高く細身で、短い黒髪に鋭い黒い瞳を持つ精悍な感じで、兵士に混じっていたら皇帝というより指揮官クラスの兵士にみえる方だった。どことなくエドに似ていると思うが、あまり男性と顔を合わせる事がなかったアナスタシアには、帝国人の顔立ちの区別がつきにくいだけかもしれない。
初めて近くで会えたリリーとレインも頰を赤らめてキャーキャー言っている。
皇帝陛下に椅子を勧めて一緒にお茶を飲みながら話すことにした。
「アナスタシア、手紙をもらった。話したいと言うから来てみたが、まずかったか?」
「いいえ。ご挨拶が遅くなり申し訳ございません。クレア王国より参りました。アナスタシアでございます。陛下の花の一輪として咲き続けたい所存でございます。」
「私は、月光の乙女の噂を聞いてから一度会ってみたいと思っていたのだ。会えばどうしても自分のものにしたかった。だからアナスタシアの意向を聞かず花を贈ってしまった。」
「私はそんな風に言われるような者ではありません。」
「今日はこのまま夕食をここでとって、泊まっていく。皆、そのつもりでいるように。」
二人でゆっくり話をし、夕食が終わるとアナスタシアはそのまま抱き上げられ、ベッドへと連れていかれた。
優しいキスが額に頰に唇に落とされ、アナスタシアは陛下を愛し愛されて、ここで生きて行こうと思いつつ、あの時のエドの顔が頭の片隅から離れない自分が嫌だった。
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