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【アルヴィン視点】

今日も朝から小姑モードのエイミーの声が我が家に響いている。

「クリスティア、わかっているの?先日、注意したはずよ。」
「そんなこと言われても…」
「レディは口答えしない。」

エイミーが楽しそうなのは、分かるが何故かクリスティアも楽しそうだったりする。
以前は、儚げな天使だったクリスティアが怒ったり、拗ねたりするのを見て、やはり人だったなんて、当たり前なことを思ってしまう。
それはそれで愛らしく、私の為に頑張っている姿は愛しい。

私はそこで首を振った。
いや、私はロリコンではない。
たぶんクリスティア限定の感情だと思う…のはずだ。

友人の子どもを見てもリチャード同様にかわいいなとは思うが、そんな目で見たことは一度もない。

ただクリスティアだけは、(もちろんエイミーを除いてだが)特別なのだ。

私だって、そこそこの地位と顔があるせいか女性が向こうからやって来ることが多いし、遊んだこともある。エイミーには絶対に言わないが、学園時代に自分の部屋に何人か連れ込んだこともある。ただ本気になる相手はいなかっただけだ。
別にエイミーを性的対象で見たわけではなく、純粋に妹が可愛いだけだったと今になって思う。
なぜかと誰かに問われても、絶対、ぜーったい言いたくないが、クリスティアの笑顔を見ると自分が赤くなるだけではなく、自分の股間が熱く滾ってしまうのを収めることに苦労している。
マジにまずいだろうと思いながら、ついキスしたい、押し倒して優しく…なんて考えてしまうから、相当重症のようだ。

「お兄様、きいてらっしゃる?」

ハッとすると目の前にエイミーが座っていた。

「なんだ?」

極力、平静を装い答えるとエイミーがニヤニヤしていた。
いや、その笑い方は王太子妃としてどうなんだとも思ったが、とりあえず話を続けさせた。

「だいぶ慣れてくれたみたいで、そこそこの気の強さもかわいいわよね。最初のお人形よりよほどいいわ。」
「そうだな。」
「ますます好きになったの?」
「そうだな。」
「手を出したいなって考えてる。」
「そうだな。」

なんとなく相槌を打っていて、ふと我に帰った。

「何を言わせるんだ、エイミー。」
「あら、お兄様の本心じやないの?」

エイミーの言い分に言葉が詰まった。

「まだまだ先だな。」

そう言って自分に言い聞かせるだけだった。









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